11月中旬から12月28日までほぼ休みなしで業務にあたっていたため、世間と同じ9連休の正月休みをゆっくりとotomo vie centのリノベで過ごした(結局建築に携わっていた)。9連休後の今週はその間のメイルや、建築士の定期講習でようやく一息ついた。
最初に現在名古屋市の千種区で施工中の「緑の家」が完成するので、完成検査をかねてプチ見学会を行うことに決まった。日時は1月19日(日)の午後1時から4時までの3時間で、2組様に限定させていただくので、もしご興味があればメイルを頂ければありがたい。準防火地域のため久しぶりに引き違いサッシを使ったAグレードの「緑の家」である。
さて冒頭の定期講習とは建築事務所に所属した建築士の免許を持っているものに課せられた義務で、3年に一度国が開催する講習を受けなければならない。その時に使うテキストが冒頭の本である。この講習が始まった経緯からも良い印象はないが、前向きに受けると面白い。例えば下のような文章がテキストに載っている。つまり国が認めてオーソライズされた内容だと考えてよい。
「緑の家」では一度もハニカムブラインドを採用したり勧めたりもしたことはない。それは上に書かれているとおり、冬期の結露が避けられないからである。文章としては過去に大手メメーカーが採用している場合もあるので、柔らかく書いてあるが、「結露状態を観察して必要に応じて拭き取る」とあり、等級7を取得できるような超高断熱高気密の家にふさわしいとはとても思えない。そもそも断熱ブラインドを設置すれば結露が起こることを想像できないこと自体が専門家として変だと感じる。
さて私共は設計事務所であり、当然施工は行わない。よって当事務所が建て主さんから依頼される仕事は「設計」と「監理」である。この「監理」という内容が通常何を指しているか不明だと思うので少しこの本から紹介する。
上の画像のとおり、監理とは法的な「工事監理」と「その他の監理」を含むとあるとおり、「その他の監理」とは工事が正しく進捗するように建て主さんと施工会社さんとの橋渡しを行い、契約どおり完成させることである。そこでよく勘違いされるのが、オーブルデザインが工事監理者なので施工全てのチェックを行うと思われること。
このテキストにも・・・
上のとおり原則は「抽出による確認」が一般的である。つまり法的な工事監理にあっても通常は全数チェックする必要はなく、抽出したサンプルが全て問題なければ合理的判断でOKとすることが可能なのである(実際は基礎や耐力壁など最も重要な箇所は全数チェックをする・・・)。
一方施工会社さんが行う管理は「施工管理」と言われ、設計図と行った施工が同じであることのチェックを行うことは工事監理と同じであるが、その上に請負契約において図面と違う場合は当然是正しないと契約不履行になるため、管理の質が違い、つまり施工管理は原則は全箇所全数検査をすることになる。
ここで大事なことは↑に書いてあるとおり、多くの一般住宅が行うであろう設計施工の一括契約時にはこの「工事監理」と「施工管理」を行う人が同一人物になることがあり、その場合でも工事監理と施工管理を明確に分離させることである。ここが工務店さんが苦手な部分となる。どうしても全数チェックが必要な施工管理が全数チェックの必要性がない工事監理になってしまう。
ところで工事監理という言葉を初めて聞く建て主さんも多いだろうが、工事監理者を決めて工事を行うことは「建て主さん」の義務であり、罰則もある程重要なこと。
さて現況の方だが・・・これは事務所移転先の工事現況のこと。
本日あの杉の赤超仕上げ床が全て貼り終わり、玄関床のウリンも終了した。杉は特にすぐに傷がつくので貼りながら養生するから貼り上りが全く分からない。養生を外した時に初めてわかる。
天井高は約3.0mと2.5mの2パターンとなり変化をつける。私は座の空間なら最近よく見かける2.1mからでもよいと思うが、椅子空間の時には天井高は最低2.6m、できれば3m以上はほしいと考えている。一人の時には感じないが数人集まった時に、人の伸長身長と同じくらい頭の上に空間があると気持ちが良い。その頭の上の空間が狭いと何か心がざわつき落ち着かない。この感覚は人それぞれだろう。