思考の組み立て方・・・吸放湿物質と夏型壁内結露 その5

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もう終わり宣言をしたのにまだ続く・・・。

やっぱり実際に近い組み合わせにしないといけないだろうと思い、一般的に行われる繊維系断熱材と間柱の木(杉)の組み合わせを想定し実験する。

実測する木の大きさは断熱材は1/10スケールなので間柱30mmの1/10の3mmが455ピッチ分の厚さ6mmとした。念のためその木は15年前から事務所内にサンプルとしておいてある十分乾いている杉の羽目板である。

助走期間は12時間屋外に放置し外気中の平衡含水率近くにするため前日の夕方に屋外保管。

朝5時にポリ袋(ジップロック)で密閉し東側の日が当たるとところに置く。

左はネオマフォーム厚30mmで右は高性能GW厚60mm+杉厚12mmを朝5時にジップロックに入れる。

実測はまだ梅雨らしくない乾き気味のAH(絶対湿度)の日である。

昨夜から今朝にかけてRH(相対湿度)が70%と大気が乾いているので夏型結露しないかなと思ったが、

放置後2時間後、

フェノール系断熱材(ネオマフォーム)は全く結露していないが繊維系断熱材+木は激しく結露している。

多分・・・

「これはポリ袋に入れるという特殊条件だからだろう。実際にあてはまらないよ。」

とのご意見もあるだろう。

最初から申し上げたとおり、ガラスや金属のような吸放湿が全くない素材ならポリ袋に入れて同じように暑くしても結露しない。つまり部材の吸放湿が結露の原因であることは誰も反対はしないはず。だからこの30度から60度という温度帯でどの材料がどのくらいの吸放湿感度があるか調べたかったのである。吸放湿の感度が高い物質は壁内結露の原因を作るのである。無論、雨漏れなどの特殊な条件ではなく、大気中のRH(相対湿度)に対しするその部材の平衡含水率の時が条件である。この時に運悪く放出された湿気が拡散しにくい状態で露点温度に接すると結露する。木造住宅では高温側に吸放湿しにくい材質で吸放湿する木材。GW等を覆うことが出来れば、夏型壁内結露の可能性が低くなると考えられる。

巷では吸放湿の感度が高い物質をありがたく屋内に使う傾向があるが、これは本州以南の平地部において空調制御、カビ防止の面からみるとよいとは言えない。しかし人自身も吸放湿感度が高いともいえ同類である吸放湿感度の高い素材は気持ち良いと感じる。そこがむずかしいところ。

さてこの実験は下のように雨が入らないようにポリ袋に穴をあけ湿気が少しだけ行き来出来るようにしてこの今夏中屋外に置いておく。GWには防かび剤が塗布されているが秋にはどうなるか。

さて・・・

GWという本来は吸放湿しないガラスで出来た断熱材でさえ細繊維にするとこのような吸放湿の感度が高く夏型壁内結露の素材となるが、紙で出来たセルロースファイバーはどうだろう・・・。これは次回に。

前回終わり宣言したはずなのにまだあるの(笑)?

・・・興味があるまで行う予定。

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