異種基礎か ベタ基礎と布基礎について

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2020/02/09ピンク線が間違っていたので直しました。

異種基礎とは上の図のとおり布基礎とベタ基礎は違う形態の基礎と以前お伝えした。最近とある情報で、「布基礎とベタ基礎は同じ直接基礎なので異種基礎として扱わない」とあったので、新潟県の審査機関に聞いた。すると・・・

やはり、

ベタ基礎と布基礎が同じ住宅建築物にある事は原則禁止とのこと。ただし構造の安全性が確保出来ればOKとのことで、以前当ブログで申し上げたことと変わりない。ただ、各都道府県の審査機関によって扱いは違うこともあるので、当該機関に確認するのがよい。仮にそこで「ベタ基礎と布基礎は異種基礎とは言わないよ」と言われても、安全性の確保は設計者の義務なので構造計算して安全性の確保は必要である。そう・・・結局は構造計算しないといけないのであるから、結局同じことを言っているのであり、その構造計算を審査機関がチェックするかしないかだけのことである。

では安全性の確認はどのようにするのか・・・であるが、これには建基法20条、建基令38、81、82条に記載されている許容応力度等計算か限界耐力計算になる。つまりベタ基礎と布基礎が同じ建物にある場合は構造計算が必要になり、審査機関はそれをチェックする(任意か)ことになる。

但し・・・

日本建築学会の「小規模建築物基礎設計指針」によると・・・

日本建築学会の「小規模建築物基礎設計指針」より

上の表記がある。

「独立基礎とは・・・布基礎、ベタ基礎等と併用してもうける」

とあり、独立基礎は他の基礎と併用することが前提となっている。

一方住宅に多い基礎の種類分けは下の通り。

日本建築学会の「小規模建築物基礎設計指針」より。 実はこの図は間違いがあり、CのA-A断面図は私がピンク色で記載した部分の断面となり、更にオレンジ色の線がないとおかしい。A-Aの切断線ではこのような図にはならない(たいした間違いではないが一体化と独立基礎とに無理がある)。

一つの建物に基礎形態が違う基礎を採用してはいけないとのことが布基礎とベタ基礎にあてはまるなら、独立基礎も異種基礎となる。だから多くの人が混同することになる。

建基法の「平 12 建告第 1347 号(建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」により、木造住宅の基礎は原則では「鉄筋コンクリートで造られた一体の基礎」であるため、一般的に独立基礎だけの基礎ではNGとなる。だから上の図のCでも独立基礎であっても基礎梁で布基礎と一体化されて使用される。それって既に独立ではないとも言える??どちらにせよ布基礎と独立基礎、またはベタ基礎と独立基礎は異種基礎と考え構造計算の必要があるといえる。

ここまで書けばおわかりとおり・・・

平成12年以降、ベランダや玄関ポーチを支える柱の基礎が独立基礎なら異種基礎となり原則では構造計算によって安全性を確かめなればならないと解釈できる。仮に軽敏な場合であってもポーチ屋根を支えている以上、ポーチ柱が他の基礎より沈下が多ければ変形し最悪壊れるのでやはり安全性の確保として構造計算を省く理由にならない・・・と感じる。

こんなに浮いていてもポーチ柱は避ける。その理由が異種基礎をなるべく避け基礎の一体化と簡素化にある。

何故「緑の家」は玄関ポーチ屋根が持ち出し(片持ち)になっているいるか・・・それはこのポーチ柱の独立基礎をなるべく造りたくないからである。

一般的にはピンク色部分にポーチ柱がある。その下に独立基礎が設けられる。

独立基礎を省略するために屋根構造を浮かせるのが「緑の家」。

過去の住宅建築例でも「緑の家」はポーチ柱、バルコニー柱はほとんどない。あっても必ず一体の基礎コンクリートして構造計算されている。事務所設立以来23年間全ての建物で許容応力度設計を行っている事を自負する。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする