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築130年の(既に135年目)otomo vie centの土間工事が行われている。私は通常業務が忙しく事務所に貼りついたままであるが、信頼のおける基礎屋さんなので安心してお任せしている。
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まず囲炉裏を残して以前の三和土はすき取られ、川砂で平らにならされ防湿シートを敷く。
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透湿シートは0.2mmのポリエチレンフィルム。一般的には0.15mmでもよいのであるが、28年前からお付き合いのあるこちらの基礎屋さんでは、確か当時私が農業用でもない養生用のポリエチレンシートが一般的であった時に、住宅用気密シートにしていただいてから、常にこちらの高級シートを使っていると思われる。実は今回の工事ではこのシートが決め手で、このシートでこの土地の特徴である地面からの湿気を確実に長期間シャットアウトする。たかが防湿シートだがとても大事なシートである。
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土間部分でない畳床部分は全体の1/5の面積しかない。その部分はコンクリートを節約して同じような0.2mmの住宅気密シートで覆ってその上に川砂を敷きこむ。これである程度湿気を抑え込むことができる。
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シートが敷きあがったら防蟻剤が練りこまれた断熱材を敷きこむ。当然使う断熱材はこの湿気の多い土地には必須である最も水分吸収が少ないスタイロフォームATである。
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土間を見渡すと、石場建構造でも特に古民家の土間を象徴する自然石(丸石)が柱の根元にある。これは重要文化財である旧味方村の笹川邸の土間でも同じ雰囲気を受けた。
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この雰囲気を小型版にして現在の土間仕様(コンクリート)にしたいと思っているのである。土のままだと埃が凄くて気軽に使うことができないが、それを現在版三和土のコンクリートに変えて使いやすくする。同時にこの写真で見られるコケが生えるくらいの湿気も抑えられる。デメリットは夏の大地の冷気の恩恵を受けることができなくなるが、それは見えないところでエアコンを回してそのくらいの冷気を作り出すつもりである。