トイレ便器種類と注意

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2023.11.10内容に間違いがあったため修正しました。
2023.11.13 写真追加

最近「緑の家」でご要望が多い洗浄便座分離式でタンク有りでしかもタンク分離式の従来からある便器。

「緑の家」でオーナーさんが選ぶトイレの最近の傾向はこのタイプ。古く(40年以上前)からあるタンク有りのタンクと洗浄便座分離型である。理由は・・・

「緑の家」だからである。

・・・だけでは何のことはわからないかもしれなが、一言で訳すと「無難」だからである。

最近の洋式トイレ(腰掛け型)の種類は大体次の通りであり、

便器の区分けについては様々なフローがあると思うが、私は最初の区分けを洗浄便座が便器と一体になっているかどうかとしている。やはりこの理由は一番壊れやすい部位である洗浄便座が便器と一体化しているかどうかが大事であるからと、洗浄便座一体型の方が歴史は古いからである。

タンクレスのない35年くらい前には既に洗浄便座一体型の便器は一般的だった。(「otomo vie cent」アトリエ棟のTOTO ZG1)

それぞれの部位の寿命は経験上異なっていると感じる。最初に壊れるのが洗浄便座である。次ぎにタンクでその次ぎに便器本体である。洗浄便座は可動部位が多くその寿命はほぼ10年。最も壊れやすい蓋などの自動開閉、またはスローダウンから始まり、ノズルの出入れなどの故障が多い。また脱臭装置も寿命がある。またタンクはパッキン類の寿命が15年となる。一方便器自体は可動部がなければほぼ30年は問題ない。

代表的な3種類を説明すると・・・

まず最初は現在世の中の主流であるDの便座一体型タンクレストイレである。

一体型でタンクレスの便器はスッキリしている。

上表の黄色い「D」となる洗浄便座一体型タンクレストイレ寿命は、10~15年として考えている。寿命が違う物が一体ならその寿命は少ないほうに合わせて設計するので、この場合洗浄便座の寿命がこの便器の寿命としてメーカーは設計していると思う。裏付けとしてそのDの洋式便器は13年で壊れて全取り替えになった。↓

トイレ便器の交換。無難な便器とは・・・。
こちらは13年前に竣工した「緑の家」の便器です。当時はタンクレスでウォッシュレットと本体が一体化した便器として一躍注...

発売後13年も経つと部品がなくなり小さな故障でも全取り替えになる。その金額は新たに設置する便器によるが、15万~35万と大きな出費。このようにDタイプは便器メーカーが人口の減る日本で便器生産数を下げることがないように考えた便器であると感じる。

次は冒頭の写真のAとなる洗浄便座分離型でタンク有りでそのタンクが便器と分離しているタイプ。所謂最も古くからある便器のスタイルである。

メンテナンス費用の最も少ない全て分離独立型の便器。市場では2種類しかなくあまり選択の余地がない。

この便器の場合、洗浄便座が10年で壊れても家電量販店や大型スーパーでも買える汎用洗浄便座なので、その取り替えだけですみ、便座種類で大きく変わるが工賃をいれても2万(DIY)から10万である。しかも停電時でもタンクに水を入れれば直ぐに使えるメリットがある。しかし寸法、意匠や掃除の面から他の種類より不利なこともある。

次ぎに「緑の家」標準のCとなるアラウーノVである。実はこのCタイプはアラウーノVしかない。

この写真とおりちょっと見ではわからないが、アラウーノVは洗浄前座が分離式。

アラウーノには洗浄便座一体型でタンクレスのDとなる機種が一般的なアラウーノS160やL150であるが、あえてCの洗浄便座分離型をチョイスしている。それはやはり洗浄便座が壊れやすい事と、洗浄便座だけ機能アップ出来る所に魅力があるからで、且つ価格が最安値となる。最安値の理由はアラウーノの場合は便器が樹脂で出来ているので(洗面台の多くも現在は樹脂シンク)、軽くて運送コストが陶器の半分で可能なため価格が安い。このため15年ごとの本体交換でも便器だけなら工賃込みで10万程度で安価に済む家電製品の感覚で決定している。つまり初期費用とメンテナンスのバランスである。

また洗浄便座は便器が安価でも高省エネ機能のダブル瞬間方式と泡洗浄が選べるのも魅力である。

ビューティートワレの泡洗浄便座。パナソニックのHPから 
ビューティートワレのダブル瞬間便座。パナソニックのHPから 

ダブル瞬間は超高断熱や全館空調の家と相性は抜群で、人を感知した瞬間に便座温とお湯を作るので、電力的に無駄がほとんどない。トイレ室温が10度以下で寒いと便座が暖まるまでの時間がわずかに足りなくて冷たい思いをする事を聞くが、「緑の家」では常にトイレ室温は22度くらいあるので問題ない。人がいないときにはほぼ「0」の待機電力が気持ち良い。

その一方意匠性では間違いななく「D」が最もよいのでその検討も必要である。

最後に・・・

最近耳にするのはトイレの詰まり。この原因が海外製のトイレットペーパーが増えているとのこと(「緑の家」では事例がない)。最近のトイレは節水型が進み5L以下で「大」を済ます機種がほとんど。このため従来の8~13Lくらいの水を流す機種より、使用するトイレットペーパーを選ぶ。海外ではこのように節水型トイレは主流ではなく、水をたくさん使う従来型である。このためその状況にふさわしいトイレットペーパーになっている(少し厚めで水にくずれにくい紙)。(現在は6L前後の節水型を主流としている国が多くなっているとのこと)このためできる限り国内産の良質ペーパーが無難となる。また「小」でも紙を多めに使う時はできる限り「大」でながす方が無難である。

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コメント

  1. Alfa147 より:

    海外製トイレットペーパー = コストコのPB(Kirkland Signature)ですかね?
    日本製なのが意外と知られていないようですが,厚手で丈夫な作りではあるので,他のペーパーと同じ勢いで使うと詰まりやすいんでしょうね

    • Asama より:

      Alfa147様
       コメントありがとうございます。
      >他のペーパーと同じ勢いで使うと詰まりやすいんでしょうね
      節水型トイレでの配管のつまりはペーパーの特性だけで無く、配管にも原因があると思っております。勾配や管径は無論、接続順序など・・・。以前ある県のあるお宅でトイレの配管に接続された手洗い管が複合的な要因で、トイレのペーパーでつまっておりました。また他県では理由が不明で詰まってしまう診療所さんもありました。よってこの記事にもあるとおり良質のペーパーを使う事は無論、仰せのとおり紙質では使い方も配慮することが良いと思っております。つまり紙だけが悪いというより節水型との相性とそのリスクを意識することでしょうか。