北陸地方のデータ-。全国データ-でも若干差はあるが、暖房と給湯のエネルギー消費は全体の2/3を占める。特に暖房は給湯に比べ半年しか使う期間がないのに・・・。
このグラフは当HPでも2005年にこちらの「オーブルデザインからの提言「家造りは冬を旨とすし」」で紹介しております。
なぜこの古い話題が今日のブログになるかというと・・・
今日お会いした魅力ある女性たちの会話のなかで・・・
「性能の良い家は夏の暑さが問題になるのでその解決が重要」との話題があり、
「なるほど・・・そうか」
と感じ、再びのせることにしました。
人は恒温動物(体温を気候とは関係なく維持する動物)なので、36度(実際は体表温度の30度付近)から離れた外気温になるほど辛い生き物です。また、体の70~80%が水でできているので、氷点下以下が続くとは生死の問題になります(水が凍り飲めない→死)。
だから大昔から暖房する事や「暖」を取るためのエネルギー消費には、多くのコストがかかっても目をつぶる事があります。一方、暑いときは海や川につかるくらいしか積極的な対応がなく、戦後20年たったころからようやく冷房できる機器が販売された比較的新しい生活方法だったのです。
えーと、再び上のグラフを見て頂くと、
冷房のエネルギー消費は3%です。これは暖房の1/10・・・。
拙宅みたいに2ヶ月間も24時間冷房しっぱなし家でも暖房の1/5以下のエネルギーしか使っておりません。ここで・・・
新潟市の熱帯夜 新潟気象台資料より
拙宅の家は海の真ん前で、風を遮るものは全くないので、窓を開ければどのお宅より風の通りは良いはずです。しかしなぜ24時間2ヶ月も冷房するのか・・・つまり夏の7月から8月は一度も窓をあけません。
答えは簡単で、エアコンによる空調の方がとても快適にすごせるから・・・。
これは、エアコン有り無しで比較して住んだ住人3人が口を揃えて断言します。妻は冷房は好きではないのですが、高気密高断熱で日射を簾できっちりと防いだ家は、6帖用のエアコン1台で家中の冷房除湿が可能です。この冷房除湿が重要で、温度は27度湿度が60%くらい・・・。高い温度と低い湿度の空調は最高に気持ちよいです。高温低湿度冷房なので所謂冷房病とは皆無です。
実際のデータでも、新潟県は海岸線から30KM以内の都市が多く、この地域では夏の朝でも温度と共に湿度が下がらないのです。真夏の熱帯夜の日数を見れば一目ですが、最近では15日前後もあります。熱帯夜に近い24度付近も入れると一年で20日を超えると事になります。
新潟市の熱帯夜の増加傾向 新潟気象台資料より
熱帯夜では窓を開けても殆ど快適な風は吹き込んできません。そこで冷房除湿となります。この辺りはこの日のブログで詳しくわかり易くご紹介しております。
あっ・・・決して通風を否定しているのではなく、現生活の家の構造で夏の不快を和らげる事はできません。昔と違い家の中では待機電力と言われる熱源(冷蔵庫、ネットルーター、携帯充電器、PC等で400W)があり、冷房機のない時代より格段の多い発熱量を家のなかで発生しております。また家の外では上の図が示すとおり、都市化が進み、ヒートアイランド現象はこれからも進むでしょう。その時都市部ではお隣のエアコン室外機の熱風で更に熱帯夜が加熱され続く事になります。
野中の一軒家ならまだ通風で心地よい可能性がありますが、拙宅のような海の真ん前でも熱帯時の風はどんなに海風であろうと不快です。だから海の家(浜茶屋)でもエアコンが設置されています。
昔みたいに仕事でもネクタイは締めない、多少汗臭くても当たり前が普通だった頃は、寝汗を沢山かいても誰にも気兼ねなく仕事が可能です。しかし今の綺麗すぎる生活ではなかなか社会に望まれません。ですので冷房が簡単に且つ除湿優先でできる高気密は必須の性能となります。
そして、日射を家に入れない、これがその条件です。今のコンクリートで固められた床下から冷たい風は決して入ってきませんから・・・。なぜかはこちらをご覧ください。
又こちらのデータもどうぞ。
冬に夏の話題ですみませんでした。
コメント
kotaro様
いつもコメントありがとうございます。
今日の新潟県は「雪」でいまはちょっとだけ吹雪ました。
ですので夏の話題はどうかなと思ったおりましたが、結構夏暑いことに悩んでいる方が多いことに今日も気づきました。
今日の同業者の意見交換の話題にも「冬は良いけれど夏の暑さがね・・・」とおっしゃっている方がおり、私としてはとても不思議な感じです。
夏、24時間2ヶ月家中快適冷房除湿しても冬の電気代の1/5にかならないので、やはり新潟では冬の事が一番重要です。夏は日射を入れない工夫をすれば、後は24時間家中冷房をする勇気だけです。思っているほど冷房代はかからず、且つ快適に過ごすことが可能ですから・・・。
>2010年4月12日近辺の記事は
実はこの記事は自分言うのもおかしいことですが、民家の涼しさをよくとらえた図であると思っております。評価頂きいつも感謝です。
夏の暑さと湿気には昨年の夏に悩まされました。今年の夏もまた同じ問題に悩まされると思います。節電を実行するために、日射遮蔽を今年は徹底する計画です。2010年4月12日近辺の記事は見落としていたようで頭に残っていませんでした。あらためて復習させていただきました。