蓄熱式の床下エアコン暖房の実例 その2 エアコンの寿命を考察

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「緑の家」では床下エアコンを蓄熱で使う事も以前薦めていた。

これは蓄熱で使うと深夜電気の割安時間に多く使え、結果電気代が20%から30%安くなるため。しかしメリットこれだけではない。

最近エアコンの故障が続いて起こり、

「古いエアコンは20年も平気で使っていたよね~。

最近の日本の製品は壊れ易いよね~。」

と考えていたが、近年の国内エアコンの品質が悪くなった理由以外に、

実は使い方が変わった事もあるのだろうと思っている。

2015年9月まで使用した東芝RAS-255SD。名器だった。この当時の東芝を始めとする家電品は質実剛健の最後の時期。

事務所の一番古いエアコン(製造1995年製)は24時間連続運転で酷使しても18年間無事に仕事を果たした。しかも壊れて交換したのではなく、COP(効率)が悪いので交換したのだ。

ところがここ10年以内に発売されたエアコンは10年も保たない。

きっと上の表で設定した標準使用期間である程度正確にこわれるのだろう。

そこでちょっと考えた。

上の方はあるエアコンの取説のある表。それによると、エアコンの寿命は10年として設計しており、使用時間は冷房で10080時間、暖房で11830時間である。モーター類は使用時間で耐久性が決まる。

新潟県における「緑の家」のように床下エアコンで使う場合24時間可動しているし、冷房時も同様。しかしこの表の冷房暖房時期とは違い、体験上「緑の家」の使う時期に当てはめると

冷房期間 6月20日~9月20日(92日間)→1464時間/年

暖房期間 11月10日~3月20日(130日間)→3120時間/年

となると冷房では7年で、暖房では4年で設計寿命の10年分になる。

「えーー、床下エアコンは4年から6年で壊れるの?」

となる。

仮に安全性のマージンがあっても6年から8年で壊れる事(安全に使えない事)になる。

それを暖房方式を蓄熱式床下エアコン暖房に変えて計算すると、夜23時から朝7時間の8時間。つまり使用時間は1/3になり暖房では12年間壊れないことになる。凄いでしょう。更にこの時に床下用エアコンを除湿や冷房に使わなければ、計算上は21年間大丈夫(但し負荷も変わるのでここまでの差は無いはず)。

これは大きなメリットでしょう。

「緑の家」での蓄熱ではない標準的な使い方として

床下エアコンは暖房と除湿(30日程度)のみとすれば6年ほど(安全マージンを見て7年から8年)で設計寿命を迎えることから考えると蓄熱式の床下エアコン暖房はとても効率が良いと言える。

蓄熱式床下エアコン暖房において「緑の家」の定番のペットボトル水蓄熱追加方式。効果があることはこの論文で実証済み。↓

床下暖房でのペットボトル型蓄熱の効果<br />  その1  建築学会査読論文から 
この写真は2012年に竣工した「緑の家」の床下に当時設置された市販されている飲料水の2Lのペットボトルを500本...

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