多分これが最後のスラブヒーター 新潟の自然素材の家から 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

基礎工事途中の風景です。毎度同じみの1m高基礎施工
この基礎屋さんは当事務所と12年以上もお付き合いのある業者さんで、ご覧の通り高基礎用の鋼製パネルもお持ちで、これとコンパネ(ベニヤ)による型枠をうまく組み合わせ、一発打ちべた基礎の高基礎仕様をいとも簡単に施工します。勿論コンクリート強度は30N/mm2ですね。高基礎をお願いすると、この大きい鋼製型枠がないと言う事で「できない」「意味ないよ」と断る業者さんもいらっしゃるとか・・・。でも型枠や組み方はどうにでも工夫はできますし、工夫してコストを下げるのが本当の施工のプロです。

さて床下暖房の一つ「スラブヒーター」と呼ばれる方式は、この写真のようにコンクリートスラブにニクロム線のようなヒーターを入れ、深夜電力を使ってジュール熱でコンクリートに蓄熱させ、その温度はコンクリート表面で40度くらいになります。

オーブルデザインでも過去数棟行っており(全て建て主さんのご要望)、その安定性は折り紙付きです。メーカー曰く「中越沖地震でも柏崎に設置された全棟で被害無し(断線無し)」だそうで、耐久性の高さも手伝って新潟県でも数多く採用されております。当事務所で計画した家も無傷でした。

しかし「これが最後」と表題にしたのは、この熱源であるニクロム線によるジュール熱の効率が非常に悪いからです。電気料金は深夜割引制度で安価ですが、今後低炭素社会推進を考えると必ず収束に向かうのではないかと思われます。それはこれと同じシステムのオール電化人気暖房商品であった「蓄熱暖房機」もすでに東北電力さんはお勧めしておりません。

数年前までは、何が何でも「蓄熱暖房機」によるオール電化をお勧めします。と営業活動されていた東北電力さんが、今ではエアコン暖房によるオール電化を勧めており、蓄熱暖房機はもう勧めていないばかりか、「もう使わないで」という感触です。
たった数年でこの変化が訪れてますので、同じように効率が改善できない灯油、ガスの熱源機器やシステムは少なくなるでしょう。

ここから蓄熱暖房機と同じシステムのスラブヒーターも今後大きく普及しないばかりか、収束に向かうと思います。と書くとスラブヒーターのメーカーさんにとっても悪い表現ですが、そこは大きな企業。既にニクロム線による発熱に変わりヒートポンプ(つまりエアコン)による発熱を開発、販売しはじめたと聞いてます。

オーブルデザインでも高基礎+エアコンによる床下暖房をお勧めしているので多分今後このスラブヒーターはなくなると思います。これも低炭素社会の流れですね。

因みに何度もこのブログでお伝えしてますが効率は・・・

ヒートポンプ(エアコン)
年間平均機器COP4位 電気の一時エネルギーからの効率37%
4×0.37=1.52←最終効率

ヒーター(ニクロム線)
機器効率1 電気の一時エネルギーから効率38%
1×0.38=0.38←最終効率

ガス、石油機器(高効率機器仕様)
機器効率0.95 一時エネルギーからの効率100%
0.860.95×1=0.95←最終効率

ですので機器の最終効率は
ヒートポンプ(エアコン)>ガス、石油>電気ヒーター類(IHコンロも含む)

となるのです。IHヒーター、電子レンジもヒーターと同じですよ。

電気の一時エネルギーからの効率とは、
火力発電がガスや重油から0.43程度の効率で電気に変換、その後発電所から家庭までの配電で約5%のロスをし約38%とされている。発電所ではガスや重油の全エネルギーのうち57%のエネルギーを熱として海に捨てているのである。知っていましたか?それでもガソリン車の効率15%よりは数倍も良いのですが・・・。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする