2003年竣工。この写真は2006年頃の五十嵐の家。屋根の出は1mと大きく整った外観デザイン。Q値約1.9w/m2k。耐震等級2相当。基礎は・・・低いように見える?
とうとうおかしくなったか?
と思われるようなタイトル・・・
「基礎が高いけれど基礎が低い家と基礎が高いけれど床が低い家」です。
新築当時の写真。矢印に注目。庭との段差がほぼ無い。
上の写真の新築時がこちらです。
当事務所の初期のころの「緑の家」です。
「緑の家」は100%の高い基礎です。しかしこれは低くくないですか?
そうです。普通の家より低く見えます。特に矢印に注目ください。庭と殆ど同じ高さの窓・・・
でもこれはれっきとした「緑の家」で、基礎は1m以上あります。
分りますか?3次元の曲面を描く屋根。見た目は単純だけれども、複雑な構造を持つ家。それはそうだ、ある大学の建築学科の教授の家。
横から見ると白い矢印で1mの基礎。更に擁壁と一体化している基礎の高さは2.3m以上。
からくりはこの写真です。土を盛り上げて庭を造り、建物と接する所にから堀を設けるアイディア・・・。この柔軟な発想は構造も意匠と考える設計事務所ならではでしょう。
こんな感じで建物と接する所はしっかり1mの基礎があるのですね。メンテナンスもこのグレージングを手で簡単に持ち上げてほらこの通り。楽々・・・。
これは建て主さんが
「基礎は絶対1mがよい。でも1階の部屋から段差無しで庭に出たい。この希望を叶えられるか?しかも綺麗なデザインで」
との要望にお答えした家です。
今日打ち合わせをしていてふと思い出しました。基礎が高くても基礎が低いように見える工夫はできます。
一番大事なことは半永久的に法律を守れる構造。
後は建て主さんに寄り添う努力をする気持ちがあるかどうかです。
また違う意味で庭が近く、地面にとっても近い「緑の家」もあります。
2002年竣工。写真は2002年撮影
こちらは10年前に竣工した「緑の家」で大好きな栄町M2ハウス。
矢印の窓の位置をご覧ください。低いでしょう。このレベルに1階の床があります。地面とほぼ一段・・・。普通の家の半分の高さです。
これで基礎1m・・・。でも1階は普通の家の半分の高さ。
いつ見ても美しい玄関部分です。
美術館のようなデザイン(自画自賛)です。
壁は中霧島壁全面塗り・・・。
基礎が1m必要な理由はここにありますが、その条件を満たしつつ、1階床を下げるデザイン。