昨日の夜、福岡(学会)から帰ってくる飛行機のなかのこと。ほとんどの人は寝ているか雑誌などを見ているが、私と直ぐ後の席の子供は窓の外に目が行ったまま。「すごい!すごい!」と子供が雲を見る。私もすばらしいと思い、何度もシャッターを切る。ここ数年、飛行機には年2回くらい乗るが、いつも雲の上はわくわくする。まるで昔観た「天空の城-ラピュタ」の一場面。文明の豊かさで見ることのできる非日常的な風景に心躍る。恥ずかしいが、子供とおなじである。
「 Asama 」一覧
間違いです。ゆかりの家
今日は福岡で建築の学会が行われているが、その学会で論文発表するために飛行機に乗った。普段目にすることのない経済新聞を機内で読んでいたところ、半紙広告で「緑の家」と書かれていて手が止まった。なんと積水ハウスの木造住宅で新商品「緑の家」(ゆかりの家と読む)があった。なんと言う間違い。「実は「緑」ではなく「縁」だった。(お騒がせしてすみません。)ということで次の日に削除しました。
中越沖地震について
昨日柏崎市で震災を受けた当事務所の建物の詳細な診断チェックを行った。その現場に向かう途中で、「危険」、「要注意」、「調査済」と3種類の応急危険度判定調査結果の張り紙が、各家やビルに張ってある。「危険」と張り出されたり、家が崩壊している建物のほとんどが古い建物。崩壊していない建物は人命を可能性が低いけれど、崩壊した建物は命を奪う凶器になる可能性が高い。阪神淡路大震災が起こった数年後に、耐震補修費用としてある金額が補助される自治体が多くなったけれど、まだまだ小額で、とても耐震改修する気になれない。今回の地震で、「危険」、「要注意」、を張り出された家や建物は軒並み古く、高齢者だけ住居しているの建物も多い。もう少し国が法律を改定して、ある程度強制権のある内容とセットで補助金を捻出しても良いのではないだろうか?柏崎市の建物被害総額が1711億円。半壊以上の棟数が4117棟。仮に耐震補強の補助金を一件あたり100万とすると41億円にしかなからい。100万補助があれば、耐震補強する気にもなろう。耐震補強が必要と認めれたのにもかかわらず、耐震補強をせずに全壊した住居には国の税金は使えないという事を主張していた学者もいるくらいだ。
さて調査結果は家本体はほとんど問題なく、外構の石貼りの床の階段、アプローチにヒビが入り、こちらが補修費用がかさむような感じある。家本体の若干の被害として家中央の基礎立ち上がりにクラックが2箇所見つかった。他は仕上げ材の若干の損傷。建物の傾きは保証内であり問題なかった。クラックが見つかったのは、家の外周部ではなく中央部の基礎である。たぶん「緑の家」の高基礎仕様だから見つかったのだろう。普通の低い基礎では、歩腹前進しか行けず、一軒一軒そのような調査が行われているかどうか疑問である。そして肝心の地震保険は、外構の損害は該当しないということがはっきりとわかった。2度の地震を経験しているものにとって、よほど地盤が悪い地域を除けば建物損害は微小で、外構やアプローチ付近に細かい被害が集中する事(お金がかかる)がわかる。是非地震保険も外構等、建物の付属物にまで及ぶように改正してほしい。(←保険とは相当過酷な状況で効果があるものである事を再認識)
土台の樹種について考える。
「緑の家」では土台の樹種に「米ヒバ」を使っています。土台と基礎と混同して表現される人がいますが、柱の下にある横になっている木が土台という部材です。
土台に米ヒバを使う建設会社は、最近増えてます。チラシやカタログなどではその理由を、「米ヒバは防腐・防蟻効果が高い樹種であるた め」とあります、まったくそのとおりです。が、防腐・防蟻効果が高い材料は世の中に沢山あり、その中でもコストが高いのが「米ヒバ」です。コストの安いもので、防腐・防蟻薬剤を塗布、染み込ませたPGスケヤー土台があります。防腐・防蟻効果に差はありません。ではなぜ「緑の家」ではあえて米ヒバを使うのでしょうか?右の写真を見てください。土台を基礎に伏せる前に、アンカーボルトの穴を現場で必ずあけます。なぜ工場で開けないかと言うと、アンカーボルトの精度は±10mmはあたりまえだからです。鉄鋼造ではもっと誤差が少ないですが、木造の場合、土台が加工しやすい木であることと、アンカーボルトの数が50以上になる事も当たり前で、そのためシビアな精度でアンカーボルトを設置するよりも、前述の誤差でアンカーボルトを施設し、土台の穴をそれに合わせて開けた方が 効率が高 いからです。
このように現場加工があるため米ヒバを選んでます。つまり現場で穴をあけてところは、その木自体が防腐・防蟻効果が高い物であれば、防腐・防蟻剤を塗布する必要がないからです。ところが防腐・防蟻剤を染み込ませた上写真の土台は、外部からおおむね10mm以上のところは薬剤が染み込んでいないため、改めて現場であけた穴に防腐・防蟻剤を塗布しなければなりません。(白蟻とは薬剤のないところから侵入する事が多いと聞きますし、事実公庫の仕様には記載があります)。
私どもは正しい設計、施工の工事監理をおこないたいため、アンカーボルトの穴がいくらあろうと、薬剤塗布チェックしなくて良い「米ヒバ」を選びました。住宅業界では最近、第三者監理というもの行われておりますが、土台が米ヒバでなければ、一日中付きっ切りで現場にいなければなりません。果たして付っきりで見ているのでしょうか?見ていませんよね。この監理コストを樹種に当てればよいと判断し、材料が多少高くても米ヒバを選びました。米ヒバを土台に選んでいるメーカーも、同じ理由があると思いますが、その事には触れません。なぜかは、米ヒバを使っている自社現場だけではないので主張できないのか、そもそもこの事をわかっていないかです。
無添加=安全か?
最近「無添加です。だから安全です」と大々的に広告しているものの多いこと多いこと。そもそも無添加という言葉は広辞林(20年前)には記載されていないが、添加とは次のように記載されている「添加=働きをよくするために添え加える事。また添え加えること」つまり添加物とは本来よい働きするものである。しかし現代はなぜか添加物というと悪いイメージとなる。その色眼鏡的な感覚が問題である。
添加物というと真っ先に思い浮かぶのは、「食品添加物」である。この食品添加物の定義は「加工食品をつくるときに使われる水以外の原料のうち素材となる食品の他に使われるものを食品添加物と考える事ができる」(日本食品添加物協会より引用)。ところが添加されていてもその添加物が通常食品として食べられるものは、添加物と呼ばない。例えばかまぼこの中に塩やお醤油が微量はいっていても、これらは通常食品であるため添加物ではないそうだ。ここでキーポイントは「加工食品」ということと、「素材となる食品の他に使われるもの」ということである。加工=人間の手を加えたものとすると、加工食品の逆は自然食品となる。つまり自然のまま使えば添加物という定義はあてはまらない。建築では添加とか無添加かの定義は無いが、あえて強引にあてはめると、無垢のヒノキの床板は、加工されていないと考えられるので本来添加、無添加などという言葉は当てはまらない自然材料だ。緑の家ではこの床を使うが、ヒノキの床板が汚れや水シミが気になるからオイル塗るという事は、加工品となり、オイルがヒノキ床材に対して添加物となる。でも使う場所によっては必要な加工である。更にオイルの中に、オイル以外の成分物を添加すればそれもまた添加物となる。しかしオイルのなかには食品である亜麻仁油ように酸化発熱しやすい物があり、それを抑える物質を入れなくれば直ぐに消費期限となったり最悪発火したりする可能性もある。添加物があるおかげで安全性や使いやすくしているのである。従って単純に添加物=危険、無添加=安全とはいえないと感じる。
自然素材のままだから優れていることは無い例として昔の土壁である。土壁は、本来、田んぼ土が素材である。しかし土ばかりであるとヒビが入りやすいのでわらすさを添加している立派な添加物入り加工素材である。無添加物ではない。この添加物のおかげでよい土壁ができる。
ここから下加筆2008.08
添加物に対して正しい知識をもつ事が重要のように、家も正しい知識(法律厳守が最低基本)を守るビルダーが良く、イメージや言葉に踊らされないように。
無塗装の木がとりもつつながり。
一日に2度もブログを投稿するのは珍しいですが、題名のとおり無塗装の木で思わぬつながりで私の思いが成就しました。無塗装の木の肌に感動していただいたのは、三条にある幼稚園の先生です。この幼稚園にはとてもとても善くしていただき、私自身何か恩返しを出来ないかと考えていたところ縁あって幼稚園で使う無塗装のテーブル製作のお手伝いをする事が出来ました。
改正建築基準法の施行③
タイトル その③になります。
ある業界紙では、改正建築基準法が施行された事について、工務店、建設会社、ハウスメーカーにアンケートをとったところ、着工の遅れが出ている事例が半数近くあるに回答を得たと記載されている。これは法律自体が確認申請の返答すべき時間が延びたことで納得できる。しかし驚いたのは、住まい手にアンケートした質問事項に「確認申請後、間取りの変更に制約を受ける事を知ってますか?」との項目があること。当事務所では、住宅の基本設計に1~2ヶ月、実施設計に2ヶ月~3ヶ月かけるので、実質4ヶ月は間取り(プラン)を決定する時間がある。そのため今まで一度も確認申請後や申請中に間取り変える事はなかった。また確認申請を出すくらいなので間取りの変更という根本的なものの変更は無いものと思っていた。(自然災害、ご不幸やその他例外はあると思うが・・・)多分一般の建設会社やハウスメーカー等は、間取りの打ち合わせに時間をかけず、また模型や室内の展開図も無いので、建築が始まって現場を見てから「こんなはずではない」とか、「イメージどおりではない」という事で変更があるのだと思う。しかしそれは工事費が割高になったり、「もう出来ません」という返事が来るのだろう。できるだけ着手前に細かいところまで説明を受け、納得し、確認申請を出す事が結果的に思い描いた建物に近づく近道ではないだろうか?
冷静に考えると全ては建てぬしさんの資質で、オーブルデザインが良い設計をしている事ではないことに気づく。ありがとうございます。私どもを選んでくださった建てぬしさん。
話題は違うが写真は寺泊花火大会会場の砂浜の様子である。広大な砂浜にろうそくの行灯が並べてあり、ゆったりした花火大会である。皆「寝そべって」花火を見ている。この感覚は、市街地の花火と全く別物。
この夏は人が少ないか・・・
写真は拙宅の前の海岸の様子。日曜日にもかかわらず人出は例年の1/3以下くらいでしょうか?やはり柏崎沖地震でレジャー自粛しているのか、風評被害のひとつかわかりませんが、少ない事は事実。寺泊は観光で成り立つ町のなのでちょっと心配。のりきろう柏崎。明るく人をもてなそう寺泊。
きょうは寺泊花火大会。この花火大会は他のゴージャスな花火大会とは全く違い、質素!しかし広い砂浜でゆったりと見れる、そして職人が作る1個1個の花火をしっかり見れる(1個1個打ち上げるのだ)のが違うところ。少し暖かい海風を最初は感じつつ、帰り頃にはほてった体を冷ます陸風も共にたのしんでほしい。駐車場は大きいので遅く着ても止められない事はほとんど無い。ゆったりとした花火大会をお探しの方には最高の雰囲気です。
またも大手住宅メーカーで強度不足の住宅
7月30日の日経BPニュースによると、大阪府の大手(大阪証券取引所第2部上場)のファースト住建の建てた(分譲)住宅の内32棟で強度不足が判明した。この会社は、構造計算を他社下請けにさせ、確認申請をだしていたらしい。強度の最低基準を決めた建築基準法数値の半分の家もあったとの事。今後は自社で構造計算をしチェックするとことに決めたとかかれている。やはりという感がぬぐえない。住宅の構造くらいその家の間取り(プラン)決定したした販売会社(設計者)が責任を見る事が出来なければ、この問題の解決は遠い。どうして住宅業界(新潟県内も含む)は、家の重要要素の安全性の確認を外注や下請けに依頼するのであろうか?
同じ日経BP7月22日のニュースでも、アーネストワンという住宅会社が、23棟の強度不足を発表し、その発表では外注の建築士が5人が間違っていたと、という発表を行い、自社販売住宅の構造責任を放棄するような発言が当たり前のように報道される。仮に自動車に置き換えると、「販売した車は欠陥があったが、これは下請けの工場の設計者にミスがあった」という事になる。そんな発表を自動車メーカーが行うだろうか?
家の販売会社が住宅丸ごとの責任を負う事が基本で、下請けが悪いとか、外注が悪いと言わんばかりの発言はどうかと思う。(現在は法律改正で販売会社にも責任を明確に追わせるようになったにもかかわらず・・・) よい解釈に変えれば、それだけ建築士の仕事は自立しており、自己責任が大きく社会に与える影響が大きい業種という事になる。なるほど!!
感謝の気持ち
中越沖地震発生してから2週間ほど経過した。その間に色々な事を学んだ。その学びは感謝の気持ちがないと情報を間違えて捉えることにもなる可能性が高いと言う事。新潟県は今、地震による風評被害は大きいようだ。私の耳にも柏崎刈羽原発が事故を隠蔽していて、実は相当量の放射能を漏らしたなどと、発信元が定かでないインターネットのあやふやな情報を信じてしまう人がいる。しかしTVで写し出される汚染物質を貯蔵する水のプールからこぼれた水を、簡単な作業服だけでふき取っている原発作業員の姿を見れば、放射能が漏れて危険で、その事を隠蔽していると感じないはずだ。その姿は懸命にふき取る気持ちが伝わる。こういう危険性が高い場所で働く人がいるからこそ電気が不自由なく使えるととらえれば、誤報を鵜呑みにする事は無いだろう。すると反論する人がいる。高いお金をもらっているし、自分で仕事を選んだのだからその人に感謝する必要はないと。・・・とてもさびしい考えである。私は色々な人無しでは生きていけないことを知っている。自分では出来ない事をする人に素直に感謝し、しっかりと見据えれば、今何が危険で何が事実と違うかを適格に判断できるのではないだろうか?新潟県は放射能汚染はされてませんよ。ときっぱり!!
私は原発反対でもなく強い推進でもない。しかし原発以外に今の電気需要量を支える手段が無ければ、可動は勿論、今後の原発増設もやむ得ないと思っている。このブログも電気無しでは発信はおろか、書く事もできないし、冷たい飲み物も、水道水さえも飲めなくなる。現実を見た場合、電気無しではこの生活を維持する事は不可能であることは事実である。事故は絶対無くすことはできると言い切れないが、可能な限り0に近づけることはできると信じている。確かに不手際はあったが、今回の地震で原発が最悪の状態にならなかった事を感謝し、今後の安全性の確保にいかしてもらいたいし、自分でも肝に命じよう。
ついに新世代の自動車時代に!!プラグインハイブリッド
昨日ニュースを見ていたら、「トヨタ自動車がプラグインハイブリッド自動車を数年のうちに発売する。そのため現行のプリウスにプラグインユニットを載せて実験車を公開!!」と出ていた。とうとう次世代の自動車の幕開けである。プリウスは所謂ハイブリッド車であり、電気モーターとエンジンの併用で走る。どちらかというとやはりエンジン主体であるが、このたびのプラグインハイブリッドは、電気モーターを主体としたい構想。プリウスは新時代の前夜祭的な車だとすると、プラグインハイブリッドは本格的な新時代の次世代自動車と言ってよいだろう。そもそもプラグインとは、自動車を使わない夜(昼でもよいが)に家庭用のコンセントから駆動用バッテリーに充電をする機構を備えた車。今までも出来ない事はないのだが、バッテリーが小さいものだから最大でも数キロで電気を使いきりエンジンに切り替わる。そのため夜わざわざコンセントから充電しなくてもよい。しかし、バッテリー容量を6倍(数値はうる覚えです)以上にする事で10km以上モーターだけで走行可能になるそうだ。ちょっとした買い物であれば十分電気だけで走行可能。これで又一歩内燃機関から遠ざかる。是非早く発売してほしいものだ。この車が発売されたら、現在の初代プリウスから買い替えをする予定。と宣言してしまおう。
「もったいない」も時には注意。
最近「もったいない」という日本語が世界で通用する言葉となりつつあるようだ。日本人には昔から「もったいない」ということがあった。資源の限られた島国だからであろうか?私ももったいないを実践しているが、今回は「ひやっ」とした。
私の乗るプリウスは、10万キロを迎えたとお話したが、タイヤもそろそろスリップマークがでてきそうだったので、交換することにした。タイヤを注文した日は、中越沖地震の次の日。高速道路を雨の中走ると思い、リスクを少しでも避けるために溝の深い新品タイヤにしようと思ったから。タイヤを注文してから高速で被災地に向かう時に、車の挙動がいつもと違う。多分道が地震でやられて小さい波うちがあるのか?とそのときは思った。次の日タイヤがきたので交換すると、写真のようにタイヤがバースト(破裂)寸前。ゴムはなくなりワイヤーででて、円形ではなく一部が飛び出ている。おかしい。スリップサインが出たばかりなのに・・・。それでバースト寸前は・・・。しかしよく思い起こすと、このタイヤはパンクを2度も経験し(現場に行くと釘やねじが敷地に落ちているのです)、そのとき直ぐに気づかないで事務所に戻ってきた事があった。そのときこのワイヤーが出ている部分をいためて、極部的な磨耗があったらしい。
廃タイヤはゴミにしかならないもの。(一部燃料として使えるが、コストが合わないらしい)←すみません。調べると結構リサイクル率が高い。廃棄料としてユーザーから頂ける事が要因か?(07.24訂正)だからできる限り使おうと思ったのがいけなかった。やはり寿命をよく考え、ケースバイケースで対応しなければ・・・。と思った。事故が無くて運がよか ったとしか思えない事であった。
地球温暖化の対策が急進行。その①
本日、地球温暖化の主たる原因であるCO2が実際どのように作用しているか?うる覚え(間違った認識?)だった事をしっかりと新大の先生からご教授して頂いた。ありがとうございます。
地球温暖化対策は、京都議定書が締結作成された1997年から日本で始まっている。しかし、この議定書に反対し、脱退してしまったCO2排出最大国の米国は今まで全く知らん顔。ところが急に温暖化対策を実行し始めた。先日はニューヨークの市長が、市内のイエローキャブは、10年以内に全てハイブリット車にすると宣言したり、ブッシュ大統領も温暖化対策に関心を示し始めた。どうして急に舵を地球温暖化に切り始めたか?これはあるサイトで書かれてあったが、「地球温暖化対策が商いになるから。」つまり経済的に大きな比重を今後占めると推測される。こうなると進展は非常に足早になる。つまり早く技術革新で地球温暖化対策を考えたところに大きなお金が流れる。一旦動き出す恐ろしく早い米国が腰を挙げたことにより、対策技術で少しリードする日本は、もっと早く真剣に国民一人一人が関心を持ち実行しなければと思う。なぜなら島国なのに自給自足率が30%以下という特殊な国だから。子供達の子供が子供をを産むとき(50年後)に産湯さえ心配なことにならないように我々から実行なければならない。私達の先祖祖先の努力によって今の文明や文化を築けたのなら、その恩恵や学びを子孫に伝えなければならない。
その②では、家のリフォームでの省エネ対策に補助金が出た!!ということを報告したい。
改正建築基準法の施行②
改正建築基準法の施行が6月20日があったことは、前ブログでお伝えした。今回の改正において木造住宅ではほとんど変化が現時点ではない。ところが平成20年12月までに大きくかわる。(らしい)
現在は、建築士の設計した普通の木造住宅では、構造の安全性に関わるチェックは行政では行わない。例えば、基礎の造り方、柱の位置、耐力壁の量、床の構成部材などの安全性のチェックである。つまりこれら構造の安全性は、設計した「建築士」にゆだねられている。だから建築士は構造の安全性をチェックしないのである???(めんどうだから・・・。また組織的に手間のかかることは下請け大工、プレカット屋にまかせるから)建て主から見れば絶対変だと思われる事が業界では当たり前。もし疑うなら最近家を建てた親しい人で、「家の構造計算書持ってる?」とか「床伏せ図や基礎伏せ図持っている」と聞くとほとんどの人は、「持っていないし、見たこともない」と言うだろう。しかしこの図面が無ければ、構造のチェックなど到底出来ない。しかしこの構造のチェックを今度は行政も確認するよということになる。当たり前の事になりそうだと思うのは私だけであろうか。
勿論、「事務所設立時の10年前から「緑の家」の建て主さんは構造計算書も基礎伏せ図も持っています。」と手前味噌。
建築士名義貸しに懲役刑。
改正建築基準法の施行が6月20日にあった。主の改正内容は、一昨年前の「姉歯元建築士」の不正により、建物設計の厳格チェック体制である。今回の改正は一見、住宅には関係ないような感じではある。しかしようやく建築士が建築士らしい業務のできる第一歩という感じの改正もある。というのは、今回の改正の中に「建築士等の業務の適正化及び罰則の強化」が盛り込まれ、当HPのコラム住宅最新ニュースの中でも触れているとおり、建築士の名義貸しの処分強化。また、違反建築(例えば不正なロフトを施工)をするために相談に応じた建築士の処分。いずれも懲役刑もしくは罰金100万円という行政処分が盛り込まれた。今まで、名義貸しをしても、建築士の免許停止や取り消しだけしか出来なかった行政処分が、懲役刑も含む罰則が設けられた意義は大きい。木造住宅を設計と施工に分けて依頼するような方法は、稀である。(当事務所がそうだが)大部分は、施工請負契約だけで済まし、設計監理契約は行っていないため、新築時に行政に提出する確認申請で工事監理者の欄には、あったことも見たことも無い人の名前が記載されている事が大変多い。もし、その工事監理者が現場で監理した実態が無ければこも名義貸になると考える。工事監理者だけならまだ可愛いが、設計者記入欄の人まであったことが無いというひとも多い。さて、この改正によりどこまで建築士の適正な業務が進むか?コラムでも何度も申し上げているが、住宅設計を業とする建築士は、設計契約が必要。罰則は建築士事務所の営業停止。また工事監理も同様だ。皆さん設計工事監理契約を工事請負契約と別に行ってますか?
そういえば、行政も指定機関も名義貸しが多く行われている実態をしっているのに、見てみぬふり状態は、ミートホープ問題の行政の対応と全く変わらないと思うのは私だけであろうか?
屋上菜園を始めました。②
やはり来ました。悪海風が・・・。
先週の金曜日に雨とともに強い海風が来ました。そのため、地面に生えたままの葉が「漬物」になりました。(←聞いたところによると、私は見ておりません) トリミングを行い整えなおした写真がこれ!!「もっとふさふさだったのに・・・。」と菜園管理者は言ってました。
草類には恐ろしい海風 。 海側にあるかぼちゃは株の大きさが2/3くらいになったそうです。ご覧のとおりこの菜園は、少量多品種(50種類)で、お互いに栄養を取り合わない種族同士を近くに植える事で、密度の高い菜園となっております。昨日はきゅうりを食べましたが、なんと言っても取れたての「とげの痛いくて暖かい」きゅうりはおいしいです。キッチン窓の直ぐ外の菜園なため、食事の準備をしながら、食べごろに目をつけ、採取し副菜となるのです。
屋上菜園を始めました。
タイトルのとおり、拙宅の屋上(車庫の屋根の上)で10帖弱のミニ菜園を今年から始めました。拙宅はど田舎(町内の人に怒られるかな)のくせに、バブルの名残で当時は土地の購入代金が高く、60坪程度しか購入できませせんでした。家を建て、車の置くスペースとウッドデッキと小さな花壇を設けると、とても家庭菜園までスペースはまわりません。そこで車庫の上を菜園にする事にしました。(しかできなかったですが・・・)しかし菜園からは海が見えると言う何と言う贅沢で無謀な挑戦です。(何と言っても海風が強く、10年以上前に菜園を作ったときは一晩の強風で、土に生えたまま漬物のように・・・(ToT) 。以来菜園はあきらめたのですが、最近家庭菜園の先生に出会いまして、妻が奮起しました。)また、最近の高価な屋上緑化技術は採用せず、一般の製品や汎用のものを組み合わせて安価に計画したというおまけ付です。どうなることやら・・・でも収穫が楽しみです。(私は菜園のことは何にもしておりません。妻にまかせっきりですので食べるだけです。 )
初夏の香り「ラズベリー」
今が真っ盛りの果物といえば、「イチゴ」ではないでしょうか?そのイチゴの仲間の「ラズベリー」摘みは、私の家の年間行事。ということでベリー摘みに行きました。今年は気候がいつもと違っており期待できなかったのですが、これがなかなか取れました。赤い方がクサイチゴと呼ばれるベリーで、ほのかな酸味がある癖のない種です。よくショートケーキの飾りに多く使われる種ではないでしょうか?また同じ赤でもナワシロイチゴもたまに有り、熟したものは甘くおいしいのですが、熟していないと味がワイルドです。オレンジ色のは、言わずとしれたモミジイチゴです。熟したものは甘くおいしいです。が、たまに実の中に虫の幼虫が潜んでいる事が多いです。食べても問題ないですが、最近の清潔感覚ではやはり摘んで取り出したいと思います。モミジイチゴは、写真にあるとおり山道ではどこでも見かけます。見つけたら是非食してみては如何でしょうか?野生にある数少ない甘く手軽に取れる果物です。自然のありがたみと、いつもの手軽に買える果物のありがたさも実感できます。くれぐれも「とげ」には注意してください。
全て広告か?
最近、住宅雑誌の発行(編集)社からの問い合わせが多くなっている。そのほとんどが広告料を払っての記事作成掲載である。インターネットが普及する前は、確かに情報を発信する媒体として大変有力であったが、最近はネットの普及で雑誌系の情報発信はそれほど効果的でもないと考えている。したがってわざわざ高い広告料金を払って、雑誌に記事掲載してもらう事は考えていない。雑誌において世の中の状況は、ほとんど広告料払って記事製作されているのに、雑誌の購入者は、なぜか広告料を払っていないと思っている人が多い。「よい家だから紹介された」。「よい工法だから、よい会社だから紹介された」と思って読んである人が多い。最近ではハードカバーのかかっている文庫本形式の家の本でも、ほとんどが最後は執筆者の利害関係がある会社への誘導と紹介である。今までは、TVのように流れてしまう情報より、活字の本や新聞の方が確かだといわれていたが、新聞もどこまでが記事でどこまでが広告なのかわざわざわかりにくいように編集してある感じがする。新聞は無論、書籍も正しい情報を伝えるメディアでは無くなったのかもしれない。「広告=正しくない情報」ではないが、どうも一方的な感じがするものが多い。すると正しい情報はどこから仕入れることができるのだろうか?一つは、国の機関が発信する情報。(時々問題もあるが・・・)次は専門の精査された論文である。精査されない論文は情報として問題が多い。時々間違いを堂々と発表するものさえある。一方数人のレフリーに審査されてOKがでた論文は、その業界紙や団体の論文発表誌に掲載される。ところがこういった審査された論文は、専門家向けに内容を略したりしており一般的にわかりにくい。そのためその論文から情報を得るためには、論文に携わった非営利団体や、同じく携わった利害関係がない専門者の噛み砕いた情報が、広告ではなく現時点で正しいと思われる情報ではないかと思う。
例えば「家の雑誌」関係では、
http://homepage3.nifty.com/net-forum/honnne/honnelink/zasshi.htm
等が専門家としての良心が感じられる。が、建築士を設計士と誤表記が・・・。
また、建築以外に「水」の事に関しては
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/index.html
等が偏らず論理的に噛み砕いて解説されているように思う。ネットでは膨大な情報があるが、その情報を精査し、正しく受け取りたいものである。
貝の化石
27日(日)は、久しぶりに自由な時間が取れたので娘と貝の化石を探しに行った。自宅の寺泊周辺の情報をネットで集めようと思ったが見つからず、事務所のある三条で検索するとあるコメントを見つけた。現在教育委員会で考古学を業としている方のコラムである。その人は、私の古い友人のお兄さんで、よく車を貸してもらい、その友人に乗せてもらった記憶がある。コラムは、考古楽から考古学になる経緯が記されている。40年も前の子供のころの出会いが、今もはっきりと記憶されているらしい。その記憶には、考古学の面白さを語る大人がいて、その事がその人の将来を決めたと言ってもいいほど、衝撃を与えたのだろう。改めて人生には「好奇心」と「出会い」は大切だということを感じさせられる。(無論少々のお金も・・・)
ということで、私と娘は私が子供の頃に貝の化石見つけたことのある道心坂の崖へ向かったのである。35年前の当時とは違う風景であったが、その崖はやはり今もあった。ただその崖までは、草が生い茂り、落ちると生死に関わるとても危険な場所があったが、躊躇せずその崖を2人で目指した。スコップ片手に掘り返すこと数分で、
小さな貝の化石は見つかり、30分で十数個の破片が見つかった。娘は大喜びで慎重に持ち帰り、現在部屋に飾っている。 2007.06.11追記・・・左の写真の赤い線のところを手で割ったものが右の写真。すると赤い丸のところに直径15mm程度の二枚貝の化石が出てくる。
大変な一週間
先週は、私的な事ながら母が原因不明の嘔吐やめまいで病院をあちこちと渡り歩き、そこで私は風邪をもらい激しいせきが続き、そしてなじみの施工会社が倒産するなど、肉体的、精神的に大変な一週間でした。色々あるそんなときこそ、普通に食事をとられることを感謝し、尚一層精進せねばと思っております。
そんな慌しいなか、自家用車のプリウスがとうとう10万キロを達成しました。年間平均で1.3万キロですので、仕事に使っていても走行距離は少な目です。なにしろここ数年間は、寺泊の自宅へは週末くらいしか帰っておりませんので、通勤がほとんど無いのが良い事なのでしょう?「地球温暖化を対策」、「持続可能な社会」をめざす事は、極力移動するエネルギーを小さくする事も重要なのですね。
海岸の清掃
タイトルとは関係ないが4月29日は、「昭和の日」。昨年は「緑の日」と呼び、20年前は「天皇誕生日」であった。昭和天皇が木をこよなく愛したということから「緑の日」となった記憶がある。だから「緑の日」でもよいと思うのだが・・・。
さてこの日、朝8時前から拙宅の前の海岸を含む寺泊海岸の一斉清掃が行われた。まあとにかく多いのが、プラスチックゴミ。生物分解がとてもおそくまた海水に沈まないので、海岸に打ち上げられる。今の季節は流れてくるゴミはほとんどだが、これからは観光客が置いて行く(棄てていく)缶ビール、缶ジュース、ビン、発泡スチロールがほとんどを占める。私の娘は小学校へ行っている。そこでは児童の全てがゴミを棄てる事が悪い事と理解しているし、棄てる事はない。ではどの段階で棄てるようになるか?大人(親含む)がタバコ、ちり紙、缶などを平気で棄てていることを目にしたときに、「なんだ、大人の言っている事は本当じゃないんだ。」とかんじたときである。大人が手本。親が見本となればゴミ問題は少しずつ良い方向に向くだろう。ボランティアの皆さん、近所、参加関係者皆さんお疲れ様です!!
IH調理器具のラジアントヒーターの注意点
本日、1年目メンテナンスで伺ったお宅で少々驚いた事を聞いた。IH調理器具も多くの人が使っいらっしゃる。当初IHの調理には使い勝手に慣れるまで数ヶ月必要だが、慣れてしまえば快適らしい。(すみません。私の自宅はガスですので・・・)ところが問題はIHヒーターではなく、中央にあるラジアントヒーターだ。このヒーターは、ニクロム線と同じ原理で、電線の抵抗によって発熱する。このため表面はIHとは違いしっかり熱くなる。つまり「のり」や「するめ」が焼ける。(IHでは焼けない。IHは鉄等の金属に反応し加熱するため)普通のガスコンロと同じように使える。このためIH調理器具のほとんどは、3個のコンロのうち1つはラジアントヒーターだ。ところが、このヒーターに制限が多く、やはりなべ底が、「まったいら」でないと時には、表面のガラス(トッププレート)にヒビが入り、修理する事になる。今回伺ったのは、アルミホイルの器に入ったうどん(直接火にかける物)が、販売されているが、これが厳禁なのである。アルミなべのでこぼこが、ラジアントヒーターで加熱するとムラになり、アルミが溶け、張り付いたアルミをとる時(なべを持ち上げる)に、トッププレートのガラスにヒビが入るそうだ。マニュアルには、アルミホイルの器に入ったうどんは調理不可と書かれているが、ヒビが入るとは書いてない。だから調理者はそうたいした問題ではないと思い、気にもとめずに調理するそうである。マニュアルになぜだめか、そうするとどうなるのか、書いてほしいものだ。制限の多いラジアントヒーターならいらないと、その人は言っていた。
暖房器具としてのエアコン その4 「その未来」
「暖房器具としてのエアコン その4」は「その未来」とする。多少希望的推測や間違いがあるかもしれない事を前提で申し上げる。今後エアコンは暖房器具として普及するのか?については、「YES」だと思う。私達21世紀の最大のテーマである地球温暖化防止は「待ったなしの対策をしなければ、今の生物にとって過酷な状況となる」とその分野の研究者は口をそろえる。一方日本は高齢化社会がピークを迎え、老人だけの住まいが多くなる。化石燃料の枯渇がまだ訪れていなければ(←希望的推測)、暖房という快適性を捨てられず、住宅内では暖房する事になるであろう。そのとき必ずエアコンの最大の特徴であるその効率の良さと、他の燃焼器具式の暖房器具にはない火災防止の安全性で、一番普及する暖房器具となるであろう。日本建築学会で発刊された「日本の住宅におけるエネルギー消費」の中の、住宅のエネルギー消費の推移によると、2050年には1990年に消費されたエネルギーの69%までに削減するシミュレーションがあるが、現在の科学では、暖房の快適性を維持しながらエネルギーを削減できるのはエアコンしか見当たらない。そのため、シミュレーションではエアコン暖房が前提で、そのCOPが8と設定されている。これは他の暖房器具は直接「石油」や「ガス」を直接燃焼することで暖房としているので、使う分だけエネルギーが消費され、使う量を減らさないとエネルギーが削減できない。つまり暖房を我慢しなさいということであるが、エアコンはそのCOPが高くなれば、同じ暖房量を使ってもエネルギーが減るというマジックみたいな現象が得れるからである。だから国をあげて暖房器具はエアコンを使う事を推進するであろう。でも電気は効率が悪いのでは?と感じる方には、掲示板でもご案内したとおり、電気の一次エネルギーへの変換効率は0.37である。つまり石油の持っているエネルギーが100%とすると、発電所では電気に変換されるものは43%しかならず、且つ送電線で5%のロスがあるので、家庭では、37%(0.37)のエネルギーしか届かない。しかしそのエネルギーをCOP8のエアコンで使うと0.37×8=2.96となり、直接家の中で石油を燃やして暖を取るより3倍良い効率で石油を使う事ができるということ。だから電気のエアコンは非常に効率の良い暖房ができる。
Q値と呼ばれる家の断熱性能を高くしなくても、灯油を直接燃やして暖房するパネルヒーターや電気を直接熱に変える蓄暖から、COP7(実通年COPを4として)くらいのエアコンにするだけで0.37×4=1.48と1.5倍も二酸化炭素量を減らす事が可能!!すごい!!
このことから、エアコンの暖房は今一番注目されているエネルギー削減とも言えるだろう。唯一の問題は、その3でとりあげたとおり、連続暖房して頂かないと暖かく無い暖房器具ということであろう。しかし連続暖房はエネルギーが増加する事になる・・・。解決は家の断熱性能を上げることであろう。だから「緑の家」では、Q値0.99w/m2Kを設定する事にした。
下表、図は2008.5月に加筆。日本建築学会の委員会が想定した、42年後の暖房機やそのエネルギー消費。いかに暖房エネルギー(&給湯)が大きいかわかるグラフ。暖房機はエアコンでCOPが8になると推測。将来の暖房はエアコンであるといえる。一般的にエネルギー浪費と思われている冷房時のエアコンは全く問題ないといってもいいほど小さい。
暖房機としてのエアコン その3 暖かくない!!
エアコンその3は、なぜエアコンは暖房機として普及しないか?(準寒冷地)の理由の2つのうちの2つ目、「エアコンは暖かくない」についてである。
暖房器具として暖かくないと言うのは致命的である。エアコンは、新潟県の多くの年配者に「暖かくない」とレッテルを貼られている。なぜか?それは、暖房器具を連続運転させる習慣が少なかった頃に、エアコンを暖房として使った人が多いから。エアコンは他の多くの暖房器具と根本的に違うところがある。そう、エアコンは放射(輻射)暖房がほとんど出来ない構造で、空気だけ暖める器具であると言う事。古来から日本の家の中に暖をとる方法は、輻射方式であった。輻射方式とは、高い温度になる熱源があり、そこからでる赤外線等で暖をとる方式。例えば囲炉裏、火鉢から始まり、コタツもどちらかと言えば輻射主体の暖房器具。また灯油ストーブもほとんどが輻射であり、ファンヒーターでさえも、60度以上の温風が吹き出る前面の羽近くは、温度が高くなり輻射熱を得ることが可能である。この輻射熱の良いところは、空気の温度が低くても体の暖かくなる部分ができ、寒い部屋で暖房器具をONした瞬間から、暖かさを感じることができる。冷え切った部屋は、天井、壁、床、家具とあらゆる物から冷輻射が人に向かって発せられ、この冷輻射をすぐに緩和してくれるのが、暖房器具からの温輻射。これがエアコン以外の暖房器具の最大利点。最近では扇風機の形をしたハロゲン輻射暖房器具が良く売れている。これはまさしく冷え切ったところで速暖を得られる器具の代表。一方エアコンはその機器表面温度も高くならず、かつ吹き出す温風も50度を超える事はない。輻射熱は全く得られない。そのため、温風の前にいても、40度から50度程度の温風が勢い良く吹き出し、ちっとも暖かいと言うより、不快と言う感じになる。暖かさを感じるのは、部屋空気が暖まり、壁や床、天井面の温度が上がる1時間以上経ったくらいから。その頃には、他の部屋に行ってしまい、エアコンをOFFする事になる。だからエアコンは暖かくない器具であるということになる。加えて、冷え切った部屋でONするので、エアコンは最大運転能力で、すぐに霜取り運転が始まり、かつその間隔時間も短く、寒い時に暖められない器具とみなされる。これが年配者の多くが感じる印象である。(当時のエアコンはCOPも悪い事も大きな理由)
最近は、断熱性能が高くなった事で連続暖房運転が行う家が出始め、連続運転される空間では、部屋の壁、床、テーブル、天井など全てが暖かくなっているので、冷輻射を感じる事が少なく、輻射熱のないエアコンでも充分暖かく感じる事ができる。だから緑の家では、エアコン暖房で寒いという事は聞いた事がない。(但し冷え性などの方は除く)つまり、暖房を連続運転すれば、エアコン暖房が使えるのである。実際、母の家では、低気密低断熱ではあるが、エアコン暖房オンリーである。火を使わないので安全性も高い。問題は、低気密低断熱の連続暖房運転は、ランニングコストがかかると言うこと。だから断熱性能が重要なのだが・・・。
プロとして陥りやすい間違い
本来なら「その3」をUPする予定だったが、急遽変更して、プロとして陥りやすい間違いについて自戒を込めて投稿する。
母(80歳)が一昨日から始まった、吐き気、めまい、下痢、微熱で、症状が悪化したため昨夜救急車を呼んだ。命に関わると思わなかったが、本人の強い希望で要請することになった。救急車で運ばれたところは、救急当直医のいる医師会館。夜9時30分までだったら診ていただけるということでその救急隊員の判断である。そして当直医に見てもらった。先生は開口一番私に、「昼間病院が開いている時にこなきゃーだめだよ!!今連れて来られても応急処置しか出来ない。検査しないとちゃんとわからない」と言い放ち、患者本人を安心させる言葉も無くその上、その先生は患者に触れることは一切なしに、隊員から引き継いだカルテ??のようなものに目を通して吐き気止め座薬を看護士に指示した。なんという医者だと思ったが、夜見て頂いているのでぐっと我慢。しかし投与してから10分もの経たないうちに、「これからどうやって帰るの?」と言うようなことを言うではないか?本人はまだぐったりとしているし、この医者は本人にも具合を聞こうとしない。確かに様々な人が夜救急で尋ねてくると思う。わざわざ夜連れてこなくても大丈夫と言うような人も多いと思う。しかしみんな心配だから尋ねてくるのである。本人が苦しがって動けないのに、「絶対」の判断が下せないようなら、転送するのが応急医の判断と思う。確かに結果からみると、ただの「風邪」かもしれないが、何しろ高齢で2日間飲まず食わずの患者で、起き上がることも出来ないため、救急車まで呼んでだのに、まだ苦しがっている本人を前に「どうやってかえる」は考えられない。この先生は経験豊かで、きっとこのくらいにならすぐに良くなると思ったのだろう。それが逆に仇となり、もう帰ってもいいよと言う事になる。がしかし、本人は苦しがっているし、もし検査しなければわからないようなら、やはり転送をすることを前提に考える必要があるのではないか?
さて、この問題は我々建築士にも気をつけなければならない。よくこういうたとえで先輩から教えられた。ある人が木造2階建て住宅を設計してほしいと依頼しにきた。要望として「2階に住む人がお相撲さん並に重いので床を普通より強くしてほしい」と言ったところ、経験豊かな建築士は「私どもの設計では、1m2あたり180キログラムまで大丈夫ですから標準設計で問題ありません」と言って技術的なことをくどくど言った。当然その依頼はキャンセルされた。尋ねてきた人は、心配だから床を普通より強くしてほしいと言っているのに、専門家は技術的なことだけを言って本来の要望を聞き落としていた。どんなに標準の床が強くてもご要望が「もっと強く」ならそれを受け止め実現すれば依頼者は喜んだだろうに・・・。大事な事である。気持ちを受け取る。大事な事である。
さてこの先生は「ここは9時30分までしかいられないのでその前にお引取り願いたい」のような事を言うので、私が「では私がここを出たらすぐまた救急車を呼びます」と言っても、「大丈夫だから明日もう1回来なさい」という。先ほどまでは「検査しないとわからない」と言ったではないか?まだ理解していない。ついには大きな声になってしまい、それを見ていた看護士さんが、「9時30分まで時間があるので、少し様子を見ていましょう」となだめにきた。となりで5分くらいしたら、看護士さんがきて、「救急車を呼びましたので、病院へ転送します」といいにきた。たった今まで先生は「家に帰りなさい」とのようなことを言っていたのに・・・。転送された病院の先生は、とても丁寧で、吐き出した内容物にも目を通し、「吐血しているので水なども吐き気が止まるまで控えて」と指示し、病院で一晩過ごすことになった。本人もようやく安心したようだ。
暖房機としてのエアコン その2 電気代
なぜエアコンは暖房機として普及しないか?(準寒冷地)それは大きく2つの理由がある。
1.蓄熱暖房機に比べ電気代が高いイメージがある。
これはもっともである。蓄熱暖房機は、電気会社の事情で電気代が一般の電気代と比べ1/4に設定されている。これは深夜に電気が余る為、何とか使ってもらえないかとの戦略で考えられたもの。発電所では、夜電気を使う人がいないからと言って発電量を簡単に落とす事が出来ない。すると電気があまり、あまった電気は溜める事が出来ないため捨てる。なんともったいないが、捨てるしかないらしい。だから1/4の電気料金でも捨てるより使ってもらった方が随分まし。と言う事で、蓄熱暖房機は深夜電気をたっぷり使って熱として溜め込む。電気代が1/4だから大量に使っても高くない。更に電気基本料金の割引まである。
10年前のエアコンのCOPは、最高機種でも4程度。安物エアコンはCOP2.5だから電気代はエアコンの方が高くなる。しかもエアコンのCOPは外気温7度の時のCOPだから、寒い日はCOPが6割くらいになる。つまり最高機種でCOPは2.4、安物は1.5となり、電気ヒーターに近い電気料金になる。これでは高いはず。この体験があり、エアコンは暖房機として使えないと言うレッテルが貼られた。ところが最近の機種はCOPが6.7もあり、低温時でもCOPは4!!これなら蓄熱暖房機とほぼ同じ電気料金である。少し外気温が高い時は、蓄熱暖房機を上回る安い電気料金となるのは確実。最近のテレビCMでもおなじみのエコキュートという給湯器は、電気代が1/4の深夜電力を使い、COP4.5くらいのエアコン(ヒートポンプ)でお湯を造る機器。大ヒットしている。当たり前。理論的には電気代が1/4(深夜電力)で、効率が3としても一般の電気料金の1/12の電気料金でお湯が沸かせる。安い・・・。で地球温暖化に良いと言う事で国が補助金を用意している。
理由2は「その3」で!!
暖房機としてのエアコン その1 COPとは?
エアコンのCOPは一体何?と思われる方も多いだろう。エアコンはご存知のとおり、冷房装置。しかし最近は暖房装置として使っている人も多い。なぜエアコンは冷房も暖房もできるのだろうか?それにはちょっとだけエアコンの中身を知る必要がある。テレビはなぜ映るのかよりしごく簡単なのでちょっとだけお耳を拝借。(知っている人は読まなくてもOK)
冷房運転時=エアコンは室内機と室外機のワンセットという事は知っていると思う。冷房運転時を簡単に説明すると、室内機で室内の「空気」から熱を奪って室外機で熱を「空気」に捨てる(移す)・・・という事。熱を室内から室外に移動するために電気を使う。
暖房運転時=冷房時の全く逆。空気から熱を奪うというシステムだから運転を逆転させればよいのですごく簡単に冷暖房可能。やはり熱を移動するためだけに電気をつかう。電熱ヒーター等はない。
蓄熱暖房機や電気ストーブは、ニクロム線のようなヒーターがあり、1000kcalの熱を出す機器であれば、電気は必ず1000Kcal使う。しかしエアコンは熱を運ぶだけに電気を使うので、発生(移動)させる熱が1000kcalだった時に、使った電気が500Kcalとすると電気ストーブより1/2の電気で同じ熱が得れる。逆の言い方をすれば、同じ電気料で2倍の熱を得ることができる。もし発生させる熱が1000kcalだった時に、使った電気が100Kcalだったとすると10倍の熱を得ることができる。この10倍が成績係数=COP10と呼ばれる数値である。最近の機種は、このCOPが7近くあり、なんと蓄熱暖房機や電気ストーブと比べ電気使用量が1/7になる。理論的はCOPは1以下にならないのでどう使っても電気ストーブより電気は使わない。つまり電気代が掛からないということ!!ではなぜ暖房機として普及しないか?それは大きく2つの理由がある。 続きは「その2」で・・・。
※注意:電力を電気と表記し、尚かつ、電力量を一般的なワット(W)ではなくなじみのあるキロカロリー(kcal)とした。
軒の出の無い建物
軒の出とは、外壁から屋根(時には庇や笠木)が出っ張っている寸法のことである。昔から日本の建築物は、軒の出をできるだけ大きくするように心がけた。これは、大きく2つ理由がある。1つ目は、軒の出=屋根が大きいとなるが、屋根が大きいと立派に見える。実際軒の出の大きい建物は、コストもかかるし、技術的にも難しくなりやすい。社寺仏閣は、屋根によって美しさが決定されると言ってもよいほど最も大事な建築の部分であり、時には権力等の象徴としてデザインされる事もある。2つ目は、外壁と窓周りを日射や雨から保護する役目である。軒の出が大きい程、高い保護が可能ということである。アルミサッシの無い時代、漏水するところはまず窓周りとなる。これは、日本建築が柱と柱の間に間戸(窓)を計画してきたことに原因がある。木で出来た間戸は間違いなく最初に雨漏りする。しかしアルミサッシ普及に伴い、軒の出の無いビルでも雨漏りが聞かれる事は少なくなったため、この問題はアルミサッシ普及とともに無くなった。残るは外壁の耐久性の保護となる。
壁に比べ屋根に使われる素材は、建築物の中で基礎と同じくらい耐久性がある素材が使われる。例えば瓦、セメント瓦、銅、錆びにくい金属類、石である。これらの材料は全て基礎(地中下)にも使う事のできる素材である。しかし流行のサイディングはどうやっても屋根に使う事は出来ない。つまり耐久性がそこまで確保できないからである。
最近軒の出のない建物が多くなった。デザイン的にモダン(ビルのような箱物ようなシンプルな形)に見えるからという理由らしい。当事務所でも軒の出のない建物は比較的多い。これは、デザイン的理由ではない。一番は、採光上有利であるから。2番はコストがかからないからである。近年市街地の住宅だけでなく、郊外住宅も敷地が多く取れない状況であり、敷地ぎりぎりに住宅を建築する事が多い。そのため外壁を隣地から少し離しても、屋根が大きいと、ほとんど隣地境界線すれすれとなる。こうなると自分の家ばかりかとなりの家まで暗くなり影響が大きい。そこで当事務所は、軒の出の無い建物をご提案する事が多い。但し外壁の素材は、ガルバニュームという屋根に使う素材。理由は上で述べたとおり、軒の出の無い建物の外壁は、ほとんど屋根と同じ過酷な状況。そこで屋根と同じ素材を使う事で、耐久性に影響を極力与えないようにする。チラシや町でよく目にする軒の出の無い建物で、外壁にサイディングを使っている建物がある。この建物の外壁の耐久性は大丈夫なのであろうか?(軒の出の無いビルの外壁は、昔から耐久性に気を使っていた。古くは本物の焼きタイルやコンクリート。今は金属やガラスがおおい。いずれも屋根に使える素材で耐久性は高い。)
写真は左が軒の出が両方ある建物が並んだ場合。右は軒の出が無い建物が片方である場合。
更に性能アップ
急遽、見学会が決まり、告知が遅くなったうえにHPの不具合も重なって皆様には大変ご迷惑をおかけしております。
昨日ある大手ハウスメーカーの商品研究の方とお話する機会がありました。北海道の商品開発をご担当されており、勉強になりました。そこで確信を持った事は、10年ぶりの性能強化です。
一昨年前に宣言したとおり、昨年は高断熱の性能を通常の緑の家より1.45倍強化したQ値1.4W/m2K以下の住宅を完成させましたが、今後はQ値0.99W/m2K以下をご提供したいと考えております。その背景は、やはり石油エネルギー枯渇の問題があり、昨今の灯油、ガソリンに代表される原油製品の価格が上がり、建築資材の価格も上昇しております。中国の猛烈的なエネルギー消費は今後も変わる事が無いと考えると、原油は以前のように低価格で供給される時代は来ないと思います。限りあるエネルギーを無駄なく使う事が重要です。(←あえて地球温暖化対策が背景とは記しません。)
さてQ値=0.99以下を実現するために、次の2つを集中的に強化します。1つ目は窓で全て木製のアルゴン入り高性能ペアガラス。2つ目は、浴室と床下換気を除く熱回収換気システムです。価格は全体で120万以内(坪当たり3万程度)にしたいと考えております。この位のQ値の性能の家ですと、現在の「緑の家」の半分くらいのエネルギーで暖房可能です。如何でしょうか?
高気密高断熱とハイブリット自動車
HPを開設し、事務所を開いてから10年になろうとしている。その間お手伝いさせて頂いた家は、高気密高断熱住宅が100%である。これは誇れる事と自負している。10年前のHPを見れる大手メーカーのサイトがあれば(もう見れないと思うが)、当時の大手メーカーの本州において薦める家は高気密高断熱ではない。それどころか、高気密高断熱住宅を否定しているメーカーもあった。今や高気密高断熱当たり前で更にQ値が1.0W/(m2K)以下の住宅まで商品として販売しているメーカーもある。「高気密高断熱でなければ家で無いのか?」とお叱りを受けるかもしれないが、冬の家と同じ温度差がつく冷蔵庫では、「断熱材と気密パッキンは必要無いか?」と問うと皆、「冷蔵庫といっしょにするな」と反論あろう。しかし実際は両方とも温度差20度は当たり前、新潟にある家の方が強風を受けるので冷蔵庫より真冬は過酷状況なのだ。だから断熱材も気密材も必要なのである。
私はハイブリッド自動車に7年前から乗っている。当時は「ハイブリッドは電気自動車か燃料電池自動車までのただの「ツナギ」。10年後は電気自動車が主流だよ。」と言われたが、実際はこれからがハイブリット自動車の主流時代となる。今日報道でGMが今までの「大型排気量自動車」主体から環境を考え「小型燃費向上車」の開発をすると流れ、本格的にハイブリット自動車主流に大きく流れが変わろうとしている。これは、高気密高断熱住宅の出始めにそっくりである。ハイブリッド自動車はやはり割高。だから買わない。とのご意見もあろうが、高ければ少しグレードを落としてハイブリッド車を選択する方法もある。例えばクラウンスタンダートクラスであればプリウスフル装備と言う感じ。見た目より実性能で選ぶと言う事である。無論資金がたくさんあれば、レクサスハイブリッドなど如何だろうか?価格は750万~^-^; くらい・・・。
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