「 2009年12月02日 」一覧

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超断熱の家  気密測定の結果

CO2対策で力を入れているヨーロッパでは
「住宅「CO2ゼロ」義務付け EU全域でエコ証明書」という記事が日経にありました。詳細はわかりませんが、とにかく世界的に超断熱のエコ住宅の気運の高まりがあります。そんな中、

新潟市で現在施工中の「超断熱」の長期優良住宅で、今朝「中間気密測定」がありました。

結果は隙間相当面積C値=0.17cm2/m2となり
期待通りでした。

今回施工して頂いている「仲村建設」さんでのこの2年間の平均数値(中間値)は0.2cm2/m2以下です。
それも充填断熱工法、外貼り断熱工法関係なく0.1cm2/m2を2度も出している会社です。たいした気密の精度です。

ここで補足すると、所謂高断熱高気密住宅において、北海道は法律で気密性能が2.0cm2/m2以下と定められております。新潟は特にありませんが、高断熱高気密住宅ですと説明する大手ハウスメーカーのカタログでは5cm2/m2以下です。そのハウスメーカーと比べ30倍!!もよい異常なくらい高い数値です。

そこまで必要か?と言えば
「必ず必要です←きっぱり

さて、中間気密測定は、完成時気密測定の1ヶ月前くらいに行う気密性の検査です。この中間段階で測って建築本体の気密性を把握します。ここでの事務所目標はSSプランで0.3cm2/m2、Sプランで0.8cm2/m2としてます。

その後完成時に測ると大体0.1~0.2cm2/m2くらい性能が落ちます。原因は、エアコンのドレイン、そして最近はエアコンのごみ排気管、室内と外部を貫通するダクトや配管と換気扇機器の隙間です。特にエアコンのドレイン管と排気管は塞ぐ事が構造上できないので、頭の痛いところです。
建て主さんの許可があれば、室内排気放出及びドレンはトラップで処理することで、気密性のUPは可能ですが、そこまで必要かどうか?考えるところです。

世界的有名な超エコのドイツのパッシブハウスの完成時の気密性は0.5回/50パスカル時ですから、日本の気密性能に直すと約0.25~0.3cm2/m2位です。これは大変厳しい数値で、事務所内でも直ぐに基準をここまですることは考えにくいです。つまりコンスタントに0.1cm2/m2以下に中間気密性能を維持するという超厳しい基準です。勿論、エアコンのドレインなどはトラップ処理が必要です。
私自身も気密測定士の免許は18年くらい前に所得しており(現在更新せず失効)、その頃50棟以上自分で測定してました。このとき気密性が出ない場合の修繕は並大抵のことではと心得ていますので、お約束となるともう少し実績が必要です。

PS
20年前の当時で200万もする気密測定器(写真上)でしたが、今は50万位ではないでしょうか?そんな機械で測定します。測定者は(財)IBECの気密測定士の免許を持ったものが行う事が普通で、無免許では問題あります。よく第三者であるピコイさんに依頼して行ってます。今回は違いますが、施工した社内での気密測定検査は、やはり測定者の手心が働くので必ず当事務所が立ち会います。気密性能を表すC値(隙間相当面積)は、ちょっとした条件を変えることで優位に算定可能ですから注意が必要です。ここはQ値計算と同じくインチキがないようにしなければいけませんね。