床下温湿度・熱の移動の実測結果 2017年版
実測データーから真実がわかる

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昨年の7月から床下の環境を実測をしている「緑の家」において、2017年の梅雨から夏の結果を解析しました。

実測した「緑の家」のスペックを改めて紹介すると

建築年 2016年4月竣工
延床面積 133m2(吹抜けを除く)
建設地 新潟市西区寺尾(市街地)
Ua値 0.24w/m2K
C値 0.26cm2/m2 (完成時)
住人数 2人
特別な事 グランドピアノ中心の室内管理
空調方式 汎用壁掛エアコン3台(内1台は床下用エアコン)
換気方式 第一種全熱交換型セントラル換気システム
補助空調設備 浴室CF(「緑の家」オリジナル)

この美しく気品のあるピアノのために空調があるといってもよい。欧州製のピアノは湿気を嫌い乾燥を好み高いRH(相対湿度)では生きた音がでない事になる。よって年中室温が25度でRH(相対湿度)40%台と驚異的な管理。

実測期間2016年7月~2017年8月(全実測期間)

下の表は床下内に設置した熱流流計と温湿度計および外気の結果です。

昨年は再熱除湿を行ってもRH(相対湿度)が50%を上下しましたが、今年は7月1日から8月8日まで床下エアコンは暖房モード!!23度設定で、他は冷房(再熱除湿)で行っていると、ほぼ50%を上下している・・・。9日より床下エアコンを再熱除湿25.5度にするとRH(相対湿度)はいとも簡単に驚異の30%台へ突入。流石2年の床下は乾いております。また、床下エアコンの運転モードを再熱除湿にした途端、床下スラブからの熱流は地面から室内方向に熱が移動しております。これも1年目には全く見られない現象・・・。是非下のグラフをじっくりご覧ください。

梅雨から8月9日まで床下エアコンは暖房モードでON。但し実際加温で動いたのは僅か数日。その他の日は送風だけになっていた模様。8月9日から再熱除湿をすると面白いようにRH(相対湿度)は下がり、一時は30%に突入。これは床下の床上10cmという厳しい測定点でのこと。

間違ったグラフ。

この事から・・・床下エアコンで冬期積極的に暖房すると、2年目には既にスラブ下の温度が限りなく床下温度に近づいております(周囲を除く)。

再熱除湿で床下内の温度が2度下がって熱の移動方向が180度変わり、スラブ中央、中間部、外周何れにおいてもスラブ・地面から熱をもらっております。数時間ならスラブの熱容量の影響と思われますが2日連続して熱が室内方向に向いている事を考えると地面も25度まで上がっていたと思われます。周囲部は外気の温度と他の熱ベクトルからの影響でしょうね。

私が考えるに・・・
夏期でも床下内は25度以上の方が住人の足裏には快適であり、床下空間は常に加温状態がよいといえます。この事から床下冷房は快適さの上ではあり得ない空調方式(新潟県基礎内断熱住宅)だとの結論です。

この寺尾西の家の床下の状態なら、冬のRH(相対湿度)も低く、夏・梅雨のRH(相対湿度)も低く、床下においても高湿の心配は皆無と考えます。この実測をもって一つの区切りをつける事ができ、「緑の家」の内断熱高基礎および床下環境を胸をはって薦めることが出来ます。

この一年実測にご協力頂き、しかもこちらがお願いしたわけでもないのに、ピアノのためとはいえ再熱除湿運転を積極的にお使い頂くことで、貴重なデータが分析出来、そこから「緑の家」の高い温熱ポテンシャルに似合った空調計画の正しさが証明されました。ここまで実測データをオープンにして実際のお住まいで確認する事が可能になったのはすべて寺尾西の家オーナー様のおかげ。本当にありがとうございました。この場にて改めて御礼申しあげます。

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