何時も紹介する建築業界紙の「日経ホームビルダー」。
最近はサボって紹介しておりませんでしたので最新号9月を少々ご紹介。
その前に・・・
昨日の天文ショーは凄かったですよね。1時間くらいピカピカしておりました。
でもなぜか落雷しないで発光しているだけです。
さて・・・
今月号の日経ホームビルダーは
※画像は故意に荒くして著作権に触れないようにご紹介してます。興味をもたれましたら是非ご購入をお勧めいたします(ネット購入可)。業界の裏情報が満載です。
まずは大手セキスイ化学の木造住宅がわかっているだけで34棟性能不足とのことです。
どこが・・・と言うと
防腐防蟻剤が規定のモノより効果の弱いものだったとか(本当は工場処理だったのに現場処理でもあった)、窓ガラスの性能が違っていたとかという初歩的なミスです。
次に「緑の家」が何時も言っている「基礎下に排水管を埋め込んではいけない」と言う事も記事になってました。当事務所では10年前に既に埋め込まない配管が標準仕様で、サヤ管さえ否定しております。詳しくはここ。
今回の目玉は・・・
フラット35の仕様書の改訂です。その中でアンカーボルトを止めつける「座金」の仕様にようやく言及しております。
構造計算をする(許容応力度設計=グレー本)建築士は既に良く知っていると思いますが、多分新潟県内の殆ど住宅は意識しないで使用しているでしょう。それは始めてオーブルデザインとお付き合いさせて頂く施工店の殆どがこの54角座金を始めてしようするとの会話があるからです。
何が違うのか・・・?
まず座金の役割を説明します。
工事の初期のころ基礎と土台が施工されます。土台は柱をしっかりと基礎と繋ぐ部材で、地震時には土台を持ち上げようとする力が働きます。
土台を抑えているのがアンカーボルトと座金です。つまりこの座金の表面積で押さえ込む力がかわり、座金が小さいと木がめり込んで土台が持ち上がります。54角の座金を使った時には引き抜き強度11.7KNですが、40角の座金ですと6.4KNと半分までの耐力になります。 最近の柱と土台を緊結する金物は6.4KNを超えるものも多く出回っておりますので注意が必要です。
そこで構造設計のマニュアル本では各座金に働く力を一本一本計算しないと決められております。しかし座金は50枚以上は当たり前、多いときには100枚になりいちいち構造計算していられません。そこで最初から54角の座金に統一するのです。
54角は穴が大きいため注意してナットを入れないといけない欠点をもつ。ラフに入れたい方はこのようにダブルで使う。
座金を重ねるとその面積の違いがわかります。
さて今回の記事の問題は、この54角ではなく60角になっており、その許容強度も54角の時の11.7KNから14.4KNになっているからです。さてこの60角座金が市場に出回っているのか?調べると・・・ありました。2年前に規格化された新しい物です
こんな事、普通の設計者は知らないでしょう。さあ現場で確認してみましょう。きっと小さい座金が使われています。それも最近は丸形の座金もありますが、面積を計算すればわかるので測ってみましょう。
カナイさんのHPから
「緑の家」も54角から今度は60角座金に変えていきます・・・が高いね。数倍もします、安くなりませんか?