こちらは昨年に「その1」をご案内したがその続報。その1では給気量の測定がいまいちだったとあるが、今回は特にその記述がないので安心できる。これら実際の給気量測定は20~30年以上前にも学会で確か発表されているが、時代は変わりもう一度おさらいするのもよいので取り上げる。
第一種換気システムの給気の安定性はブログでも何度も申し上げている通りであり、いまさらエビデンスになる論文を上げる必要はないかもしれないが、今でも理解が薄いので参考になる人も多いだろう。
最近建築された気密性もよい3棟の実測比較。第一種換気がC値0.8、第三種のC値が0.6と0.2である。特に0.2のほうはダクト式の第三種換気である。
結果は昨年と同じ傾向で、第一種換気は当たり前だが決められた給気量が決められた場所から給気されていた。一方第三種換気では決められた給気量に対し決められた場所から入ってきたのは15.8%と41.5%であり、当然気密が0.2のほうが高い割合で決められた給気口から入ってきたがそれでも半分以下であった。
但し測定時の条件の明示がないのが気になる。第三種換気は外風の影響を大きく受けるし、温度差換気の影響もあるので、実測時の風の方位、強さ、温度などが条件に表示してほしい。
上の図では第三種換気時の給気口と隙間から入る割合が式と実測で示されているが、C値が高いときに実測と式に乖離が生まれるように見える。C値が0.2の時に本来は給気口から50%以上の新鮮空気が入るはずであるが、実測では41.5%と少し少ないし、そもそも60%も建物隙間を通して入ってくることは、私の感情ではやはり「好きになれない」のである。外のダイレクトな空気を決められた量入れる第一種換気が好みであるし、無難だと思っている。但しメンテナンスを行わないと最も問題が起きやすいのが第一種換気扇でもあることは付け加える。