2017年 建築学会の論文梗概集5 
様々なエアコンのCOP特性

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こちらは昨日の「エアコンの省エネ性表示の崩壊か」の前にご紹介すべき論文で、

「家庭用エアコンを対象とした実使用時のCOPに着目した最適機種選定方法に関する研究

その8 ME社製家庭用エアコンのCOPマトリクス測定結果」
・・・先回と同じ赤林ラボの論文です。

冷房時エアコン①と②は外気温が変化してもCOPのピークは変化無し。一方③と④は外気温が上がるとCOPが下がる傾向がある。
しかし最近のピークは2つか?これが標準になるのかな?
一方暖房時には外気温によってCOPのピーク特性が変わらない。

上の図はME社のエアコンの実測におけるCOP測定の結果です。

4台のエアコンで冷房時と暖房時の外気温と出力をパラメーターとしてCOPを実測しそれを表しているのが上の図です。

エアコン④を除くと2年前にびっくりした冷房時にはCOPの山が2つ(効率が高くなる部分)あり、定格冷房の半分付近が一番COPがよくなり、そして・・・

定格以上の最大能力に近い部分で再びCOPが良くなります。

これは・・・何をするとこうなるのでしょうか。

一方暖房では6畳用であるエアコン①と8帖用であるエアコン②は定格の半分で、14帖エアコンの③は定格の2/3辺りのところが高効率ピークになります。18帖用のエアコン④は暖房出力の半分程度で高効率のピークとなります。これは従来から私がずーっと同じ事を発信しておりますね。

暖房時のCOP推移は従来通りですが、冷房時には山が2つになる・・・。

結局今のエアコンは一台一台特性がちがうので、一概に「これっ」とはいえず、概ね暖房時に定格出力の半分程度(その付近の消費電力)を多用するエアコンの選定がやはり無難。

となると地域によってちがうのですが、関東以北では12月から1月の時分に、低温出力の1/3以下に夜間の暖房負荷がなればよいと考えております。一方関東以南で太平洋側なら定格出力程度(概ね低温能力の1/2以下)に夜間の暖房負荷がおさまれば、一番おいしい部分の稼働状態を長く使えると思います。

圧縮機は同じだが凝縮と蒸発の大きさがちがうのか?はたまた電子膨張弁のアルゴリズム?不思議な周波数と冷暖房出力の関係。

ところで・・・今回は掟破りのエアコンの心臓部である圧縮機の型番表示とインバーター表示・・・。

型番が同じと言う事は同じ圧縮機であるといえ、定格能力がちがうエアコン3と4が、全く同じ圧縮機をつかっていることに、以前から噂されている同じエアコンなのにソフト的制御を変えることで、定格能力を変えているらしいとの裏付けが取れた・・・かな?
③と④の価格は一般的に実売価格で4万から6万ちがう・・・。ほぼソフト的差異(多少の凝縮器と蒸発器もあり)だけでこの価格差は・・・ちょっと儲けすぎ?

この論文は公共性が高いので下にコピーをおきます。

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