職人魂のデザイン

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この橋のデザインはたのしい。それはだだ機能だけのデザインではなく、遊び心も持ち合わせているため。詳しく調べてはいないが、築造年は70年前以上と思われれる。機能だけでデザインすれば、現在造られる橋の多くがそうであるように、すっきりとシンプルの機能と効率を最優先した橋となる。それはそれで美しいが、この写真のように遊び心をもった昔の職人気質の技術者(設計者)がつくると、シンメトリーをわざと崩すようなデザインや部材の使い方になる。橋の上部をつなぐ梁部分のデザインがそれぞれ違う。そしてアーチ部分も微妙に変形している。無駄な部材はないのだけれど、必要な部材でデザインすることを楽しんでいる。こういう職人魂は私も見習いたいし、心がけている。楽しいということは心が軽くなる。機能美が美しい古い木造建築でさえも実は遊びが顕著に現れるところがある。それは「建具」と言われる扉(雨戸、障子、ふすま)。必要な部材だけで楽しく、時には凛として造られている。その細い木が一本がないと建具が成り立たないそんな必要な部材で造られるから、昨今のような「うわべ」だけを繕った安易なデザインとは違う。そこにとても魅力を感じる。

PS

少しこの橋を調べてみたら、やっぱり異色橋梁設計者「増田淳」という技術者だった。通常は政府が設計する橋梁を個人事務所で委託設計をしていたという紹介があった。なるほど。

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