氷点下のエアコン暖房 

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あえて長い表です。

40時間ほど氷点下の続く、そして雪の降る三条の事務所ですが、エアコンによる24時間暖房で室温20~21度で仕事をしております。

ブログの訪問者さんの検索キーワードが「エアコン 暖房 寒冷地」のワードが多くなっていますが、事務所のエアコンは殆ど故障知らずで一年のうち10ヶ月くらいを12年くらい平気で運転しています。

2004年~2006年に新潟大学研究室による北陸11件の家で行った家庭用エアコンのCOP実測調査のデータ。

上の図は、もう8年くらい前に行った家庭用エアコンの実測COP調査です。これが建築学会で発表されたときには衝撃を与え、エアコンのAPF表示が規定されるきっかけの一つになりました。つまり暖房時の実COPは2くらいの運転から5くらいに運転まであり、それらが全てカタログのCOP表示より大幅に下回っていたからです。一方冷房はカタログCOPより大幅に上回り10を超える運転をしていることがわかります。

事務所のエアコン状態をここから推測すると、こんな気候ですから数年前購入したエアコンの実運転時のCOPは多分3.5以上です。これは数年間に調査し、解析しましたから間違いのないところです。但しエアコンの部分負荷率※1を1以下に抑え、且つ室外機に雪や雨水があたらないようにした場合は更に良くなります。高断熱住宅でも絶対に無理にエアコン1台で暖房せず、数台で分散暖房する事が肝心です。事務所も6帖用エアコンをあえて4台設置し、40帖くらいのワンルームを暖めております。断熱材が施工されていないに近いこの事務所の暖房費が24時間で3万前後(厳寒期)ですから、いかにエアコンが効率よく動いているかわかりますね。

とにかくこのように室外機に直接雪と解けた水を掛けないようにすればCOPは良くなる。

定格暖房出力以下※2でこの写真ように運転すればCOPは厳寒期でも4を超えます。逆にこれを守らないと、COPは限りなく2に近づきます。これではエアコンで暖房する意味がありません。

直接燃料を燃やした時に発生するエネルギーより低い効率で使うなら、電気灯油ストーブの方が良いと答える人もいるでしょう。その目安はエアコンの実COP2.5以上です(2.5×40%←発電効率=100)。

※1・・・部分負荷率とは定格(基準)暖房出力に対する暖房出力。例えば定格が2.5で暖房出力が3.5の場合は1.4となり、定格2.5に対し出力1の時は0.4となる。

※2・・・定格暖房出力とはカタログに記された暖房出力で、基準とか定格と記載された出力値。

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