超高断熱性能 2030年のUA値を目指して

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先ずは題名と関係ありませんが12月11日に世界発の地震実験が行われました。

この動画は見応えがあります。

建築業界以外の方は、

「えっ、10階で世界発なの?世界には100階建以上の建物はあるでしょう」

でも実験による確認はこの10階建が世界で一番高い建物なのです。

自動車は販売前に実際の車を数十台も壊して安全性を確かめますが、建築物はそうはいきません。壊して確かめてから建てるなんて事はしません。ここが自動車の品質と違う所でしょう。つまり自動車のように極限まで切り詰めた造形、部材ではなくある程度安全性を見込んだデザインとなるわけです。

さて安全率を見込む構造とは違う温熱環境=断熱基準では・・・

表はHEAT20から 。G1は最低限達成されるべき性能で、G2は目指すべき更に上の性能(ゼロエネ)。

表はHEAT20から。 

自由の師「南雄三先生」が委員を務めているHEAT20から新たな情報が発信されたようです。それによると、
この新潟県で2020年に目指すべき断熱性能(私が勝手に解釈)UA値は0.34W/m2Kとの事です。

「緑の家」の過去2年のUA値をご紹介すると、

設計年 名称  UA{W/(㎡K)}
2014 H邸 0.21
2014 Y邸 0.24
2014 O邸 0.27
2014 N邸 0.26
2014 K邸 0.28
2015 N邸 0.28
2015 I邸 0.28
2015 Y邸 0.28
2015 A邸 0.3
2015 K邸 0.31
2015 N邸 0.22
2015 M邸 0.3
2015 M邸 0.3
2015 I邸 0.28
2015 S邸 0.28
2015 T邸 0.24
2015 N邸 0.27
2015 M邸 0.28
2015 S邸 0.3

ここ2年で20棟の超高断熱設計の実績。因みに現在の国の推奨基準は0.87。

です。全て0.34W/m2k以下・・・既に2020年の推奨・・・その先の先取り以上の性能であることがわかりますし、当たり前です。なぜなら「緑の家」は2009年に2030年の家の断熱性能を目指して設定されたUA値ですから2020年のG2目標より上でなくてはなりません。

HEAT20の今回の推奨基準G2では冬の体感温度が概ね13度を下回らない断熱基準との事で、この性能ならゼロエネが出来る最低基準です。

条件は、所謂間歇暖房(人が在室時間のみ且つ居室のみ暖房)ですから、古くから高気密高断熱を造ってきた私達には到底受け入れられる条件ではありませんが、ここは致し方ない所でしょう。なぜかは・・・

太平洋側の冬の気候を考えれば・・・

一日中暖房機がONになっている晴天の冬の日なんて考え難いからです。晴れた日は気温が上がり且つそれ以上に室温が急上昇・・・暖房器具のスイッチをOFFにしたくなる太平洋側住いの考え・・・これはこれでよいと思います。一方日本海側はそうはいきません。やはり24時間連続暖房が快適の上でも、結露の上でも、カビ汚染の上でも必要です。

だから大事なのはその地域性を認めることで、本当の意味での気候風土にあった設計になる事です。ですのでHEAT20の基準にも、もっと大胆に晴れ地域と晴れない地域の差があってもよいと感じます。

つまり晴れは机上の日射量では測れません。日射の連続時間数が影響し、30分間晴れてもカウントされる日射量では正しい温度上昇の評価にならず、短時間日射では日射遮蔽をそのまま維持する日本海側の家ではその恩恵がありません。この辺りの評価がほしいところです。

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