釘に拘る。木の外壁には錆びる釘を使用

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Dscf0429木の外壁に開けられた小穴。


昨日石上の家で外壁の釘チェックに行きましたが、不思議な穴があいているのです。

Dscf0303外壁貼り始め。

使っている外壁は「杉」の羽目板で、節有りのスタンダート品(赤白混在)です。これに釘を打つために下穴を全てドリルで開けていたのです。

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丁寧に下穴の開けられた外壁

杉は木目が真っ直ぐで、柾目の時はちょっとした衝撃で綺麗に割裂する性格があります。また木材の際に釘を打つと同じように板目でもわれることも他の木より多い素直な木です。そこで大工さんは、気を使って割れにくい真ん中の部分でも全て下穴をあけてから釘を打っていました。少し丁寧過ぎます・・・。

Dscf0432
その穴に釘が打たれる。

その釘は下のようなものを使用します。事務所設立時の木の外壁は高価なステンレス釘を使用しておりましたが、10年経っても全く錆が出ないことが裏目に出て
・ピカピカしているのがクスミはじめた外壁に似合わない。
・錆びないことで保持力が逆に低下する。
がわかり現在は使用しておりません。いまは、

A ZN55mm~65mm
B 電気亜鉛メッキ釘(ユニクロ)のスパイラル処理品 50mm~65mm

の二種類で、Aはベベルサイディングに多く使用しており、日本杉はBの釘です。

よって石上の家ではBを使用して降ります。海岸に近い新潟市ならAの方がよいでしょう。このように地域や材料によって選別しております。

Dscf0437 上から鉄N65、ZN65、SUS65、電気亜鉛メッキ50。

Dscf0436左から2つめのZN65の頭の厚さがよくわかる。

Dscf0438
鉄釘の肌(わざと錆びたものを選んだ)

Dscf0439 ZN65の肌

Dscf0440
電気亜鉛メッキ50(スパイラル)の肌と形状

外部で保持力が一番強いのは鉄釘です。ただしそれは30年で錆びてまるっきり無くなります(環境による)。ついでZNとスクリューの亜鉛釘、15年くらいから35年くらいで保持力が一番よくなります。最後はステンレス釘です。当初が一番よくて、木がやせた数年後に保持力は落ちそれ以後変わりません。鉄釘が一番よいのはその錆びやすさからです。10年で完全にさびて木材に密着し、その後膨張し一体化して太い釘なら抜けません。この頃が保持力MAXでそれ以降下がります。鉄釘の欠点はバールで抜けず木の中に残ってしまうことです。本来木の外壁は鉄釘で留めるのがよいと思いますが、何せ錆びるという印象が悪い釘なのでなかなか使えず勇気が必要です。ですので一番無難なAのZN釘かBの電気亜鉛メッキ釘を使います。

下はB釘の一年後です。少し釘が錆その影響とカビの生え方が一緒に進行します。

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一年後の杉無塗装外壁。西側地上から1.5m付近。黒ズミはカビ。

Dscf0336
一年後の釘の状態。少し鉄錆がでている(金槌の錆かも)。この状態が進むと保持力が更に高まる。良い感じです。

Dsc05799こちらはBの釘3年後。まだ鉄錆は出ていない。亜鉛の白錆有。

その他はステンレスの「ビス」が保持力、耐久性と共に優秀です。欠点は変わらぬ事が徒となり、木が風化して行く中でビスだけが目立ってしまうことでしょうか。どの金物で木の外壁を取付けるかは設計者の家に対する考え方の違いでしょう。

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