2009.10.02 2013.01緑字修正
昨日は、東北電力さん主宰の新しいヒートポンプの活用の実際を、仙台市に見に行った。仙台に一日でトンボ帰りという強行日程。上の写真は、午後4時頃の仙台市郊外。この5時間後には新潟県に戻ってくるのだが、その雪一色の環境の違いに改めて驚く。
さて本題であるが、「地球温暖化はどういう決議が国際的に決まってもすぐには止められない。」と感じる。これは決してあきらめているのではなく、現実をしっかり捉えるとそう感じるのである。地球温暖化が進行しても、その変化はゆっくりしたものが多い中、水、食料とエネルギー問題はあっという間に死活危機をもたらす。2050年頃の問題は地球温暖化より食料やエネルギー枯渇危機(完全になくなるのではなく高騰により入手困難)ではないかと考える。この100年で地球上の人類は20億人(1900年)から65億人(2006年)になり、2050年には100億人になりそうな勢い。 まず間違いなく食料や水は足りない。自然が淘汰するまで待つ(地球規模の飢餓)にならないように知恵を絞る必要がある。地球温暖化防止といいつつ商業的に利用している商いが多い事は、とても残念なこと。
地球温暖化防止として、色々な案内や広告がされる。具体的にひとつ申し上げると、薪ストーブは地球の温暖化に有効と言う人が時々にいらっしゃる。そうか、では日本の灯油ストーブやエアコンをすべて薪ストーブにしたらよいのか?と極論を考えると、日本の国の森林はあっという間になくなるだろう。つまりCO2を吸収する森林が突然なくなるということ。
細かいことは抜きにしてこのままの生活でざっくりと考えると、
家庭の年間暖房エネルギーは 40000MJ 400MJ/m2の30坪の家 Ⅳ地区次世代
木材1kgの発生エネルギー 15.42MJ
すると40000/15.42=2631kg/件
日本の家は約3000万戸が暖房すると、
78930000トン
日本森林バイオマス(生体質量)は31億立方メートル 1m3=0.5トン
住宅建築の木の使用量を1億m3/年は無視(造林生育はすべて木造住宅に使用とする)
31*0.5/0.7893=約3819年 、
3819年で日本から木はなくなると予想できる。(生産が消費に追いつかない。)
つまり石油や石炭と同じ時期に枯渇(完全になくなるのではなく高騰により入手困難)する。3000万戸もある住宅がいっせいに薪にしたらCO2を固定化する木が無くなり、今より地球温暖化を進めてしまう。決して薪ストーブが地球温暖化防止に役立つ訳ではない。「昔の生活は木が燃料じゃない?」という人がいると思う。この大前提は当時の生活水準と人口の二つが大きく違うから。明治始めのころの日本の人口は3500万人といわれている。今が1億3000万であるから、約4倍。さらに日常生活で暖房することのなかった明治と比べても全く暖房使用量が違う。薪ストーブはその趣味的な魅力によって人気があり、今の環境で使っても地球温暖化防止に役立つ訳で使用しているのではない。と思っている(ペレットストーブは、未使用で破棄されるバイオマス燃料の有効利用という点では役立つといっていいかも)では、地球温暖化のもっとも優れた対策とは・・・。非常に極論であり申し上げにくいが・・・人口の抑制だと思う(先進国は基準年より75%以上のエネルギー抑制も含めて)。
地球温暖化対策ではないが、今後の日本のとるべき方針も人口の削減(抑制)だと思う。日本では国土面積に対し人口が多いという特殊な国。食料もエネルギー自給率も40%以下なのに島国!!食料危機やエネルギー危機が数十年後にきたらまず間違いなく一番困る国になるのは火を見るより明らか。私は日本人は賢い(感謝!!)ので、本能的にそれを察知して人口を自然と抑制するように動いているのではないかと思っている。だからこの自然人口減を止めるような方策は国にしてほしくない。ゆっくりと(ソフトランディング)自然減にして、その前提で社会補償や経済政策成り立つ方針転換が必要なのではないかと考えるが、時間は既にない。そこで今真剣に日本が目指す未来を明確にしておく必要がある。これが未来の子供たちにバトンタッチする責任ではないかと想う。どう考えて島国の基本は、やはり自給自足により近くなること。これが他の国にも迷惑を掛けないことになる。日本の人口が飛躍的増えた大正時代のころ、国外に資源を求めて戦争になった事は忘れない。実は「緑の家」の「暖房空間がコンパクトな家」という発想も同じ。できるだけコンパクトに質の高い家(Q値は0.9!)を造る事がこれからの家と思っている。
先進諸国の中でエネルギー自給自足率は4%と最下位の日本。同じ島国のイギリスでは、なんと78%の自給率。フランスも7%と低いけれど、原発を自国のエネルギーとすると50%になるし、なんと言ってもフランスは食料の120%以上の自給率。日本は真剣に考えるときが来ている。
さて、私の恩師から聞いたことであるが、人口やエネルギー問題の一番良い解決方法は、人を小さくすることらしい。身長が1/2になれば食料は1/4以下。ほかのすべて(家の大きさ、エネルギー)も1/2以下になる。しかしこれは早期現実不可能(5000年くらいのスパン)。となると人口削減が一番。地球号(仮に定員200人)という宇宙の大海原の船に1000人も乗っていたらすぐ沈没する。削減といっても一家族当たりの子供を2.0以下にすることで自然と人口は減る(少子化対策から見れば正反対。とってもお叱りを受けそうな話)。戦争や飢饉によって減ることは望まない。
今すぐできること(日常の些細な事、節約、もったいない)は直ぐに実行し、目標を決めて長いスパンで考える事と分離する。それら長期目標を教育で子孫に託すことで私は明るい未来があると想っているし、そう信じている。
ではどんな未来か?なんとなくだが、科学はどんどん進化するのだが、人は農業主体の質素であるが豊かな暮らしではないだろうか?農地の上を重力反発宇宙船が飛ぶ宮崎駿映画のような・・・。