屋外はレゾルシノールを指定する。

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玄関ポーチの屋根を支える木は跳ね出しで屋外に露出している。このため集成材なら使用環境Aの素材がお勧め。

上の写真は今から14年前(2010年)の「緑の家」の玄関部分である。この当時から異種基礎を避けるために玄関屋根にはポーチ柱を設けず跳ね出しの梁で積雪2mの屋根をうける。木組みの意匠が好きなのであえて木を見せている。そしてこの当時は集成材の梁は指定がなければ指定環境A※のレゾルシノールの接着剤での梁で加工される。ところが・・・
JASで規定された集成材の規格の一つ。

時代は変わり、現在は何も使用環境を指定しなければ使用環境Bの高分子系の接着剤の梁で加工される。

22年前(2002年設計)のこの当時はレゾシノール接着剤がスタンダートであった。ここまで屋根下なら使用環境Bでもよいだろうが、写真のとおり黒い線のレゾルシノールである。

よって上の写真のように屋外にさらされる柱は無論、梁などを集成材で計画する場合は、上の図面のようにあえて「レゾルシノール接着剤仕様」と設計図書に記載しなければ使用環境Bの接着剤の梁で施工されてしまうので、近年はしっかりと明記することになる。実はこんなことは加工屋(プレカット)さんでは考えてくれないので全て設計段階で計画指示する。最近の流行で構造材で集成材が屋外に露出するのが時折見かけるが、集成材なら使用環境Aをお勧めする。

最近は屋根等の構造材である木材が屋外(屋根下)に露出することはないので指定していなかったが・・・

「緑の家」の最近は鳥の巣が原因で玄関の張り出し部分を木で覆ったり、直接日射や雨が当たらないようにしているので、意識していなかったが今回月見町の家、及び神奈川愛川町の家で玄関部分の梁などはレゾシノール接着剤を指定している。

「緑の家」の土台はレゾシノール接着剤の使用環境Aのヒノキの集成材となる。使用環境Aの見分け方は簡単である。接着面に黒い線があるのが使用環境A。それ以外はBかCである。

屋外使用部材でもないが他に使用環境Aとして常時使う部材は「土台」である。この土台は通常水にさらされてもおらず太陽熱で高温になることはないが、長期優良住宅では必須の最も腐朽、虫食いに強い樹種を使用する。過去には土台が外部に露出する建て方も多くあったため集成材なら今でも使用環境Aが必須となる。多分これも建て方がかわり結露や雨漏れが無くなったことで使用環境Bで十分であると思うが、一度決めたことを緩和することは難しいのでそのままなのであろう。

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