「緑の家」標準(一番低い)の床下940mm。収納として大活躍。
「緑の家」では基礎断熱が基本となっております。そしてその基礎断熱は通常の倍以上の高さがあるので、床下収納として利用しております。これが大変便利な空間なのですが、注意点があります。
緑色は基礎断熱工法の床下の温湿度。赤は床断熱工法(普通の建て方)の床下の温湿度実測
この論文は昨年の建築学会でのものですが、これを見ると普通に施工される床断熱工法より基礎断熱工法の方が湿度がずいぶん低いのですが、それでも夏期には湿度が75%になります。つまり何もしないとカビやダニが増える湿度環境になります。
これは普通の家の押し入れと全く同じで、数年間押し入れに物を入れっぱなしするとかび臭くなったり、実際カビがはえます。それを防止するため定期的にまたは晴れた日を狙って押し入れ内のものを押し入れから出して乾燥させなければなりません。
「緑の家」の床下に限らず基礎断熱を行った床下内は梅雨から夏、秋までは高湿になることが数多く報告されております。
今ままでの事実の整理です。
・カビは相対湿度60%以上から増殖する。
・日本の夏の外気は相対湿度60%を軽く超え、95%にもなる。
・自然素材は防かび物質が消滅すると黴びやすくなる。
・基礎断熱の床下でも相対湿度75%付近。
・通風とは外気で室内を満たすことである。外気=室内空気。
です。
つまり・・・
新築時は自然素材(無垢の木のこと)の防かび物質があるので、通風だけで過ごしてもすぐには黴びませんが、数年から10年以上経つと木は黴びやすくなります。だから古い家ほどカビの匂いがかんじられるのでしょう。
ということは・・・
人工の防かび剤を一切使わない「緑の家」で梅雨から夏場を通風だけで過ごすと、押し入れを初めとする床下も必ずカビは生えます。だから「緑の家」は夏に24時間空調を勧めるのです。
10年後・・・家は少し使い込まれますます味が出てくる頃に、床下内がかび臭いようでは少しかわいそうです。だから最初から躊躇せずに
「通風は積極的に提案しません。「緑の家」の夏は24時間除湿冷房が基本で、床下収納は何時も目視メンテナンスできるようには簡単に入れるようになっております」
と答えております。
その24時間空調したとき、電気代が少なくなるように「すだれ」がけと庇が必ずあるのです。この庇とすだれかけが今・・・「緑の家」の特徴となるのです。
非常にすっきりしております。
とにかく10年移以上先を考えて家の仕様をご提案する事が我々の誇りなのです。
PS・・・これは今も土や田んぼが沢山ある新潟県での事で、コンクリートで囲まれ、田んぼのない都会では当てはまらないかもしれません。そのくらい地域差が有るということを忘れてはなりません。
コメント
早速の回答ありがとうございます。
なるほど、高基礎にしている理由は基礎から1mの防腐防蟻処理が出発点なのですね。
エコボロンPROのようなホウ酸系の薬剤を使えば効果が長くて安全かなと思っていましたが、薬剤は使わないに越したことはないですからね。
床下収納は間仕切りしなくて良いけど一階の床面積の2分の1以下にするって事ですね。
ありがとうございました!
あんぱんまん様
コメントと質問ありがとうございます。
>床下の湿度は頻繁に見ていますが絶対湿度は居室と同じで床下の温度が多少低い分だけ相対湿度が高くなる程度で床下はカラッとしています。
それはすばらしい・・・床下に限らず湿気は
本文にあるとおり地域の環境差が大きいです。
>なぜコンクリートで高基礎とするのか?基礎は40センチで一階床を140センチにもってくる高床ではダメなのか?
ダメなんです(汗)。
こちら↓が高基礎の出発点です。
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/midorinoie/yakuzaiotukawanai/yakuzai1.htm
又は
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/news2009/06%20_25.html
高基礎の出発点は床下収納ではなく、ましてや床下暖房でもありません。法律を遵守する事ができる数少ない物理的な方法だからです。(*^.^*)
>床下に設置している一階床の束は柱のようですが転ばないのでしょうか?
そうです。柱ではなく「束」です。
極端な話、束は転んでも平気です。束は構造材ではありませんから。もし構造体なら巷で使っている樹脂の束は法律違反になります。法では樹脂は構造材としては使えませんから。つまり構造材ではないので、一本くらいなくても家は全く問題ありません。まあ中越沖地震の震源地でも全く転びませんでした・・・。もしこれが転ぶ位建物が変形するならその建物は倒壊しております。
>また床なりがした時はどう調整するのですか?
逆に木の束でない場合どのように調整するのでしょうか。もしかしてねじ切りがあって回して調整するあのプラ束又は鋼製束をイメージされているのでしょうか。これらの製品が出るまでは(20年まえ)木で出来ている束がほぼ全てです。
また床鳴りは束だけで調整するものではないので逆に床下内に縦横無尽には入れる高い基礎が床鳴り直しにふさわしいですね。
>床下は小屋裏同様に一階の床面積の2分の1以下で間仕切切らないといけないのでしょうか?
仕切らなくてOKです(これは行政も同様の見解)。
これは長期優良住宅が出来たときに明らかになりました。床下はどこでも行きやすい事が長期優良住宅の条件です。よって仕切る事は禁止され、出来るだけ速やかに通れる事、仕切らないことが推奨されております。
なぜ直上、直下床面積の1/2が法律で定められているかといいますと、これは地震時に想定以上の重量があると,建物に加わる力が増し、それが大きければ倒壊にいたることによります。
床下収納の重量増は、建物を介さず全て地面に直接入るので、地震力の増大がありません。考慮するのは地耐力への配慮だけです。ですので1/2の仕切りに拘わらず、それよりメンテナンス性を重視しているのだと私は想像しております。とは言っても1/2は必ず守るべき事です。そもそも配管や玄関下、風呂下、束などが有るので1/2を超える荷物を入れている事が見たことがありませんが・・・。
以上長くなりました。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
居室空間と空気が循環しない基礎断熱は問題だと思いますし、冷房を間欠運転にしてしまい消費電力の多い除湿機を床下に設置するのも勿体無いと思います。
私の家は通常高さの基礎断熱なのですが床下で消費戦力の低いパイプファンを24時間運転していて床下の空気を一階床のガラリから一階に送っているため、床下と一階で空気が循環していますので床下も居室同様に低湿度でカビが生えたことはありません。床下の湿度は頻繁に見ていますが絶対湿度は居室と同じで床下の温度が多少低い分だけ相対湿度が高くなる程度で床下はカラッとしています。
さて多少話がズレますが、高基礎に関して前からわからない部分がありましたのでよろしければ教えてください。
・なぜコンクリートで高基礎とするのか?基礎は40センチで一階床を140センチにもってくる高床ではダメなのか?
・床下に設置している一階床の束は柱のようですが転ばないのでしょうか?また床なりがした時はどう調整するのですか?
・床下は小屋裏同様に一階の床面積の2分の1以下で間仕切切らないといけないのでしょうか?その場合は床下が蓄熱空間として分離されてしまうので間仕切りに換気扇でも付けているるのでしょうか?
不躾でもうしわけございません。