本日地鎮祭に参列するため名古屋市に伺った。
新幹線を乗り継いで概ねドアツードアで5時間かかるが、日帰りできないわけではないので朝早く新幹線にのり名古屋へ向かう。実は飛行機でも新潟小牧直行便があるとのこと。往復の時間が短縮できれば移動方法の選択肢にはいる。
名古屋千種の家は都会のド真ん中の敷地であり、法規制上目いっぱいに建てるので、家の外観は斜線や高さ制限でほぼ決まり、当然軒の出も小さいのでSGLガルバニュームのような金属製が耐久性上有利である。また準防火地域となるため、「緑の家」Aグレードの仕様なのであるが、防火サッシなど使用するのでUA値はいつもより少し落ちる。それでもUA値は0.25で等級7で長期優良住宅で取得しG3基準といえる。当然耐震等級は3で取得しているが地域上これは耐風等級2を取得するほうが厳しいから新潟県のような台風が少ない地域とは異なる。最も苦労するのは法律で定められた居室への有効採光の確保で、道路に面していない個室の採光確保にトップライトを設けることで何とかクリアーしている。この法律上の有効採光確保は、現在行政の審査がなく法律に沿っていなくとも建てることが事実上でき野放し状態であるが、来年からは行政が検査する項目となるので今までないがしろにしていた設計者は要注意である(というより法律厳守は当たり前のはずである)。
今「緑の家」は熊本市、名古屋市、神奈川県愛川町、石川県金沢市、新潟市で着工または見積もりをお願いしているが、建築価格(いわゆる単価)が最も高いのは熊本市である。建築単価の地域性はやむないが、突出して高い価格は数年前の熊本地震復興がひと段落したのちの、TSMCの大規模工場建築による建築・不動産業界の異常ともいえる活況だからだと思える。金融機関さんからもなぜこんなに建築費が高いのかとのお話も聞こえるくらい高騰しているのだろう。日本や経済ではよいことが多いが、一方で流石に建て主さんの立場になればよいとは言い切れない。次に高い価格になっているのが東京周辺であろう。ニュースではまともな都内新築マンションで1億円以下はないとのことでバブル時期をしのぐ高騰とのこと。その影響で都内以外の周辺マンション価格があがり、一戸建て住宅も上がっているとのこと。これからは金沢市でも復興の影響で価格上昇は必至で、新潟県も現在多くの建築会社で仕事を抱えていると聞く。
去年でウッドショックと合板高騰が落ち着くと思ったが、震災や円安、株価最高値で下がる期待はなく逆に上がるの可能性が高い大変な時代に差し掛かっている。
事務所に着いたのが20時過ぎで、事務所のすぐ近くにある中華そば屋さんで夕食をとる。このお店は50年間味と見た目が変わらない今の時代では珍しいスタイル。高校生のころからお世話になっており、40年以上お店隣の駐車場を貸しているくらいご縁がある。この濃いめのホッとするスープ味で、麺の太さとチャーシューも好みである。