新潟県における大地震の想定⑧ 耐震化率の定義がおかしい

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題名変更しました。

国交省のHPから

新潟県での耐震化率は全国平均並みの令和2年で89%を超えたとのこと。えっホントに・・・そんなに耐震化率って高いの?。

最近目に付く「耐震化率」。耐震化率とはなんぞや?と思い検索すると上の国交省のHPにあるこれが耐震化率の定義らしい。

新潟県のHPから 目標の耐震化率。

調べると新潟県のHPで公開している内容ではやはりこの定義のようである。

実は耐震化率がやけに高いなと思い調べはじめるとそのような仕組みだったのかとわかって少し残念な感じ。それはもう一度国交省のHPの図で説明すると、

ピンク色の矢印が疑義があるところ。(B)は新耐震基準で建てられた昭和56年以降の木造住宅なら無条件に耐震化OKとしているところ。

歴史を振り返ると、昭和56年(1981年)に確かに木造住宅の壁面量は増えそれ以前に比べ耐震化は進んだとしよう。しかしその2年後の昭和59年(1983年)には4号特例が始り、木造住宅の構造的審査は行政では行なわれなくなった。これは昭和56年の耐震基準で増えた耐力壁の審査が大変だったことより、バブル時期に建築数が一気に増え審査が追いつかなくなったと考えている。しかしこの4号特例で行政の審査が行なわれないので、耐震性の疑義があってもフリーパスであり、バブルと相まって新耐震でしっかりした建築が行なわれたかが大変・・・疑わしい。

そしてこの新耐震基準の始った昭和56年(1981年)から平成12年(2000年)までの建物でも現在の常識と比べ致命的な欠点がある(ここはブラックゾーン)。それが耐力壁の接合部が規定されていなかったことと耐力壁バランスの具体的な基準がなかったこと。これは木造軸組工法では致命的な欠陥ともいえる。接合部は以前このブログで紹介しているとおり、木造軸組工法がピン構造であるから、このピンの強さに規定がないという今では考えられない事が平然と行なわれていたのである。当時接合部の規定としてお手本に出来たのが住宅金融公庫の標準仕様書くらいであり(木造3階建ては除く)、私もそのマニュアルに沿って金物を設置したが、平成12年(2000年以降)の接合部に比べれば全くナンセンスであり、2階建てにはホールダウン金物なんて一つもなかった時代である。そんな家まで耐震化完了(耐震性有)と言って良いのか?更に・・・もっと言えば現在では不動産売買時に説明義務(判例有)にまでなっているスクリューウエイト式などの地盤調査も行なっていない家が大多数であり当然建築時も行なっていない。これでは液状化で多くの被害があっても不思議ではない。

では平成12年(2000年)以降の建物なら耐震基準に合致しているかと言えば、これも大変疑わしい。4号特例のせいで接合部が基準通り設計、設置されているかという審査は皆無のため、それが原因でまだまだ正しい設計と施工は普及していなかったと私は記憶している(これはグレーゾーン)。それが変わったのが、長期優良住宅の認定と瑕疵担保保険が始った平成21年10月以降(2009年)から。特に瑕疵担保保険利用での保険会社の審査が行われる様になったので、急激に木造軸組工法の耐震性はあがり、この頃以降なら初めて無条件に耐震化された建物といってもよくなる。しかしこの瑕疵担保法が始まっていても、新潟県では積雪の割り増しは行なわれていないので、耐震性があるかと言えばノーといえる。一方長期優良住宅認定の建物だけはまず問題なく(ホワイトゾーン)、最低でも耐震等級2以上なので、その多くが構造計算の審査がされている建物となる(構造計算されていなくとも性能の壁量規定でも耐震等級2以上は取得出来る)。

つまり・・・

耐震化完了が無条件であると思われるのは昭和56年(1983年)後からではなく、その26年後の平成21年(2009年)以後の建物からである。そう考えると耐震診断の疑義もあり現在発表されている80%を超える耐震化率は50%未満と私は考えている。国の基準で行なっているため新潟県の耐震化89%越えは県の問題ではない。しかしなぜ国はそんなに木造住宅の耐震化率を上げたいのかがわからない。耐震診断の疑義については又機会を設けて説明したい。

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