わくわくする・・・エアコンの論文 

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2015年の建築学会の大会梗概集。もしかしてフライング掲載?

8月・・・この月は建築学会の論文発表の大会がある月です。

という事で・・・論文学会員の私の所に論文梗概集が送られて来ました。

私のように実務者で有りながら論文学会員という立場は実は多くありません。実務者だからこそわかる面白さもあります。今回がそうですね。

特に待ちに待ったエアコンのCOP解析結果が発表されております。

赤アンダーラインだけは私が加筆させて頂いた。

発表者は住宅通風では国内トップのラボ・・・赤林ラボの皆様・・・。無論私の出身研究室ですからひいき目で見ることになります・・・もとい・・・なりません。

まず使用したエアコンは
定格冷房能力が 4.0kw、標準暖房能力が5.0kwと少し大きめのP社エアコンです。

何時ものように結果から

矢印のうねった所。P社さんの技術者の心意気を感じる調整。すげーって思う。多分推測であるが東京地域のAPFを無理やり高める為の解答だと思う。

何がワクワクするかって・・・

この↑図の冷房時のうねった能力線・・・これは初めて見る形です。多分エアコンのCOP発表は10年以上前から多くありますが、初めての図形です。

この冷房時に再び持ち上がる曲線に驚いた・・・。

その温度帯でも冷房は定格能力時の半分の2kwで最高のCOP値になっております。そこから定格値の4kw直前まで下がっており再びよくなります。なんと複雑な推移。

普段論文を読まない方もこちらの論文は面白い。是非読んでみて。赤アンダーラインだけは私が加筆させて頂いた。

暖房時は標準(定格)能力時の40%時に一番暖房が必要な気温(-2度)に最高値となり、標準の7度時には2.5kw程度と半分の定格能力時に最高COPとなります。

このあたりは数年前の当ブログや講演会で申し上げた通りの結果で、何回も申しますが自立循環型住宅への設計ガイド(準寒冷地版)の「エアコン」のある記載は一般的なエアコンの記載とは言えず、日本で一番多く販売しているこちらのメーカーのエアコンの特性の方が一般的ではないかと思います。

低炭素住宅のプログラムの元になった「自立型循環住宅への設計ガイドライン」建研監修

この部分の記載で・・・「最大能力の半分」では無く、標準能力(定格能力)の半分が一番効率がよい。

エアコンによって特性がかわりますが、多分殆どの機種でこのような定格の半分くらいでMAXになると思われます。これはエアコンの評価方法のAPFをよくしようとするとこのようになるからです。

この特性がもし殆どの機種に当てはまるなら、今まで申し上げたとおり、

○冷房時はできる限り定格能力の(又は以上)で運転をするようにして、COPと共に冷媒温度を下げ除湿が多く出来るようにする(30坪の家において6帖用エアコン一台で冷房をする)。

○暖房時は定格能力の半分程度で外気温2度で運転をするようにしたい為に、住宅最大負荷(22度の温度差)の倍以上の定格能力分のエアコンを設置する(旧Q値1以下の30坪の家で8帖用エアコン2台以上になる)。

です。

ああーーヒートポンプって楽しい♪♬♪

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