R2000から・・・R2000+(プラス)へ その④ 庇

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気密性能の引き上げの前に「その③」から続きで自然素材の木の外壁の窓廻りについて考えたいと思います。外壁はレッドシダー、ベベルサイディング 塗装有りです。

まずこのピンク色の窓ですが、既に窓下の木をはがしております。

木製窓はアルミでクラッド(包まれた)された木製サッシで、窓枠の変化は少ないですが、窓と接する木の外壁下地(通気胴ぶち)がシロアリと腐朽菌でぼろぼろです。

外壁は高耐久性を誇るレッドシダー。下地は普通の松系のようです。外壁を打ち付けたユニクロームメッキ釘(鉄)は錆びてはいますが何とか外壁を維持しております。さすが米杉(レッドシダー)の外壁は全く問題なく、釘ももう5~10年くらいは大丈夫でしょうが、下地がやばいですね。

この原因は・・・木の下に防水紙がないことと、そして・・・

「庇」がないことでしょう。

その理由は・・・

こちらは先ほどの窓の左にある開口部。サッシ、ガラスなしです。庇はありませんが楕円上部のように屋根がしっかりかかっています。この状態で楕円下部分をアップすると

うっすら緑色の藻はありますがしっかりしています。藻は腐朽菌ではないので木を腐らせる事をしません。

少し屋根や庇があるだけで木の外壁の持ちは全然変わります。

論より証拠。ずいぶん前から申し上げてますが

木の外壁には必ず「屋根の出」が必要で

そして木製窓上には「庇」がよいのです。

これを無視して木製窓を取り付けている有名な建物も見かけますが、きっとこのような事になるでしょう。日本で木製窓を使う場合は「庇」は必須です。これは先人(の大工さん)が見事に教えてくれてます。日本の夏は亜熱帯と同じ気候になり、木は腐り易いのです。これは他の暖房を半年以上する先進国では見られない気候です。

過去と風土をしっかり学ぶことが天然素材、自然素材を上手に使う条件ですね。

今回のR2000+では、庇の付いていない箇所に庇を新たに設けます。これは③でお伝えしたように、個々のサッシ取り替え可能な納まりと、腐朽しにくさの2つ理由です。

条件の悪いところには「庇」が初めから計画されています。

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