この論文は「緑の家」にお住まいの人にはとても興味深いでしょう。
そのまま受け取れば「緑の家」の仕様はとても消費エネルギーが少なくなる工夫がされているとわかるからです。
ただ・・・
この論文は温湿度解析ツール THERB for HAM を用いた数値シミュレーションであり、実測ではない事と、京都が条件?であることを留意してください。というのは、下図2の冷房と暖房のエネルギー消費が、冷房の方が多いという実際ではあまりない結果(これは当ブログの常連さんならわかるとおもいますが、暖房にプラスとなる冬期日射は、周囲の環境が良くないと全く見込めない=レースカーテンをする)です。
さて「緑の家」と違うのは、エアコンが小屋裏にありこのエアコンで冷暖房を賄っていること、そしてダクトを使って強制送風していることです。「緑の家」ではダクト使う事は希ですし、冷房用と暖房用のメインエアコンは別々に設置(分けています)しています。その方がいらぬ設備装置を排除し単純化できます。
説明・・・
「CAV」とは(CAV:Constant Air Volume)定風量装置
部屋の条件変化に関係なく、一定の送風・・・こちらが「緑の家」に近い仕様。
「VAV」とは(Variable Air Volume)可変定風量装置
部屋をセンサーで監視しその情報により羽根の開閉をモーターで行い、細やかな風量調節を行う物。
さて、図4に興味深いデータが・・・
床下を空調空間且つスラブ下断熱材無しとした方が、消費エネルギーが低い結果となっております。またCAVの方がVAVより少なく、この2つをそのまま受け取れば現在の「緑の家」の仕様そのものが、一番少ない消費エネルギーと言う事になります。
おおーーー パチパチパチ
まあ、ですがこれもある条件の場合、つまりスラブ直下の土が比較的乾いている場合、そして京都のように冬晴れて多少駆体や床下に蓄熱可能な場合かもしれません。この辺りが論文をそのまま鵜呑みにできないところです。