現在リノベーションを行っているR2000+の窓周り納まり。庇のシャープな印象と木の外壁の柔らかい印象がよい
全ての開口部に高性能木製サッシを設置するR2000+では、耐久性と雨漏り対策としてオーブルデザインの予てからの宣言を全ての窓に生かします。この事は専門技術雑誌の「建築技術1月号」でもご紹介しました。
もともとのR2000では庇のない納まりが半分以上あったので、上の写真のように庇を考えない窓並びがあり、その所へ庇をデザインするのはなかなか大変ですが、時にはこのように大胆に当初から庇があった風にデザインします。
白い枠が高性能木製サッシ(アルミクラウド)。古いアルミクラウドとは違い、このアルミは表面に取付けてあるだけの化粧材。
とにかく木製サッシと庇は、人の目とまつげ(眉毛も含む)のような関係です。まつげがないと著しく目に負担がかかります。また、この奥まった取付け方法、下部の水切りは先回ご紹介したように小雨時の雨水対策です。更に、周囲の木枠は、窓の単品取り換えを可能にした納まりです。この辺りはオーブルデザインの「緑の家」のコンセプトを移植しました。
あっ・・・庇は巷で言っている日射遮蔽がメインではありません。このサッシには別にブラインドが内蔵されておりますし、西側ですから日射遮蔽として庇はあまり役にたちませんから。
庇は窓周りをを雨から守るためです。
まだ皿板上のみ設置するシーリングが終わっていないが、皿板は外壁から20mm出て水を切る。
外壁はレッドシダーのシッケンズ仕上げ。R2000のイメージ色の茶色の古い外壁材と合わせるため、無塗装ではありません。
自分で設計していて完成品を見た時「おおー」と思った。私は以前から無垢の中にはこのような「ソリッドな木」も同類と言っていた。その意味がこれを見ると一番わかりやすい。すばらしい木(3層パネル)であり、ソリッドである。
こちらは内部の家具アップ。良いでしょう。このカッテングと幾何学模様は、このR2000+の照明に使われている「フランクロイドライト」を少しだけイメージ合わせしたものです。
こんな感じの什器です。これはエアコンを納める家具です。
このR2000+は、床断熱なので床下暖房はできません。また床暖房も計画しておりません。改築前のR2000には床暖房が設置されていたのですが、殆ど使わなかったらしく、そうなら今回は無しにしようと決めました。しかし、南側の大窓が巾5m(2.5+2.5)高さ2mもあり、今設置されるサッシのU値が1.7w/m2k程度とあまり良くないので(半年後には1.2のものに交換予定)、コールドドラフトを打ち消すべく、エアコンを床置き設置にするためこの什器をデザインしました。
次に・・・当事務所は一応意匠系でもある証でピンポイントデザインに拘った部分です。
取っ手モックアップ。こちらは彫り込み45度で制作。ある程度きちっとカットできている。
こちらは30度で彫り込み制作。線が曲がっているがこれは試し彫り。デザインはこちらにしたい。
それは・・・今回の造り付け家具の中では一番職人泣かせ扉・・・。
何度も「これはできない、どうやって造るか・・・」と相談された彫り込み取っ手。
しかしなんとか加工できそうなお話があるお方から入り現在問い合わせ中(まだできない家具屋さんができる方に問い合わせていないらしいので今日催促しました)。
デザイン的には下の写真の「地層」の表情なのですが、大変難しいらしく上の写真のように「地層」が急になる角度ではどうか?と聞かれましたが、やはり下のデザインがよいので何とか加工方法を検討してほしいと・・・。さてどのようになるのかこうご期待。
家具設計図(取っ手詳細)
このように家具デザインは木の職人が普通なら一番嫌うこのような木口をだします。これは上野住宅建材さんオリジナルの「3層パネル」が可能にするデザインで、「設計者・故桜井氏」が上野住宅建材さんのご自宅でデザインされたコンセプトを受け継いだものです。
確かにこのパネルの積極的にデザインすればこのような使い方になります。これは以前もご紹介しております。この3層パネルを使わなければ不可能なデザインと言えるでしょう。
この3層パネル・・・今後のオーブルデザインの定番の一つとして、高基礎、床下暖房、無塗装、庇、窓枠そしてこの3層パネルになる予感がします。