床下エアコン冷房が難しいわけ②

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2016_1_29_23空気には質があり、冷房時では乾いた空気ほど価値が高い。

床下暖房と床下冷房の違い

床下エアコン暖房については先回の説明で、

とても快適・・・
加えて簡単・・・
コストも最小(イニシャルコスト)

と説明しましたが、

床下エアコン冷房は新潟および北陸地方、関東以南の沿岸部ではとても難しい冷房方式です。これは床下の高さが低い高い事とは関係はありませんし、空気と蒸気の特性ですから解決するには、ある程度のエネルギーが必要です。

冷房は空気質が問題

冒頭の湿り線図の空気が下のエアコンの運転モードです。

2016_1_29_23_2右の風量がほしいが、空気質は左の乾いた空気が必要。その矛盾が問題。

まず暖房と違う冷房時のエアコンの特性を知ることから始まります。

エアコンの暖房運転時には、処理する前の空気(吸い込み空気)と処理後の空気(吹き出し空気)には湿気の増減がありませんが、通常冷房時には湿気の増減が出来ます。

エアコンの内部冷媒温度が吸込み空気の露点温度以下の時に結露し、空気中から蒸気ガスを分離して水にして屋外に移動します。これを潜熱除去といい、冷媒が露点温度以下にならないで、空気の温度のみ下げる冷房は顕熱除去となります。潜熱顕熱はネット調べてください。

断熱性能がUA値が0.5w/m2K以下の家で、日射遮蔽を外部でキチッと行うと、真夏でも通常冷房負荷は2kwを超えません。冷房出力が2kwという状態は上のような運転状態で、左右のエアコンは同じ2kwの冷房運転をしております。左は湿気まで取り去る潜熱除去運転を4割、顕熱除去を6割で運転しております。一方右のエアコンは潜熱除去が0で顕熱除去100%を行っております。

冷房は風量が温度を左右する

さてここで・・・

床下エアコン暖房時に床下内の空気を均一に動かすために大きな風量で空気を押し入れ差圧を利用するとよい・・・とお伝えしました。

それを考えると実は上図の右の運転モードでないと、差圧が付くほどの風量が得られないことがわかります。つまりSHFを下げると必然的に風量が減り、床下内が均一になるような事は難しいのです。

_2比重の重い空気は下に沈み、暖かい空気と混ざり合うには時間がかかる。
しかも循環風量が暖房に比べ著しく少なくなる。

床下冷房が困難な3つの理由

また・・・エアコンで冷やされた空気は比重が重いので下に沈み込もうとします。低い温度の空気は自身で決して上に浮かぼうとしません。丁度上の断面図のような状態なり、このような状態では、乾いた空気(潜熱除去)を床下に押し入れても、温度が低いままなのでこの部分の相対湿度が上がったままになり、顕熱比が高い運転状態ですとカビの増殖し易い環境になります。

この下の空気を上階に引っ張り出し、床下温度を上げるには別に動力(ファン)が必要になります。

このように先回の

①ドレン水があふれる、

②押し入れる風量が確保出来ない

③冷たい空気は沈む

の3つから、床下暖房用エアコンで冷房することは大変難しいのです。

この辺りの科学的理屈を無視して、無理に冷房を行う事と必ず破たんする事になります。

よって出来る事は・・・A.再熱除湿運転で、床下内に吹き込む空気の温度を22度以上に上げた乾いた空気を送ることと、B.弱冷房除湿運転で補助的に床下暖房用エアコンを補助除湿として軽く使う事と思われます。

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コメント

  1. 四国の施主 より:

    ありがとうございました。
    やはりセンサー位置も問題でしたか…。
    各メーカーからせめて床下エアコンに対応したオプションだけでも発売されるよう期待します。

  2. お隣さん より:

    ありがとうございます。
    その後、もしかしたら、安い深夜電力を利用した蓄冷なのかもしれないと思いました。
    原発再稼働の程度次第では、節約になるかもしれませんね。
    あまり良い気分はしませんが(^-^;

  3. オーブルの浅間です。 より:

    四国の施主様
     いつもどうもです。
    >ダイキンエアコンの「プレミアム冷房」(デシクル制御・PIT制御)という機能は、再熱除湿と比較してどの程度有用とお考えでしょうか。
    これはあまり評価出来ません。確か・・・
    冷媒温度を低くして露点温度を下げた空気を機内で室内空気と混ぜて少し温度を上げる仕組みですから、
    多分・・・日立の再熱除湿との除湿量には大きな差があります。加えてセンサーの位置が(汗)・・・。

  4. 四国の施主 より:

    いつも興味津々で拝見させていただいております。
    当方は四国の瀬戸内海側で、特に夏場の湿気はかなりのもので、体感的にもしっかりと感じられます。
    最近、ちらほらと見かけるようになった「エアコン1台で全館冷暖房」は、浅間様の記事を読んでもやはり無理があると再認識しました。
    本物の“高性能住宅”が最低条件として、エアコンでの全館空調は、冷房用と暖房用の設置場所と役割を明確に分けるべきだと思いました。
    ところで、床下エアコンによる除湿を目的とした場合、ダイキンエアコンの「プレミアム冷房」(デシクル制御・PIT制御)という機能は、再熱除湿と比較してどの程度有用とお考えでしょうか。
    また、実際に設置する場合、やはり、以前に問題視されていたダイキンエアコンのセンサー位置も関係してくるのでしょうか。

  5. オーブルの浅間です。 より:

    お隣さん様
    全ておっしゃるとおりです。
    私もそう思います。

  6. お隣さん より:

    いつも楽しく拝読させて頂いています。
    他の工務店ブログなどで,床下エアコンを冷房に活用できないかという試みがあることは聞いておりました。
    しかし,根本的なところで,床下エアコンで冷房をしたいという考え,
    床付近を冷やすという考えの,どこにメリットがあるのか,
    なぜそこを目指すのかが,わかりませんでした。
    冷たい空気がは重いから,まずは床下,次に床付近に溜まるのは当然で,それにメリットが見いだせないのです。
    床に寝転がったときに涼しいということでしょうか。
    冷え性の女性からしたら,足下が寒くても嬉しくないような…
    第三種換気の吸気口が床上にあったら,
    夏場,吸気口から導入された高湿の空気はなかなか除湿されないで,室内環境が不快になるだけのような気がします。
    第1種であったとしても,トイレなどは第三種でしょうし,
    程度の差はあれ同じのように思います。
    もしかして,床下エアコン1台で全館冷房することにして,
    エアコン設置費用を浮かせる,ということでしょうか?
    それだと,冷たい空気を上に運ぶために,
    ファンなどを別途あちこちに設置する必要がありそうですし,
    夏も冬もフル稼働するエアコンは,
    寿命も早くやってくるような気がしますから,
    経済的メリットもあまり見いだせないような…