今年度学会投稿論文の先取り情報
LED照明と冷蔵庫の経済性 ②

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その①の続き。
この論文の目的は上の記載となる。省エネと呼ばれ、コスト据え置きで生活の質を上げる機器には諸手を挙げて賛成であるが、そのコストとは「ライフサイクルコスト」だと考える。

まず建築学会の大会の前にこのような貴重な梗概論文を頂いたことを赤林先生に深く感謝いたします。

まず・・・

仮定条件は重要でLED照明器具の交換サイクルを5年としているところにまず賛同するかどうかになる。

私は自身でLED電球を9年くらい前からつかっているが、この5年で交換ということは現時点で賛同できる。

LED発売当初は4万時間の寿命があるLED素子とのふれこみで売られていた電球である。市場の価格も白熱灯40w球が当時1000時間の寿命で100円だったので、その40倍点灯可能?な40000時間の点灯するLED電球は40倍の4000円だった。

ところがである・・・大手メーカーのLED電球でも5年で故障?寿命?との経験をしており、その①についたコメントにもあるとおり、キャパシタ(コンデンサー)の寿命がLED電球の寿命とわかったいま、安価な取り替え型LED電球(市場価格500円から1000円)では5年ごとの交換で同意できる。

一方最大手パナソニックさんはLED電球の保証は2016年から5年保証が受けられる。

しかしそのHPには

※3:24時間連続使用など1日20時間以上の長時間使用の場合、保証期間が半分となります。

これを計算すると18250時間まで保証となっており、40000時間には到底及ばないところが大変残念。よって市場価格も白熱電球の18倍ほどの2000円/個と如何にもといった市場価となっている。

図1には実際のランニングコストの比較があり、定格消費電力の差(196/1360=0.14倍)も大きくないことがわかる。約半分程度の消費電力であり電力料金である。

これは私の生活から想定すると、LED電球はカタログ表記のような明るさ実態ではなく、指定方向への照度(指向性)は満足するが、間接照明のような使い方になると思ったほど明るく感じないので、白熱球より多くの照明器具をつかっているのではないかと思われる。

殆ど人は経済性を気にしてLEDに買い換えるだろうが、その経済性の指標となるライフサイクルコストを比較するとその①で紹介したとおり・・・

24年でようやく白熱灯と同じくなる。

これらの事は当初からわかっていたこと。

ではなぜ・・・LED電球にするのか?

それは・・・

① 多くの人はちょっと騙されてもよしとし、消費を楽しむところがある。

② 大きな消費であってもその瞬間のだけで時間が経つと忘れる。よって日々のコストが安ければ心が穏やかになる。

ではないか。

①は・・・消費行為はどんな人でも好きなはず。よってある理由を自分で作り納得すれば少しくらい誇張のされた広告によって騙されて購入してもよいと思う。

②は・・・太陽光発電パネルも同じ。ソーラーパネル設置し一度に電気料金を200万先払いしても日々の電気料金が0円だとそれだけでうれしい・・・という感情を持つ人が多い。これとLED電球は同じで、先に白熱灯の40倍のLED電球を買っても、その購入金額を忘れてしまい、月々の電気代が安いこと喜ぶ・・・。と私は考える。

とどのつまり・・・

待機電力削減などを除き省エネ機器と呼ばれる商品で実際もそのような機器は・・・ほぼないのかも・・・。

ヒートポンプ暖房でもライフサイクルコストは、灯油を使ったFFストーブよりここ20年くらいは優位にあるが(北海道を除く)、原油価格がさがれば(下がる事があれば)直ぐに逆転するだろう。これはハイブリッド自動車にもあてはまる。ガソリン価格が90円/Lを切れば間違いなくガソリン車が優位である。ライフサイクルコスト指標とは違う「思惑」で物事が推進されることが多い。

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