わくわくする・・・エアコンの論文 2

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風量固定時のCOP(冷房、暖房)
先回の「わくわくする・・・エアコンの論文」の結論で、

暖房時に定格運転5kwの半分くらい(2.5kw)を考えて選定することが良いことは上の図でわかったが、冷房時に定格運転4kwよりやっぱり半分の2kwの方がCOPが高くなっているのになぜそこを薦めないの?
とのご質問頂きました。確かに以前ブログで何度となく説明していたので今回は理由を端折って冷房は定格が良いと言っているので少し補足説明します。

風量自動運転時のCOP(冷房、暖房)

同じ論文中のこちらの図が風量自動運転時のCOPを示しております。通常冷房時に風量は自動モードにしておりますから、冷房時はこちらの図が現実的です。すると・・・
図(a)の青い線(COP)を見ると定格出力時のCOPが定格出力時半分のCOPより高い事がわかります。これは冷房負荷が小さいとき(定格出力の半分)には風量を絞って空気の温度を下げた時に起こる結露で除湿できるようにセッティングされているからです。熱交換器は接触面積と接触風量によって効率がきまり、何れも大きい方がCOPが高くなります。ところが冷房出力が小さいときは風量も落とさないと除湿できる熱交換器の温度になりません。よって風量を落とし、結果効率がさがります。一方定格時の時はある程度風量を大きくしても熱交換器温度を下げたままにできます。つまりCOPが上がるわけです。その塩梅(制御アルゴリズム)を考えるとこのような二ツ山の曲線になったのでしょう。10年前は一つ山の制御アルゴリズムのため、低出力時には除湿がされず快適性に問題がありましたが、それを改善した制御の解答がこのような二ツ山のでしょう。
従って冷房は定格運転時にCOPも高く加えて除湿もしっかり行える制御のため、私は数年前から冷房時にはなるべく1台に集中負荷をかけさせる空調計画とします。

実は暖房時も自動風の場合は面白い事に気づきます。
自動風ではなく風量固定時には定格暖房時の半分くらいが一番効率が良かったのに、自動風にするとなんと・・・定格暖房出力の40%から定格出力の80%までほぼ一定のCOPになります。これは少ない出力時に風量を抑えることで吹き出し風の不快さを緩和しているのです。つまりエアコン暖房で一番嫌われるのは温風が体にあたることなのでこれを解消しているのでしょう。

ここで皆さんに問題です。
では床下暖房に使われるエアコンは風量をどのくらいにセットしてますか。

答えは風量MAXです。これは床下内の循環風を多くするためです。よって「緑の家」は主暖房が床下エアコンとなり、風量MAXでいちばんCOPが良い定格時の半分くらいを狙って計画するわけです。

どうです・・・スッキリしましたか。

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