「 基礎 地盤改良 」一覧

冬だから基礎のコンクリート強度に更に注意します。

2010.02.18青字加筆

この写真は、基礎に使うコンクリートの強度を測るためにサンプルを抜き取っているところと、スランプ試験をしているところです。

冬に基礎工事される事もおおくなりました。
コンクリートは固まる前に凍結さえしなければ、低温湿潤である新潟の冬は、コンクリートにとって都合のよい環境です。但しあまり気温が低いと、20度の標準温度より強度がゆっくりとしかあがりません。そのゆっくりさでは工事進捗に支障をきたしまから「温度補正」を行います。温度補正とは、コンクリートの設計呼び強度に割り増して早く強度が出るようにするコンクリートの作り方です。

オーブルデザインの「緑の家」はコンクリートの設計呼び強度が27~30N/mm2なので通常プラス3上げて30~33N/mm2以上に温度補正します。

さてこのコンクリート設計呼び強度は家の耐久性に重要な数値です。強度について詳しくはこのコラムに掲載しました。

下の図のように現在の国の基準(住宅金融支援機構)では24N/mm2以上が標準ですが、4年くらい前は21N/mm2、12年前は18N/mm2でした。つまり年々高くなってきています。
オーブルデザインの標準では12年前から27~30N/mm2です。これはとても手前味噌で誇れる先見性です。コンクリート呼び強度を一度設計者に聞いてみてください。温度補正は?スランプ試験は?そして強度はいくつですか?この質問でその設計者、施工者の力量がわかります。※いずれも「呼び強度」です。設計基準強度ではありません。

いつも申し上げておりますが、家の設計はバランスです。全てにおいて基準を満たす事ができることが住宅専門の設計事務所の力です。

ちなみに木造軸組住宅の温度補正はそう厳しく考えなくても良い場合が多いです。これは打ち込みから上棟まで8日くらい、その後本格的に基礎に加重が掛かるまで2週間以上掛かりますから、ちょうど4週間を迎えたところで加重が半分も掛からない状態です。ですので厳しい行程以外は+3位の補正値でもOKでは無いかと思います。工程管理を把握できれば設計者の判断となりますが、この時期は+3は必要ですね。


新潟の家 200万の補助金。そしてSSプランの基礎工事

今年は補正予算等、景気対策のため住宅関係の補助金がいろいろとあります。ほとんどが建て主さんへの家の直接資金となる補助金です。ありがたいことですね。
さてこの補助金のなかで最大規模の200万円が補助される「長期優良住宅先導的モデル事業」です。当事務所では無謀にも大手建設会社や団体が受ける「長期優良住宅先導的モデル事業」の第1回(不採択)と第2回目(申請中)を申請しました。
1回目の不採択のために、残念ながらこの補助金が受けられないことで、ご迷惑をおかけした設計もありましたので、今回は「新住協」のQ1住宅による申請でも受けれるように準備をしております。当事務所のSSプラン(普及版でも)では、そのままでほぼQ1申請用に合致します。当事務所のオリジナル申請で第2回目も受からなかった時に、この新住協のQ1タイプで補助金を受けれるダブル方式でご提案します。
是非ご検討頂ければとおもいます。
普及版SSプランは、Sプランの断熱と気密性能のみSSプランにしたものです。よって基礎は布基礎又はシングルべた基礎のシングル配筋で、基礎高は1mのタイプです。

Sプラン→普及版SSプラン Sプランの約3~4万/坪アップです。勿論コストが許せば標準SSプランが超お勧めです。

さて話はかわりSSプランの現場では・・・

耐震等級3のダブル配筋のべた基礎の鉄筋工事がほぼおわり、配筋検査を行ってきました。人の背の高さと比べてください。高い基礎ですね。

SSプランの鉄筋にはフックがあります(上下のわっか)。これはせん断力を高めるための計画で、ビル等は全てこのような計画です。普通の住宅の現場ではこのわっかまで手の込んだ施工はしません。でも建築学会の勧める基礎は、このようにフック(わっか)付です。

スラブの下の鉄筋のかぶり寸法も70mm。この部分が如何に平らでダレがないかを下の写真で確認ください。下の隙間を撮影したものです。あっ・・・少量の錆はコンクリートを入れると元に錆が還元されますから全く問題ありません。


奥の奥の向こう側まで平らですね。すばらしい施工です。
長期優良住宅はまず基礎からです。SSプランの基礎は100年間ノーメンテナンスで考えるようなそんな基礎ですね。
専門家が自宅をつくときは、設備類が豪華より、基礎にコストをかける方がほとんどです。でも人に勧める時にはそうはなりません。これは素人に基礎の良い悪いを説明するのが大変だからではないでしょうか?設備や外壁なら説明が簡単です。
万事何事にも基礎が重要です。


新潟 「緑の家」の工事監理。性能表示 耐震等級2の基礎③

緑字は2009.04.02加筆

加筆前回の性能表示 耐震等級2の基礎②では、「緑の家の基礎は一体打ち込み」とご案内した。なぜ一体打ち込みがよいか?

しっかりと管理されたコンクリート建築は、打ち継ぎがあっても問題ない。そうでなければ、コンクリートの高層建築ができるはずもない。よって住宅の基礎では、2回打ちでも1回打ちでもしっかり管理すれば構造耐力に差はなくどちらでもよい。ではなぜ一体打ち込みにこだわるのか?

上の写真はある大手メーカーのべた基礎完成風景。公道から撮影しているので少々荒れている画像であるが、赤丸のところを見てほしい。この部分がベースと立ち上がりの接合部分。素人でもここがつながっていないことがわかるジャンカが見える。これは2度打ち基礎工法で基礎立ち上がりを打つ際、周囲まできっちりとコンクリートが入らなかったのである。たぶんコンクリート強度(水セメント比)を高くした高品質生コンが裏目となって、打ち継ぎに隙間が発生してのだろう。しかししっかりとバイブレーターを掛ければジャンカはなくなるはず。きっと全体的にこの現象があるので、施工管理が甘いと想像できる。しかしジャンカは大きな事ではない。表面を直せばOK。問題は施工管理が甘いと、ジャンカ以外に一番怖いレイタンスをそのままにして打ち込んだ可能性がある。これは問題である。せっかく立ち上がりが低い事をべた基礎のベースを一体化することで高くするように考えられている基礎なのに、これでは一体化にならない。また、この打ち継ぎの大きな欠点がある。今後完成時に図のように間違って地面の周囲が高くすると、雨水が床下に進入する恐れがある(当事務所でも一度経験あり)。「緑の家」のようにいつも人が入ってメンテナンスしている床下ならすぐわかるが、そうでないと床が腐るまでわからないことになる。

このような管理が大変なので、一体打ちをお勧めしている次第である。すると下の写真のように、一体の基礎ができる。これで設計計算どおりの基礎体力が確保される。

この写真は緑の家の基礎で、型枠をはずしたばかりのところ。立ち上がりとべた基礎のスラブとの境は全くない。一体化されていることがわかる。気泡が抜けきっていないが、耐力には影響はない。右下のところは、コンクリート型枠が他の部分とは違っていたため、色がついた。

写真を見ていてもうひとつ不思議な事に気がついた。一番上写真の大手ハウスメーカーの家の基礎は、基礎が土の中にないのである。所謂根入れが浅いのである。法律では120mm以上だから、たぶんぎりぎり問題ないと思われるが、すごく不自然な基礎である。上の「緑の家」の基礎は、周囲が掘り込んである事がわかると思う。これで根入れは220mmである。


新潟の住まい 「緑の家」で基礎表面に結露発生!!

緑字は加筆部分

1月の末にA様の「緑の家」の床下で「表面結露らしき物があるので見に来てくれ」との要請があり伺った。すると確かに基礎表面に結露がある。7年ぐらい前に基礎に表面結露が発生したお宅があったが、その原因は加湿しすぎであった。今回はどうも違う。当事務所の基礎断熱は基礎内側に断熱を貼るタイプである。断熱材は基礎上端まできっちりと貼っていたのであるが、一部数ミリ露出していた所と、大丈夫と考え貼っていなかった部分があった。その北側隅だけに結露が発生していた(写真上)。下写真は東側の熱橋部分で、結露はしていない。北側結露原因は明らかに熱橋によるものであるが、過去にこの部分での結露はなかった。そこで1ヶ月間ほど床下の温湿度を測定し、熱橋以外に原因があるかどうかを調査した。

グラフ1は、1月31日から3月6日までの、結露した北側部分と結露のない東側部分の床下温湿度である。同じ床下空間でありながら結露した北側が東側より温度が1.5度低い。最初は外気、外風の影響で北側が低くなるのではないかと考えたが、一ヶ月ほぼ同じように推移する。この一ヶ月の新潟の天候は、寒かったり、暖かかったりを周期的に繰り返していた。よってこの1.5度の差は外的要因(外気温、風速)にはあまり関係ないと思われる。となると何か?この北側の真上床は畳である。そして普段使わない和室なので積極的な暖気取り入れはない模様。その影響が床下にそのまま温度差として現れたらしい。つまり床下への暖気供給は、上部床の熱伝導率と室温に大きく影響を受ける。

グラフ2は測定一ヶ月間の中で最も寒い期間である2月18日の北側床下温度である。床下温度は、11度まで下がり、この日結露していたらしい(A様曰く「寒い日に結露している。少し寒気が緩むとしていない」)。そしてこのときの東側では13度であり結露はしていない。たった1.5から2度の差が表面結露をおこすかおこさないかの分かれ目といえる。

今までの測定では床下温湿度は、冬季の床下温度は15度から17度くらいである。しかしA様の家は普通の緑の家の床下より1.5倍ほど容積があり、表面積が大きくなるため外周から熱が逃げやすい。それで一般床下より2度から3度低くなったと考えられる。

定常状態の式でシュミレーション(透湿抵抗大)すると

θ1・・・コンクリート表面温度 θ0・・・外気温-1度 θi・・・床下温度

r・・・室内側熱伝達抵抗 R・・・rを含む基礎全体の熱貫流抵抗 

R・・・0.11+0.09+0.04=0.24W/m2k

θ1=θi-r/R(θi-θ0)で求められる。

すると11度北側のコンクリート表面温度は6.5度

14度の東側のコンクリート表面温度は7.1度となる。

もし16度あればコンクリート表面温度は8.2度まで上がる。

グラフ2の黄色い線が露点温度であり、6.5度位で結露することを示しており、計算とぴったり合う。

しかしこのくらいの温度差で結露するのでは当事務所の標準施工としてよくない。安全率をもう少し大きくしたほうがよいと考えるので、少し納まりを変更しようと決めた。以上が今回の状況である。

A様にはご迷惑をかけたことこの場をお借りして改めてお詫びいたします。この部分の改善は数日中に行う予定です。尚、この後に他の数件の「緑の家」の床下を点検しましたが、このような結露や発生跡がなかったので、今のところすべての点検の計画はありません。もしご心配な方は、点検に伺いますので恐れ入りますがご連絡ください。また、よくウエブでも指摘されているアンカーボルトの結露がなっかた事、合わせてお伝えいたします。今回の件は、より一層良い「緑の家」をご提供していく上で学ぶ事の多い事例であり、早期発見通報頂いたこととても感謝しております。


新潟 住宅性能表示で耐震等級2の構造計算した基礎

さてこれは何でしょうか?

これは基礎を作るコンクリートの中にある鉄筋を浮かせるためのサイコロと呼ばれるものです。大きさが違いますが、左は一般住宅で使われる4-5-6と呼ばれるコロ。右は緑の家で使う7-8-9-10のコロ。それを7の位置で使っているところ。この数字は鉄筋のかぶり厚を示す。かぶり厚とは、鉄筋を腐食から守るためコンクリートで保護する厚さ。厚いほど腐食スピードが遅くなる(つまり基礎の耐久性が上がる)。このかぶり厚は法律で決まっており、基礎スラブで下からの寸法は最低6cm必要。だから普通の現場は左の4-5-6の6の部分をつかう(よく5cmで違法建築を見るが・・・)。一方「緑の家」では7cmを指定する。これは構造計算時、かぶり厚を7cmで計算しているから。通常固定端のスラブは端部下端筋に一番大き応力がかかるので、下端筋が効果的になるように最低の6cmにしている。ところが現場では下写真のように人が上から踏みつけたりして、 6cmのコロを使うと5cmくらいのかぶり厚部分も生まれる。また、構造計算の考え方で端部ピン端にするとスラブ中央の上端筋に一番の応力がかかる。そのためできるだけ上に近いほうに鉄筋があった方が有利なので、下からなるべく離す7、8、9cmのほうがよい。その2つ理由から「緑の家」ではあえて住宅基礎では普通は使わない大きなコロを使う。この辺が設計事務所の工事監理と設計手法。施工オンリーの工務店では考えられないところ。これはシングル配筋時のことで、ダブル配筋の場合は6cmでOK。下端筋を踏みつけられないし、上端筋は別にあるから・・・。


新潟 「緑の家」の工事監理。性能表示 耐震等級2の基礎

今日は三条市で施工中の緑の家の工事監理に行ってきました。配筋検査は明日ですが、その前に問題がないか、間違いはないか見てきました。概ね良好です。まだスラブのかぶりがと鉄筋の空きがしっかりと取れていませんが、その他は良好です。スラブから立ち上がりへの上鉄筋と考えた場合の定着は25dとしております。下鉄筋と考えた場合は斜め筋があるので35d以上となりますね。

他の基礎工事現場と比べるとわかりますが、床の配筋と立ち上がりの配筋を一緒に造ってます。これは基礎の「一体打ち込み」と呼ばれる造り方です。この一体打ち込みとは、基礎の立ち上がりと平らな所を同時にコンクリートを流す事をいいます。普通は、平らなところを先にコンクリートを流して、固まってから(1週間くらい)立ち上がり部分のコンクリートを流す2度打ちといわれるものです。どちらが良いかといえば、一体打ち込みのほうが良いに決まってます。また一体打ち込みのほうが手間と費用がかかります。どうしてそんなお金を掛けて一体打ち込みするのでしょうか?それはコンクリートは一体となって初めて強度が出るもの。2度打ちでは打ち継ぎ箇所ができ、どうしても肌別れ(隙間)が生じやすく、水やシロアリが浸入しやすくなります。

「緑の家」の基礎は1mあります。これを一体で打つには時間と技術が必要です。ですが、基礎は住宅の一番下を支える大事なところ。多少のコストは必要と考えてます。

きっちりと区画され、開口部補強にはなんと2本の16mmの異型鉄筋と13mmの3本が入ります。斜め補強は16mm鉄筋と普段お目にかかれない補強です。この開口部が普通の家の基礎とほぼ同じ高さがあり、それでもこれだけの鉄筋が必要です。

スラブ配筋はD13が120mmピッチで組まれます。

写真でわかるとおり、床から貫通する配管類はない。


新潟 住宅のべた基礎はほとんど違法又は×の根拠 

最近はブログという便利な情報発信があるので、とても便利になった。当ブログも一日70件を超えるアクセスが普通になってきた。訪問者数はその約半分くらい。しかしその訪問者は不思議なことになぜか平日の昼間、特に8時から9時30分にピークのがある。これはたぶん仕事として会社から当ブログに訪問している人。たとえば数年前にはある中堅建設会社の社長さんから「うちのチラシの一部が勝手にお宅のHPに乗っているので削除してほしい。」というお怒りもいただいている。それはチラシを写真にとり、小さくその写真で引き合いに出したのであるが、記事が批判的だったので問題としたのだろう。確かに写真が引き合いだったので謝罪した。それからそこの会社の人は当ブログやHPをご覧になっているようである(気にしているようだ)。

最近、このブログの訪問者の検索エンジン元をふと見ると、同種業者のブログに飛び込んだ。そこには、「新潟の住宅会社は、他の人のデザインや工夫をすぐに真似るので簡単にホームページには載せないよ。見学会に来てね。」の様なことが書いてあった。それを見たとき「ああ!そういうことか!いつも仕事で見ている人は・・・」と思った。が、画像を見ただけでまねされることであれば、「いつか簡単に誰でも同じものができるし、いいものであれば公開することで建て主さんのためになる」という気持ちで、私は当ブログやHPに細かく詳細に載せていることが多い。小さな事はまねされても良いし、まねできない物をご提供すればいいのだよ。という感じで。(意匠的な真似は×。著作権法で保護されているから)ある有名な人は、「知っていることは出し惜しみせずどんどん公開しよう。そうすればさらに自分を高めようとするから」といっていた。おっしゃるとおりと思ったので私もどんどん公開する。

当事務悪所では、数年前からべた基礎の計画方法の情報を流している。ようやく最近は基礎構造区画や、配筋の構造計算の重要性を掲載している建設会社もちらほらある。そこでもう少し掘り下げ「なぜ普通のべた基礎が法律違反になるのか」を当HPの「ニュース、コラム」に掲載した。さて、べた基礎で立ち上がり60cmくらいしかない基礎を造っている方が見ると肝が冷えるだろう。だって、平成13年から構造的瑕疵は、最低10年間その修繕義務を逃れられないから・・・。また設計図の保管期間も5年から15年になったので、図面がないとごまかせないのである。この記事は専門用語が多いけれど、これから家造りという人もなんとなくその重要性がわかるので一度ご覧ください。

ここに「ニュース、コラム」リンク先をおきます。


「緑の家」が目指すものは?その5 JAS材と強度表示

その5では、その4続き具体的になる。

再び現在進行中の性能評価申請中の現場で説明する。

性能評価は、構造の安全性の評価表示のため、等級2(等級1は建築基準法ぎりぎり)以上は構造計算することになる。特に雪国での柱は、雪の重みを受けるので座屈に注意が必要。また梁(横たわって見える木のこと)は、長期のクリープ現象(数年間掛けてたわむこと)を加味しその大きさが決定される。で、このときに使う数値が写真の中にあるシールの基準値となる。クレテック工法の場合、集成材が基本であるから、このようにすべてにシールが貼られているが、製材を使った場合は、このようなシールを見たことがない。しかし、製材にも計算の基準値が存在しているので本来ならなければいけない。経験値で行う時代は終わったのであるが、今もほとんどの住宅の現場では、シール無しのJAS基準無しの柱や梁が使われている。ちなみにシールを貼り表示するためには、JASの認可工場になることが条件といえるのであるが、新潟県には次の5件が製材等のJIS認定工場として登録されている。長岡市の(株)諏方木材工業、(株)志田材木店、新井の(株)菱元屋、新潟市の(株)ザイエンス、王子緑化(株)の5社である。現在出回っている製材品の量を考えると非常に少なく、無垢材がよいといっている会社等の登録がないのが不思議である。

さて、シールがなくてもその材料の一般的な性格は、一応決められている。たとえば杉の製材であれば、Eの強度は6860N/mm2、松の製材ではE=7840N/mm2。ただしあくまでもJASの基準を満たす構造材乙種以上の強度。現在進行中の性能評価申請中の現場の梁(松)のEの強度は11760N/mm2である。これは製材の杉の1.7倍。製材の松の1.5倍となる。ということは梁の構造計算式ではたわみで決まることが多いので、一般的な梁の加重の場合、

たわみ=5wl^4/(384EI)×2(クリープ考慮)

となるので、Eに比例してたわみが少なくなる。実際は、集成材の梁が断面10.5cm×24cmですむところ、製材の杉は10.5cm×27cmは必要であるという計算結果が出る。

だから製材がよくないというのではない。むしろ製材を使いたいのであるが、しっかりと乾燥した製材品は、集成材よりの高い(逆を言えば適当な製材品は、集成材よりもずいぶん安い)。だから集成材を多く使っているといえる。重要なことはこの強度の違いを知って設計しているか?ということ。あなたの設計者に、「梁に使うE(ヤング率強度)はいくつものものですか?」と聞いてみると、本当にその設計者があなたの家の構造を把握しているかわかる。それが答えられなかったら 無垢材=安心ではない。


「緑の家」が目指すものは?その4」

その4では、急に具体的になる。

この写真は現在進行中の性能評価申請中の現場である。建設審査はまったく何も指摘なくOK。この後最終検査をしてコンクリートを打ち込む。アンカーボルトは既にセットされ、一回で立ち上がりとスラブを打ち込むため、型枠を浮かせるということにになる。巷の基礎の多くは2度打ち込みだろうが、やはり基礎を一体化できる一回打ち込みのほうが、基礎が計算上の力を発揮できる。

普通の住宅のべた基礎は、「経験値」で鉄筋が組まれる。当事務所の家は、そのすべてが構造計算して決定される。すると、写真アップにあるように、鉄筋から下の地面まで7cm離すことになる。これは基礎底板の厚さが18cmのほぼ真ん中に鉄筋が来るようにしなければならないため。(詳しくは08.05.08のブログを参考)

基礎立ち上がりで囲まれた底板(スラブ)は、ピン構造の端部というより剛接になるため、立ち上がり近辺で力が下端にかかり、中央部で上端に力がかかり、両方の強度をこの鉄筋で補うため、コンクリートの中央に来る必要がある。


でも下端から7cm離れている現場を見たことがない。そもそも写真のように、鉄筋を浮かせる小さいサイコロは短辺が4cm、5cm、6cmという羊羹状である。7cmがないので、このように鉄筋を捨てることで7cmを確保した。勿論7cmのサイコロも注文すればあるのであるが、業者さんが勘違いをしたらしいのでこの施工となった。この方法でもコンクリート打ちの時、注意すればまったく問題ない。

雪の少ない新潟市に建つこの家は決して特別大きいわけでもないのに、シングル配筋のピッチは15cm以下である。大きい家はたぶんダブル配筋か、鉄筋ピッチが12cm以下となるであろう。本当に他の業者さんは、構造計算してべた基礎配筋を決めているのであろうか?最近はブログで基礎の写真を公開されている会社が多いが、見るととても問題あるような配筋や施工である。素人の方ではわからないだろうが、我々ならすぐわかる。

環境だけでなく構造の安全性をきちっと裏づけのある形で作る。チラシに書かれているように「18cmべた基礎で強い」などという裏づけのない計画はしないことが、「緑の家」の目指すもの。


家の地盤改良の説明(メリット、デメリット)は受けましたか?

この写真は、現在の当事務所の前の風景である。大きな重機が入ってこれからビルの杭を打つのではないかと思う風景。しかしこれはれっきとした解体風景なのだ。既に建物本体は綺麗に片付いている。しかし何でこんなに大きい重機があるのかというと・・・

そう、地中にある杭を抜き取る作業をしているのである。直径600φ位のコンクリートの杭が地中8mくらい迄埋まっているので、それを引き抜く作業をしている。これは2階建ての事務所の解体風景である。しかし最近は住宅でも地盤改良が増え下の写真のようなコンクリート杭が埋められる「柱状改良」が多く施工される。柱状改良は軟弱地盤には優れた改良方法であるが、撤去時に結構大掛かりな機器が必要。なぜ撤去が必要かというと、不動産の取引の法律が数年前に改定され、地中内に工作物(杭など)があってそれを告知せずに売買した場合、売主が撤去費用を負担することになったから。だからこの現場では、撤去してから売買しようとしている。

そこで家造りで重要なことは、仮に柱状改良が必要だったとき、他にも改良の選択肢はあることや、撤去時の費用がかかることを、説明を受けたかが大事。柱状改良は他の改良方法(砂利で柱状形成する方法や、軽量材で土に置き換えて改良する方法が撤去時コストがかからない)よりイニシャルコストがかからないので、建設業者はこれを進めることが多い。納得して施工すれば後悔はないと思うが、説明がないままということはあまりよくないから。

写真は地中から引き出されたコンクリートの杭。引き上げたら砕いてダンプで処理工場へ。


基礎コンクリート強度の移り変わりと土台等の施工

基礎コンクリート強度について

住宅をつくる場合、手本となる「本」がある。それは40年以上前からつい最近まで(財)住宅金融公庫という公的機関が、住宅資金を貸す時に基準とする仕様書である。現在は(財)住宅支援機構として引き継がれ、住宅の資金を貸し付ける支援をするときもこの仕様書を基準とする。したがって、この仕様書があるという事は、業界人なら必ず知っている。(知らない人はもぐりである。)当事務所には10年前の仕様書からつい最近のものまで保管しているが、左は一番最近の仕様書。厚さは1cm程度であるが、ほとんどの事が網羅されており、事務所で作成する設計図書の礎となっている。

この仕様書の中には、前話題のコンクリートの呼び強度が記載されている。それが下の写真。10年前の推奨コンクリート呼び強度は「18N/mm2」であるが、最近の仕様書ではこれが「24N/mm2」まで2ランクアップしている。実は3年くらい前の仕様書では21N/mm2だったので、住宅建設会社でも知らない人が多いと思う。無論、普通の建築士は知らないはず。

やはりこの背景には住宅を長持ちさせようとという配慮が表れている。コンクリートの呼び強度をあげるだけで、中性化は遅れ、基礎が長持ちするからだ。もし今家を造っている人(造り掛けている人)がいたら、「呼び強度はいくつが指定されてますか?」と訪ねたい。多分良くて21N/mm2というだろう。

土台の施工とアンカーボルトの計画

最近諸事情で他社さんの設計施工の準工事監理※を行っている。事務所と違う家の仕様は新鮮である。この施工会社はしっかりとしており、土台も米ヒバを使い、更に防腐剤を塗布している材料(米ヒバ)を使っている。以前当HPでなぜオーブルデザインは土台に米ヒバを使うかということをご案内した。それがわかりやすい形で写真に取れたので見てほしい。(この写真は他社施工中のもの)

現場で加工する土台の端きりや、塗布(加圧注入)後に穴をあけることが多い、「ほぞ」には薬剤の染み込んだ跡がない。この部分が問題だから、土台の木の樹種自体に防蟻防腐性が高い「米ヒバ」を使うのである。この施工現場では、土台は米ヒバなので、薬剤は必要無いため、全く問題ないが、土台に加圧注入された薬剤で防腐防蟻を考えている現場では、こういった部分にも薬剤注入は必要である。(多分この会社は、土台樹種が米ヒバなので急激な湿気で暴れないように防腐剤(撥水効果あり)を塗ったのかも?オーブルデザインでは米ヒバ集成材なので暴れはほとんどない)

また、当事務所では行わない、下の右写真の基礎換気口の設置であるが、筋かい、土台継ぎ手によって決められるアンカーボルトの絡みを考えると、正確に計画する事は至難の業である事がわかる。この現場ではきっちり考えてあるが、この一番下の写真のアンカーボルト一本だけが惜しい。(耐力的に影響は少ない部分なので、OKと私は考える。)

※準工事監理とは、法律的に工事監理者でない監理ということ。


べた基礎についての考察 シングルORダブル配筋

2008 05 023赤字加筆

今回のブログは少々専門家でないと難しい話である。しかしちょっと勉強されている建て主さんなら、なんとなくわかると思う。

過去にベタ基礎のHPのコラムやブログで話題を何度となく(2008.03.07)取り上げてきているが、最近の当事務所が行うプランで比較的最大区画(基礎立ち上がりで囲まれる区画)が3.64×4.55mの所謂和室8帖の基礎の詳細な構造計算をした。
詳しい内容の前に、基礎のコンクリートの考え方は、左の図のとおりである。基礎の平らになっているところをスラブというが、このスラブは板状である。このスラブ周囲に力を掛けると、下図のようにたわむ。凸の方には引っ張り力が、凹の方は縮もうとする力が働く(左図の鉄筋コンクリートの基本を参照)。コンクリートは引っ張りに大変弱いので、その部分の補強に鉄筋を入れる。これで鉄筋コンクリート造のスラブになる(左図の配筋の考え方参照)。
さて、屋根の出45cmという比較的屋根の軽い家(家の重さが重要)で、シングル配筋のベタ基礎のスラブ厚18cm、鉄筋D13@150とした場合、3.64m以上のスパンの基礎でNGとなる確立が高い。この仕様は、ちょっと丁寧な仕事をする工務店さんなら比較的多く使われている仕様である。このシングルベタ基礎配筋では、下の地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとしている工務店さんがほとんどだろう。6cmというのは、既製品でピンコロと呼ばれる4×5×6cmの立方体で鉄筋をかぶり厚を固定するもの。その最大辺寸法が6cmを使うので一般的に6cmとなる。しかし、もしかしたら8cmくらいで行っている優良施工店ももあるかも知れない。なぜ8cmが優良なのか?というのは、ベタ基礎の水平部分スラブにかかる力は、下図のとおり中央部と端部に大きな力がかかるためここで配筋を決める。但し固定端部が多い場合は端部で決まる事が多い。この場合は6cmのほうが有利。結局計算で確かめるには変わりない)この中央部には地面からの反発力がかかり上にたわむ力が働く。よって計算する断面は、スラブ厚さC:18cmの時、下のコンクリート端部(地面の方)から鉄筋までの距離が抵抗する断面となる。よって鉄筋の位置が上にあるほど抵抗する力が大きくなる。もしの地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとすると、鉄筋までの距離は多めに見ても8cmしかない。ところがもし地面(捨てコン)からのかぶり厚を8cmとすると、鉄筋までの距離は10cmになる。この寸法はそのまま強さになるので単純にかぶり厚を8cmにするだけで約1割スラブが強くなる。この1割で許容範囲内に納まる事が多い。また、もうひとつの理由は、下の地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとすると、コンクリート表面までの距離が9.4cmと大きくなり、コンクリート表面にひび割れがしやすくなる事も考えられるから。また中央以外に端部に大きな力がかかる場合もある。この場合は逆に地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとしているほうが強い。このように主たる鉄筋の位置は場所によって違うほうがよい。だからダブル配筋のほうがわかりやすいのであるが、詳細に計算すれば、シングル配筋でも大丈夫。但し「詳細に計算すれば」という条件である。いずれにしても意外と新潟県では雪の荷重で大きな力がかかるので、やはり「財団法人 住宅保証機構」の仕様書に記載されているとおり3mをこえる短辺を持つ基礎区画は、構造計算しなければならない。

 

 

上図でAとBが大きくなるほど耐力が上がるので、ダブル配筋のほうが同じスラブ厚Cなら耐力が高くなる。


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