連日の報道のとおりNZの地震で起きた悲惨なことはとても心が痛みます。
地震が悪いのではありません。この地震に耐えることのできない物を作った、また放置している「私達、人」に問題があるのでしょう。 天災というだけでは片付けられません。
このブログでは何時も最も重要なの家の要素は「耐震性」といつもいつも申し上げております。年々建物耐震性は見直されておりますが、せめてその建物が建築された時期の法律を楽々クリヤーする(耐震等級2以上や長期優良住宅)家造りが、我々建築士の責務です。
特に一戸建て住宅では4号特例を良いことに「構造の安全性」を軽視し、建て主さんにその構造の安全を確認した「書類」すら渡していない会社のなんと多い事でしょう。
皆さんの手元にそのお住まいの建物の安全性を建築士が作成、確認した書類ありますか?
半分以上の建て主さんが持っていないという不思議さ・・・。
たった壁量計算など数枚の書類さえ渡さない会社の不誠実さ・・・。
今回のNZの地震を見る度そう思います。
TV映像では悲惨な倒壊現場のみ映し出されますが、良く目をこらして見てください。倒壊した建物の隣にはガラス一枚割れていない建物もあります。それをどう感じますか?
これは中越沖地震でもありました。報道はどうしても悲惨な状況を伝えるため、倒壊場所や一番悲惨な所だけを映しますが、何もなくたっている建物が大変多いのです。
壊れた建物の殆どが何かしら構造的欠陥を持っていたのでしょうし、無理に高層化した建物なのでしょう。また必要なメンテナンスをほっといたのでしょう。
今日の業界情報誌には「地震国 日本に全面ガラス張りの高層建築は不用」とありました。これには頷きます。建物の一番大事な物は「安全性」につきます。その建物の下を歩いている歩行者にも安全性を約束しなければなりません。特に都市部で見かける歩道すれすれに建つ10階建位の全面ガラスの建物。法律に基づいた構造計算で確認しているから大丈夫とい設計者は言うでしょうが、過去にも大丈夫という建物のガラスが落下した事故は沢山あります。建物は年々傷んで行きますし、人は間違いをしますから・・・。
この記事には考えさせられます。↓
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20110224/545987/