新潟県における大地震の想定⑦ リノベーションの確認申請の「再」補足。

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ホントに自身でもタイムリーだと思うが、先回の「新潟県における大地震の想定⑥ リノベーションの確認申請の修正と補足。」をアップしたのが先日の2月15日であり、その記事をアップするにあたりその2日前の2月13日に確認検査機関に問い合わせて伺ったのが令和5年の3月31日に出された国住指595号が↓の内容であった。実はその時には既に595が廃止され355に改正されていた。

令和5年3月31日に発せられた国住指第595号の抜粋

令和6年の2月8日にこの国住指第595号が廃止になり、新たに下の国住指第355 号が通達された。

以前の595号と違い、外壁にまで言及しているので更に踏み込んだ内容となっている。

簡単にまとめると

・屋根葺き材のみのリフォーム、リノベであれば確認申請はいらない。

・部分的な外壁材のみのリフォーム、リノベであれば確認申請はいらない。

・野地板を過半以上取り替えたり、変更したりするとリフォーム、リノベでも確認申請は原則必要。

・外壁の構造的部材を半数以上変えたり追加したりするとリフォーム、リノベでも確認申請は原則必要。

・外壁材のみの改修でもその全てを改修するとリフォーム、リノベでも確認申請は原則必要。

・外壁の付加断熱を過半行なうとリフォーム、リノベでも確認申請は原則必要。

となる。但し個別に建築主事判断になることが予想される。

通気胴縁とタイベックまではOKだが、付加断熱するとアウトになると受け取れる。そもそも付加断熱で重量が増えるので2025年から壁面計算が変わるのだから当たり前か。

つまり・・・

古民家の簡易なリノベーションは実質ほぼ不可能になる。やるなら基礎再構築から行なう。つまり一度解体して再構築する感じである。オーブルデザインでは過去一度そのような改修(新築に該当)を行なっているが、新築以上のコストがかかっている。

殆どのケースでは古民家は住居としてリノベーションされるが、その際最も改修されやすい部分は

1.屋根の補修

2.外壁の全取り替え

3.付加断熱の設置

4.耐力壁の取り替えと追加

であるはず。

1の屋根の補修では殆ど古民家では野地板が腐ったりしており取り替えるのが定石である。野地板を過半数取り替えると確認申請が原則必要となる。

2の外壁の全取り替えは言うに及ばず、最も変えたくなる箇所であり、半分だけ変えるケースはほとんどなく全取り替えになるのでこれは厳しい。

3の付加断熱材では充填断熱では壁内部から可能であるが、付加断熱では内部から実質不可能。

4の耐力壁は過半数をいじらなければ良いのだが、古民家の耐力壁は元々が少ないため少し改修すれば過半数をこえ、はやり確認申請が必要となる。

確認申請が必要になれば、現法に則していなければならず、鉄筋コンクリートの基礎が必ず必要となる(限界耐力計算で適判を通過すれば伝統工法である石場建ても可能)。これでは殆どの古民家はアウトである。また古民家で省エネ法をクリアーして何の意味があるのか・・・。古民家に樹脂サッシは似合わないだろうから木製の断熱サッシになる。価格がどの程度なら見合うのか・・・。

つまるところ古民家を「暖かな住宅として」再生するのは実質不可能で、古民家とは言えないような築60年ほどの普通の古い民家も厳しい。築60年も経過していたなら、外壁を全て取り替えないと使えない様な民家しかないはず・・・。

では浅間はこの法改正を反対しているのかとというと、どちらかと言えば賛成である。リノベーションされた建物の多くは、耐震性に対し不安が残る様な補強だったり、その内容説明もいい加減であると考えている。リノベーション等の耐震改修は大きな地震が来たら倒壊は免れるかもしれないが、2度と使えないくらいの大損害(所謂全壊)を受ける前提で「耐震改修のマニュアル」は作られている事を、建て主さんに伝えているだろうか。

さてotomo vie centではこの法律が施行になる前に着手し、大きな改修部分を終えるつもりであるから心配していないが、このような基礎のない古い建物は、今後ほぼ壊されるだろう。古民家に興味がある方で、コストをかけられない方は今年中に決断しリノベに着手するしかない。

石場建ての古民家である築135年目になるotomo vie cent。

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