CFは風呂文化・・・北米・欧州との違い

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伊の一般の家のお風呂場。便器が普通にある。写真はスタッフKの過去スナップショット。

「緑の家」で提唱しているおなじみのCF(風呂用循環ファン)
この業界では常識外の設備器機・・・なぜ日本(オーブル?)だけ推し進めるのかを少し説明します。きっと殆ど方が頷くはずです。

というのは・・・
当事務所スタッフKは、欧州で数年間生活をしている凄人なので、欧州(伊)の庶民の暮らしを実際の肌で知っているという貴重な体験者です。ですので常々疑問に思っていた海外のことを聞いてみると・・・

多少会話に手が加えられておりますが・・・

海外生活0年で海外は2度しか行った事の無い私は・・・

「向こうでは(伊)、便器ってどこにあるの?」

スタッフK「一般の住宅は殆ど風呂場にありますよ」

「やっぱり・・・。所で便所って無いの」

スタッフK「ないですよ。みんな風呂場といっしょです。」

スタッフK「だから日本語の便所という言葉がなく、お風呂も便所も『bagno』バーニョです」

「でもネット翻訳だとトイレみたいな翻訳が出てくるよ」

スタッフK「それはおかしい。みんな現地ではbagnoとしかいわないですよ」

「だったら北米もそうかな。みんな便器はお風呂場にあるのかな」

スタッフK「伊以外はわからないけれど多分・・・欧州では風呂と一緒が当たり前」

またこちらも海外生活経験2年のスタッフM

「少なくともスペインとイタリアはバーニョといってそのとおり。欧州他国(ホテルはわかるが)一般の家はしらない」

スッキリしました。
自分でも調べると北米(アメリカ)の一般家庭でも便器はお風呂場にあるのが普通ナノです。
事務所やレストランなどはお風呂にあることはありませんが(笑)、一般の住宅では便器は風呂場設置が当たり前。だから日本のホテルも日本ではお風呂と便器が一緒の世界基準?なのですね。

伊の一般の家のお風呂場。便器が普通にある。写真はスタッフKの過去スナップショット。

つまり欧州や北米では便器のあるお風呂場は不浄のスペースで、日本のようにお風呂と便所が別々で独立していることは想定していないようです。不浄空間だから排気の換気扇が必須・・・これはあたりまえです。

日本が高気密高断熱の完成形として海外から技術導入した28年まえのR2000という北米の住宅。そのマニュアルでは換気設備項目がありその換気システムを決めたのがアメリカ暖房冷凍空調学会(ASHRAE)です。無論アメリカですから便器とお風呂場が同じ場所なのでお風呂場の換気=便所の換気となりお風呂の換気が必須と日本でも決めてしまったのでしょうか。私はCFを始める前は風呂場に排気用換気扇は必須だと思っておりましたが、実際の自分の家では乾燥が終わるとOFFにしてしまうことも多くありました。

もう一度・・・日本の風呂文化はどうでしょうか。

日本のお風呂には昔から便器はない。ただ単に清潔にするだけではなくリラックスするための空間であった。 

日本の一般住宅ではお風呂場に便器がある事はまずありません。これはトイレが不浄空間であり、昔では別棟になっているくらいです。一方お風呂場はリラックス空間で時には清める意味もあるくらいの空間です。取扱い・思想が全く別な文化なのです。ですのでお風呂場の空気が汚いと思うことは本来ありませんから、建築基準法においてもお風呂場の換気は義務はありません。逆に汚くならないように(カビなど)通風をとり直ぐに乾くように考えられておりました。通風と換気別物で、換気は必要最小限度の空気が動く方がよく、通風は出来るかぎり風が抜けるような大量の空気の移動がよいとなります。

そうですね・・・CFはまさしく通風に近い考え方。出来るだけ大量の空気で浴室を乾かすためだけが目的。お風呂場の空気が汚いからという発想がありませんし、カビで汚くならないようにCFをつけるのです。

日本で性能の高い家の風呂はCFが一番ふさわしいと思っており、それが間違いでは無いことを改めて確認しました。さあー10年後は普通に使われているかも(笑)。

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コメント

  1. 匿名 より:

    木原様
     
    >そう言う意味で1月に入ってからの幾つかのエントリ(とりわけ「想定外」シリーズ)は興味深く読ませていただいています。
    ご覧頂き、ありがとうございます。
    「移民」・・・奥様のそのオーラが頂いたコメントで伝わって来ます(o^-^o)。
    木原様のトイレは不浄(汚い)というイメージがない・・・についてはわかります。人はそれぞれ考えが違います。だからこそおもしろいのでしょう。
    新潟のものを兵庫に持っていっても不都合な部分はたくさんあります(イエシロアリも)。おっしゃるとおりです。

  2. 木原 より:

    浅間様、
    早速のリコメントありがとうございます。
    > 20年も海外生活との事・・・その経験は凄いことですね
    妻によると、私は「移民」だそうです。
    帰国子女などという生易しいものではないのだそうで‥‥。
    > 「便器があるお風呂場」空間が不浄かな、ということと思っております。
    はい。文脈から言って、トイレと風呂をセットでお考えになっておられると理解しておりました。で、私は<トイレ+風呂>の空間について「不浄」という感覚があまりない、という意味で書きました。
    まあ「移民」系の人(笑)は、これに近い感覚をもつのではないかと思います。
    毎日掃除してきれいにしているのだし、そんなに汚いとは感じない。だから居室ときちんと仕切られていなかったり、<トイレ+風呂>なのにちょっとしたテーブルがあったり、本棚やソファがあったりということもあります。換気扇は‥‥ないことも多いです。戸建住宅ですと窓がついていて自然換気できることも多いですが、マンションだと高級な物件でも窓も換気扇もない‥‥というようなこともあります。(ついでに言うとキッチンも同じ。)
    「移民」系以外の日本人は、おそらく世界でも衛生観念が高い方の神経質な民族‥‥ということになるのではないでしょうか。ウォシュレットがその例です。換気扇でも日本は技術先進国のように見えます。アメリカではキッチンの換気扇が室外排気になっていないことが多い。たいていフィルター付循環扇になっていて、あろうことかキッチンの換気扇で吸いこんだ汚染空気は匂いとともに室内に戻ってくるんです。しかも運転音は爆音、吸気能力は弱小ときています。魚を焼くとすぐに火災報知器が鳴ります。あんなもの、日本では絶対売れないでしょう。
    うちには「移民」だけでなく純日本人も住んでいるので、新居は換気設備も「神経質」なほうに合わせることになります。衛生観念が高いことは悪いことでは決してないですし。あと、私は喉が弱いので浴室に限らずカビは大敵。冬も50%くらいは湿度がないと喉をいためてしまいますので、加湿が必須です。なので、冬場に加湿しながら結露をどう抑えるかが、我が家では重要課題なのです。
    そう言う意味で、浴室CF(浴室乾燥用扇風機になるかも知れませんが…)は浴室の熱を逃がさずに利用する点、日々の加湿に役立つ点で合理的なアイデアだと感じています。
    ただ温熱環境というのは紋切り型ではダメだとも思っております。一棟一棟で間取りも違いますし、施工精度の差もあります。卓越風や温湿度の地域差もあります。新潟のものを兵庫にもってきて、うまくいくかどうかは正直わかりません。ですから、リスク・マネジメントと言いますか、結露やカビ等、起こりうる様々な事態に対処できるような備えは必要だと思います。住まいながら調整のできる柔軟なシステムを考えなければなりません。
    そう言う意味で1月に入ってからの幾つかのエントリ(とりわけ「想定外」シリーズ)は興味深く読ませていただいています。

  3. オーブルの浅間です。 より:

    木原様
     コメントありがとうございます。
    良い事ですね。どんどん情報が集まってきます。
    木原様は20年も海外生活との事・・・その経験は凄いことですね。
    >私は<浴室=不浄>という感覚は個人的にはあまりありません。
    私も浴室=不浄とは思ってなく
    便器(便所)=不浄で、
    その「便器があるお風呂場」空間が不浄かな、ということと思っております。ただ上の写真からは日本のトイレとは何か♫違い明るいイメージですね。
    >温暖な地域と、イングランドや北欧ではだいぶ違うのかなと思いながら、このエントリーを読んでいました。
    そうなんです。観光ですが1年で世界一周をしたスタッフMもそう言ってました。スペイン、イタリアのラテン系の人はバーニョで大体バスタブ(やっぱりシャワーだけの家もあったとのこと)と便器が一緒、北米も広いから様々な形態があるが便器のある所に水場(風呂やシャワー)が多いとの事で一致しております。
    水が豊富な日本だからこそたっぷりのお湯を使うのでしょうか。いずれにしても日本のお風呂場の空気はカビが生えていない限り他の居室と変わりないと思っております。
    所で・・・
    木原様はCFに対しどのような意見をお持ちでしょうか(o^-^o)。

  4. 木原 より:

    いつも勉強させていただいています。
    兵庫県西宮市の木原です。
    北米やヨーロッパでの浴室の話が出てきましたので、今回は私の体験からのお話を。私は海外(主にイングランド)での生活経験は20年ほどになります。ヨーロッパでも地中海沿岸部のような比較的温暖な地域と、イングランドや北欧ではだいぶ違うのかなと思いながら、このエントリーを読んでいました。
    私は<浴室=不浄>という感覚は個人的にはあまりありません。なお、北米でもイングランドでも「バスルーム」といってもシャワーしかないこともあります。ちなみにバスタブが家にあるのは、ちょっとお金持ち(?)の家かもしれません。
    で、これが一人暮らし向けのアパートとかになると、シャワーもないことがあります。そういう場合はバスタブを買ってくるわけですが、これをどこに置くかというと、リビングの隅とかです。冬は部屋のヒーターの横とかが多いです。マメな人は夏に窓の前に動かしたりすることもあります。
    文化の違いということでは、風呂の湯の温度と量が違うと思います。イングランドではお湯といっても湯気は立ちません。日本人の基準で言うと「水」に近いでしょう。しかもバスタブに10cmか15cmくらいしか「水」を入れません。入浴はバスバブルでからだを洗い、タオルで拭き取るだけです。
    というわけで「寒かったでしょう。お風呂に入って温まって。」という日本語は、そのまま英語にしても通じにくいですね。

  5. えむす より:

    過去の記事を確認せずに質問してしまいました。申し訳ありません。冬場の乾燥対策に風呂のお湯を流さずふたを開けたままにしておくといいと聞いたことがあるので質問してみました。我が家は湿度30パーセント前半を示すこともあります。ですので風呂上りにお湯は流しますが、換気扇は使わず扉を開けたままにしています。CFや扇風機で早く乾燥させたほうがカビ対策にはよさそうですね。ありがとうございました。

  6. オーブルの浅間です。 より:

    えむす様
     コメントありがとうございます。
    >脱衣場から浴室に向けて扇風機をかけると同じような効果が得られますでしょうか。
    無論です。というか・・・元々そこからCFが始まったのです。
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-26a3.html
    >浴槽のお湯は残したままがいいでしょうか。それとも流したほうがいいでしょうか。
    CFの目的は乾燥のためですから、水はないほうがよいです。
    >湿度は40パーセントを切ってしまいます。
    特別断熱性能が高い海外製のサッシ以外は湿度45%以上をお勧めしません。国産の樹脂サッシでは湿度が50%になると結露の危険性が高くなるからです。
    私は35~40%くらいが丁度よく、35%から40%になれるとそんなに低いと思いせんが、この辺りは個人的な好みですから何とも・・・。
    浴室排気換気扇を止めてCF(扇風機で可)にするだけで数度湿度が上がると思います。但し脱衣所の戸は全開放が前提ですよ。

  7. えむす より:

    いつもブログで勉強させていただいております。CFに興味があり、初歩的な質問を2点させてください。当然我が家にはCFはありませんが、脱衣場から浴室に向けて扇風機をかけると同じような効果が得られますでしょうか。またCFを運転させているときは浴槽のお湯は残したままがいいでしょうか。それとも流したほうがいいでしょうか。我が家は24時間全館空調を行っており、湿度は40パーセントを切ってしまいます。できれば浴室の湿気で加湿したいくらいです。ご教授よろしくお願いいたします。