私は隈研吾氏を擁護するわけではないが※、最近の同氏設計に対するに何か勘違いをされて批評することは、「緑の家」がいつも申し上げている、「日本の気候(本州以南)で屋外に木にカビが生えるのが当たりまえ」の日本の気候を全く理解していない。
※私ごときが擁護しても何のプラスにもならないが。
まずは2012年に案内した下の2つのリンクをご覧頂きたい。
日本の気候では天素材の木はカビだらけになり、それがあのシルバーグレー色となりそのグレーを決定づける色素が黒のカビなのである。
木にカビが生えない加工がしてあれば、直ぐには(数年間)カビは生えないだろうが、いずれは生える。生えるからこそ天然木なのである。隈氏は天然木を使うコンセプトなのだからこの変化は当たりまえである。もしこれで設計者側に問題があるとすれば、将来木にカビが生えることを説明しなかったことだと思う。でも確かにそこは説明不足と言われてもやむえない。現在の多くの人は、建物に天然木を使っていない世代なので木がカビるなんて予想ができないのだろう。
私は建て主さんが木の外壁を選んだ時、「このシルバーグレーの色はカビですよ。受け入れることができますか?」と必ず伺う。我々設計者は正しい情報を伝えなければならない。