その2を要約すると、
「快適な温度湿度は幾つ?」
との質問には、明確な答えがないのです。
それがこのスライドになります。快適温度は25.6℃が一番多いが、巾は大きく1つに決定する事は出来ない・・・のです。そういえば・・・
「緑の家」では室内の温度をご案内する事は大変少ない事に気がつきました。温度を聞かれると
「冬は23~24度で夏は26度~28度。でも住んだら自分の好きにしてください。」
と言いますね。
確かに完成見学会時の設定では、
夏期は室温26度でRH50%、冬期で室温24度でRH40%が多く、家の為にはRH45%以下が良いとはいいますが快適は○×が一番よいとは言っておりません。それにはやはり体験があり、私が高気密高断熱に住み始めた27才の頃、室温設定は24度~25度で半袖・裸足で冬を過ごす事も多かったのですが、今は同じ温度でも長袖は最低必要で靴下も基本的にはきます。年齢によって、またエネルギーコストによっても快適性はかわるのでは無いかと考えております。
昨年の例ですが、
みずき野の家のオーナーさんは25から26度で半袖、短パンと伺っておりますし、ある「緑の家」のオーナーさんは同じ25~26℃で長袖、長ズボン。またある「緑の家」では、床下暖房で20℃で電気炬燵を併用して過ごしていたりと・・・様々です。
さて・・・本題の湿度ですが、
「緑の家」では夏の湿度管理必須です。この最大の理由は夏期屋内のカビ管理のためです。人は二の次で先ずは家内部のカビ防止なのです。
ですが・・・人にも少しは影響があると思います。
ただ、その2でもご案内したとおり、ASHRAE(アシュレイ)での認識は快適温度範疇なら湿度の影響は殆どないとの事で上のグラフの青枠が快適と評価されます(温度が25度ならRH0%でも快適となっている)。
また田辺先生によると、人には湿度を感じるセンサーはないとのことで、梅雨時に肌がべたつくという感覚は汗が出てその塩分が再び皮膚表面で溶融しべたつく成分に変化するとの事。でもこれって見方を変えれば立派なセンサーとはいえませんか?別に直接湿度を感じなくとも、あの肌にまとわりつくベタつきが、それ以外湿度を感じる事ができない皮膚感覚なら間違いなく、人独自の高湿度センサーです。
また・・・
真夏に湿度の低い部屋にはいると、服で吸湿し、肌表面にある水分が急激に気化するので、その冷熱の能力は室温が低いだけより爆弾級の即効性があり、それが気持ちよいのでは・・・との事ですが、それもやはり人の体温調節の一つが気化熱を誘発する汗線があるからで、これもセンサーのようなもの。例えば・・・アナログ式の湿度計が、生体の毛の湿気による伸び縮みをする事で針を動かすことは有名で、これを我々は湿度計と呼んであります。厳密には湿度センサーではなく、ただの毛の長さの変化ともいえますが、間違いなく低湿度がわかりますよね。しかも汗が乾き服の水分もなくなればこの爆発力はなくなる・・・優れた湿度による体温調節方法です。
冬期も同様で、
上のグラフから温度が22度なら湿度は殆ど快適性に影響ないと言われておりますが・・・
写真のように湿度が変わると着ている洋服で温度が変化が起こります。この温度変化で人は体感温度が変わり快適性も変化するでしょう。ウールの場合は湿度が変わったので人から熱を多く奪います。よってちょっと冷えた感があると思います。これも人の皮膚に直接湿度変化が関与することはないのですが、確実に影響はあります。つまり・・・人は裸でいる事は殆どないの出すから湿度によって快適性が変化しているともいえます。夏も湿度の影響を服に溜まった吸湿水が影響を受け冬も同様・・・。このことより湿度の影響が少なからずあると言えます。今後この湿度論議からもう少し目が離せません。
そして懇親会。笑顔で乾杯! 主宰、幹事さんありがとうございました。