今日事務所に上野住宅建材のYさんがお見えになりました。その時持参したのが上のコピー写真です。これは何をしているかと・・・
「無垢材の床の表面を削りウレタン塗装しているところです」
ウレタン塗装と言えば・・・最先端の化学人工塗料です。なぜ・・・あの高級自然素材床の販売店である上野さんが・・・
実は上野住宅建材さんはこのリフォーム事業を始められたと言うことでPRにいらっしゃいました。なぜこの事業を始めたかというと
自然素材で無垢材の床を貼って10年未満で表面が劣化したり、汚れが蓄積したりして表面をリフォームしなければならない家が増えてきたからとの事です。
「えっ」表面が劣化・・・
そうなんです。使い方に多少の差があるけれど無垢材の表面が劣化してトゲトゲしたり、汚れが蓄積して耐えられないような状況にある自然素材の床が今大変多いとのことです。
当事務所「緑の家」ではほぼ100%自然素材の無垢の床ですが、既に12年経過しているにもかかわらず一件もこのようなお話は聞いておりません。しかし巷の自然素材の家では最近多いとのことです。その原因は
1.表面に塗った自然素材系ワックスオイル
2.床暖房による無垢材の過乾燥
4.上の複合的なこと
だそうです。
特に1.3.は当事務所で再三申し上げております。
無垢材で針葉樹の木を使う時は
「無塗装で!!」
そして、針葉樹のような柔らかい木の時は、
「裸足(靴下含)で!!」
そうすれば無垢材表面が荒れることはないと・・・
3.の裸足の使用は皆さんご理解頂けるのですが、1.の無塗装については殆ど人が「ワックスオイル」を塗った方が劣化が少ないと考えています。最初の一年はそのとおりですが、長い目で考えると(10年)、ワックスオイル塗った木は、表面のワックスオイルが所々剥がれ、その荒れ自体で表面があれたようになりますし、ワックスが剥がれたところだけに汚れが付着しとても汚く見えます(経験済)。が、無塗装の床は時が経てば経つほど表面の自然に形成される膜が厚くなり一体化し艶々になります。
ワックスオイル塗で一番問題な事は、ワックスオイルでよくメンテナンスする人ほど月日と共に汚れが酷く目立つ事。ワックス成分は常温で固形(蜜蝋を始めとする)、そのワックスがとれた部分に汚れが染みこむ。これは使ってみて初めてわかるはずです。
「ほら言ったとおりでしょう」
8年経過した無塗装のヒノキの床。美しい艶で光り輝く「緑の家」の床。何も塗らないでヒノキ自身と足の脂を信用すること。
さて無垢材床ブームからそろそろ10年。無塗装の床とワックスオイルを塗ってしまった床に明らかに差が出てきます。ワックスオイルを塗ってしまった床の何割かは、このような表面劣化に困っているとのことです。そこで上野住宅建材さんは、この事業を立ち上げたそうです。上野住宅建材さんは、25年前に国内ではR2000(高気密高断熱)の家をいち早く造ったところとして全国的にその道の人には大変有名な老舗です。またその頃より無垢材床も積極的に進めてきた由緒正しい自然素材販売の業者さんです。そこがこの事業を始めたと言うことは、需要があると見込んだのでしょう。
そしてこの事業をしていて得た結論は
「ワックスオイルの床が10年で全面リフォームが必要だとしたら、かえってウレタン塗装の方が無垢材に合うのではないか?この事業を真剣に考えてみて無垢床材の見方が変わった。ワックスオイルよウレタン塗装がよいのではないかと。確かに欧州ではウレタン塗装の無垢材の需要がある。」
とのことです。また
「針葉樹系の床ならワックスオイルを塗るより無塗装の方が良いといえる。ただまだ無塗装をお勧めしたことがないのでオーブルさんのように自信はないが・・・」
ともおっしゃっていました。また一人、無塗装信者が増えそうな予感です。
さて、もし無垢材の床の劣化に困っていたなら上野住宅建材さんにご相談してください。このブログを見てたよと言って頂ければきっと価格もサービスして頂けると思います。
こちらは上野住宅建材さんの床表面リフォーム風景。この写真は学校の床です。ヨーロッパ製の専用サンダーで研磨後オイルフィニッシュ(カバという広葉樹なので)をしているところ。