2011年7月3日緑字加筆
この図は去年の8月にこのブログで載せた図です。
超高断熱住宅における24時間空調を前提とした相対湿度を下げ、経済的なエアコンの使い方の結論です(現在のエアコンのシステム上)。
結論から・・・
除湿は、エアコンの冷房運転(定格付近)で行う事が一番良い方法です。効率(経済性)を考えるなら除湿器やそれに近い機能は必要無いでしょう。
理由は昨年夏連載のの当ブログを見ていただければわかりますが、
もう一度おさらいでこのブログで書きます。
現在の販売されている☆☆☆☆☆の高効率のエアコンはインバーターが搭載され、圧縮機のモーターの回転数を自由に変えられる事は周知のとおりです。
先ずはコチラの論文をじっくりお読みください。
さて最近の論文でも、エアコンの負荷率(実出力÷定格出力)が低くなると冷媒の温度が綺麗に上がる事が発表されているし、私の5年前の論文、実測でも同じ結果です。部分負荷率とはエアコンを効率良く使うために絶対知らなければならない特性です。
最近のエアコンは負荷率が下がると冷媒温度は上がり除湿しないで冷房になってしまう。定格運転に近ければ冷媒温度は14度で充分除湿可能。
また先の論文の中にエアコンによる再加熱除湿の効率は普通に冷房した場合の効率より倍以上悪くなると論じられてます。まあそのとおりですね。本来は外に捨てる熱の約1/3を室内に入れるのですから再加熱除湿のCOPは良くて2~3です。吸湿材(デシカント式)を使った除湿器でも構造は再加熱除湿と同じなので効率は1~3くらいです。それに対し冷房での除湿はCOP6を超えます。
しかし残念な事に夜間などの冷房運転は足下が寒くなり、結果冷房を止めてしまう事が最大の欠点です。
そこで「緑の家」の提案は・・・
この図のように負荷の一番高い所(吹き抜け上部)にエアコンを設置し、且つ一台運転する事でで負荷率を上げ、冷媒温度を下げ除湿をたっぷりしながら運転するのです。各個室部屋はエアコンを運転せず、特別に設置した循環ファンだけを設置します。この循環ファンは消費電力3w以下ですので経済性も抜群です。これは緑の家オリジナル発想です。
超高断熱の家は夜間(外気28度)の負荷は大きく下がります↓。
ここに大型TVをONすると約1400Wの冷負荷ですからちょうど6帖用のエアコンの負荷率0.7で予想冷媒温度17~18度位。と言うことは12g/kgの露点です。となるとこの空気は27度で相対湿度54%ですからとても快適でしょう。私はこのように24時間空調した時には換気はできる限り0.5回/h以下(法では居室は0.5回/h)に抑えた方が良いと考えます(夏の外気は温度より潜熱負荷が大きい)。
事務所は低断熱中気密の建物ですが、この特性を利用し45帖ワンルームの空間を10帖用エアコンで負荷率100%以上にする事で、室温27度湿度50%位にできます↓。
楕円のピンク丸は日中負荷があがりエアコンの負荷率が100%を超えた時の環境です。吹き出し温度は10℃以下になり27度を維持して湿度だけが見事に下がります。運転モードは冷房です。ベージュの楕円は夜間熱負荷が下がった時に再加熱運転をした場合の環境データーです。この時クランプメーターで消費電力はかるとCOPが2くらいの大きな電流が流れてます。
さてこのように整理が付くと・・・
効率良くエアコンを使えば全熱交換換気扇があえて必要無いともいえると思います。上のように事務所でさえ中気密で熱交換換気扇がないのに理想的な温湿度帯が得られる時があります。さて・・・裏付けは今年の夏に連載したいと思います。
PS
自宅は・・・エアコン位置と台数が悪く、部分負荷率が上がらず事務所より湿度が下がらない傾向でした。結果電気代はとても安いですが(部分負荷率が50%ならCOPは8を超えますから)。
最近の機種は運転制御が変わり最低出力時でも冷媒温度を下げる機種があります。2011年7月加筆
コメント
NHKのHPを見ました。
都市部では隣地敷地と近いので、ショートサーキットするのですね。きっと・・・。
以前論文を書く時に行った実測では、室外機の吹き出し先に60cmくらいの空きと、その場所の通風が取れていればあまり変わらなかったと記憶しておりますので、多分ショートサーキット量が大きかったのではと想像します。
PS
拙宅のエアコンは何時ものように潮風でやられ、5年目で交換を繰り返してます。既に今度で4代目ですが、今年はエコポイントでエアコンが売れてしまって在庫が少なく、売価がとても高めで推移してます。 ○| ̄|_
5月31日(火)の朝の番組で
「スゴ技Q 楽々カンタン! マイナス15パーセントの節電術」
というタイトルで放送していましたが、実験に協力していただいた
ご家庭では20パーセント減の効果が出た様子です。この番組
のホームページもあり方法と注意事項も出ていました。
ただ、20パーセント上げるにはもともと、の設置状態で、排気と
吸気がうまく循環しており、効率が最悪だったのかもしれません。
斜め置きすると排気と吸気が循環しなくなり効率が上がるらしいです。もともと風通しがよい所ではどのくらい上がるか興味がありますね。
浴室乾燥扇風機(ふつうのボックス型扇風機2980円)は我が家では今でも風呂上がりに動かしています。空気が動くと換気扇だけより早く風呂場が乾燥します。ただし冬場と違い風呂場の換気扇は回し、風呂場からの扇風機の風の逆噴射を最小限に抑える角度で扇風機を回しています。今の外気の状態だと風呂場の換気扇は常にONで積極的に新鮮な外気を取り入れています。
いや~また去年のように暑くなるのでしょうか・・・汗”’
NHKを見ていないので教えて頂きたいのですが、斜めとは室外機を斜めに置くのでしょうか?仮に斜めに置いた場合なぜ20%も効率が上がるのでしょうか?(もしかしてショートサーキット?)
エコキュート室外機の冷風をエアコンの室外機に導くというのは凄く無駄のない方法だと思います。夏はこれでOK、冬の場合は位置を変えるか、仕切り板を設ければOKですね。なるほどと思います。3台の室外機を組み合わせて
エアコン→エコキュート→エアコン
では最強かも・・・。
PS
以前ご紹介頂いたPORUKO式冬期お風呂乾燥扇風機は、今年の計画建物で採用しております。効果が楽しみです。
今年も冷房の季節がやってまいりましたね。部屋の温度はともかく湿度に参って毎年エアコンを使い始めます。
ところでNHKの朝の番組でエアコンを斜めにおくと20パーセントも消費電力が減ると言っていましたが。これが本当ならすごいことになりませんかね。ぜひ実験したいと思います。
そしてぜひやってみたいこと(資金の関係でできませんが、)
エコキュートの室外機の冷たい排気をエアコンの室外機に導き、
電気代節約作戦。(斜め置きだけで20パーセント電気代節約
なのだからこれはかなりいけそうな予感。)
建物に対して室外機を従来の平行位置ではなく、直角方向にエアコンとエコキュートの室外機を並べておけば、どうでしょうか。