構造審査がほぼ全ての住宅にも義務化される前に、私がいつも申し上げているスラブ下の断熱材の例の問題が数年以内にようやく解決されると期待している。
それは・・・
住宅用基礎には概ね2種類の種類があることは多くの人がご存じだろう。今や住宅用基礎の90%以上(住宅金融支援機構の調査)を占めるベタ基礎。数年後構造のチェックが義務化されれば、このベタ基礎の下に敷き込む断熱材が構造的に見てOKかどうかを行政は明示する必要があるからである。
現在良い家を造ろうと考えている建て主さんのなかで支持されてきているのが、超高断熱住宅である。特に最大手の一条工務店さんが10年ほど前から力をいれて販売しているので、あまり興味ない冬期暖かい太平洋側の建て主さんでもその工法を候補としてあげている。その超高断熱住宅を造るときに最も気密性能を簡単に上げられる基礎断熱工法は、多分私の見立てでは超高断熱住宅の半数以上になっていると感じられる。その超高断熱住宅(G2以上G3程度)では、基礎からの熱の損失が大きいと既にわかっている。このため基礎断熱を外側で断熱材をくるみこむ外断熱としている建て方もある。この時に建物の自重を支えるスラブ下に断熱材を敷き込むことも行なうやり方がありこのスラブ下の断熱材は構造材となる。なぜなら基礎スラブ下のから力の流れは、クラッシャーランで転圧された地盤面へ通常直接つたわる。そしてこの地盤面の長期許容支持力の根拠を審査機関では現在でも明示させられる。つまり地盤面とスラブになにか違う材料があればそれも長期許容支持力を明示しなければならない。実はこの長期許容支持力を満足するのは、数値だけをみれば杉の木でも十分すぎるほどOKである。しかし誰もスラブ下に木を敷き詰めることは考え無い。それは地中内に埋められた木は安定的な長期支持力を得ることは不可能だと考えるから。つまり微生物によって腐ってなくなることを意味する(寒冷地は除く)。
現在の板状断熱材は殆どが炭化水素で構成されている。つまり木や人とほぼ同じ水素と炭素でできている(木と人は窒素もはいる)。決して土やコンクリート構成物であるケイ素主体では無い。つまり経験的に板状断熱材は微生物劣化の可能性がある素材である。それを示すように近年ではあの安定素材であるペットボトルを積極的に分解する微生物が発見された(↓のブログ)。
しかも最近では発泡スチロールを食べるミルワームが見つかるなど、微生物で無くと樹脂系断熱材を分解する昆虫まで発見されている↓。
一方現代のコンクリートが発明されてから200年経つが、コンクリートを食べる虫や分解する微生物はまだ発見されていないので、急速な劣化がないことで超高層ビルの基礎から住宅の基礎まで使われており、その実績が全く違う。
地盤改良頭部分だけ断熱材がないとすればOKという考えがあるが、住宅用の地盤改良でつかう柱状改良はビルなどの杭基礎ではない直接基礎の分類であることは明らか。よってあくまでも柱状改良とベタ基礎面下が一体となって長期許容支持力を得ている。これは住宅基礎のバイブルである建築学会の監修の「小規模建築物基礎設計指針」に記載されている。
そこで数年後構造審査が義務化※されるので、この断熱材が基礎の下に敷き込まれて良いかどうかを判断をする時期に来ている。
※現在一般的な住宅では「行政」による構造審査は行なわれていない。設計者判断である。
とここまでお話してスラブ下断熱材ってなに?との読者もいらっしゃるだろうと思うので過去のブログを下におく。3連載なのでボリュームがあるが、客観的なエビデンスに基づいている。