遠く阿賀野川の土手からも見える位置に松浜ヒルサイドの家はある。一昨日2か月目のメンテナンスに伺ってきた。
こちらの「緑の家」の外観はほぼホワイトの家である。これは建物手前にある高さ2.2mくらいのフェンスがあるためであろう。道路から見ると高さ2.7mにもなる。その内部は下のとおり現在施工中であり、この上に人工芝がはられる予定だとのこと。
「緑の家」は推奨する室温がない。特に冬期は15度で使っても、25度で過ごしてもよく、オーナーさんが室温を自由に設定してほしいと言っている。夏季の室温も同様で、24度でも29度でもよい。
ただRH(相対湿度)だけは守って頂きたいことがあり、それが床下のRH(相対湿度)は一年中60%未満としてほしいことである。
床下では21度でRH(相対湿度)57%
「緑の家」ではRH(相対湿度)のほうが室温より重要なのである。
なぜ湿度が重要なのかといえば、何度もお伝えしている通り「カビ」の対策である。カビが家の寿命を決めるという仮説を10年ほど前から私は訴えているのでカビの有無が「緑の家」の寿命にとっては最も重要なのファクターなのである。
冬は22度が快適とか、夏は28度が快適とか等みたいに「緑の家」が推奨室温がないのは、自由に暮らしてほしいから。温度に縛られて暮らしたり、温熱にかかるランニングコストばかりを気にして暮らすのはつまらないからと思っている。私も32年間高断熱高気密住宅に暮らしてきたが、最初の数年はいつも電気代など気にしてきた。しかしそのことで暮らしがつまらない規則に縛られてしまった。新築時にできる限りのことを行っていれば、あとは気にしなくてもよい家の性能がある。それが「緑の家」の目指す性能である。それが最近の基準では温熱等級7になるのだろう。そのためには必要以上に手間や高級な材料は使わないで全体の価格を抑える。例えば外壁の防水下地であるタイベックもその一つである。
一時はタイベックが生産中止になって、タイベックシルバーという普通の白いタイベックの2.5倍も高いものを貼っていたが、再び生産開始になったので白い普通のタイベックに戻した。これだけで一棟4~6万価格は下がるのである。当然耐久性は30年以上は確実にあると思われることを昨年目視確認し、32年前に生産されたタイベックでさえ、30年間もその機能(防風防水透湿)は維持していた。現在生産されているタイベックは当時品より確実に耐久性が上がっているはずでその点では懸念材料はない。特に「緑の家」ではこのタイベックのアキレス腱である表面活性剤の元凶、防腐防蟻剤を原則一切使っていないので、現在最も懸念されている劣化の原因がない。高いものを使えば耐久性があるのではなく、正しく使うことが大事なのである。