新たな課題 ダンプネス(高湿度環境) ①

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「て・こあ」和室8月の午前中の温湿度

ダンプネス?って知ってますか?

日本語では「高湿度環境」といいます。

近年(2010年~)建築学会の論文に「ダンプネス」ってキーワードを見るようになりました。

欧州でも、北米でも近年ダンプネスがもたらす住宅内での害が言われるようになってきました。

しかし・・・

欧州や北米またまた日本のダンプネス問題は殆ど寒冷地における部分高湿環境(結露等)が殆どで、夏の気候のダンプネスと住宅の素材についての論文は非常に少ないと思われます。

特に20年前から自然素材を住宅内で再び多用するようになり、またここ10年前から温暖地域に基礎断熱工法という、床下内を居住部分に含める家の作り方が増えております。

現在の新建材(樹脂等で覆われたり造られたりする建材)が世の中で販売される前は、日本の住宅は 自然の木と紙(草)と土と石灰含有素材(セメントを含む)でほぼ出来ておりました。その特性は湿気の吸放湿素材ということにあり、そのためカビ抑制物質が少ない素材は直ぐにカビが生えて避けられるように選別され残ったのが・・・

木は杉、ヒノキ、サワラ、ヒバ(KD材を除く)など

紙は薄く使い直ぐに乾くように

土は表面に漆喰(強アルカリ)を塗る事で保護

草は掃除出来る所だけ使う(タタミ)

です。

しかしこれらであっても時間の経過と共に、紫外線によるカビ抑制剤の分解、埃堆積による促進により、30年~40年経過すると懐、間仕切り壁内でからカビ臭が発生します。

さて・・・

建築学会でダンプネスの影響の論文は過去おおくありますが、ダンプネスと健康という具体的デメリットの調査は数多くあり、近々では東北大学の吉野先生らが「住宅における結露・カビの発生要因に関する調査研究 児童のアレルギー性疾患と関連する居住環境要因の改善に向けて 」で2014年に査読論文として発表されております。実は実務者から見ると、カビの発生と建築素材&周囲環境とは切っても切り離せない感覚なのでその点をこのシリーズではまとめて行きたいと思います。

今後ダンプネスで問題になるのは間違いなく・・・

温暖地での基礎断熱工法です。

②に続く・・・

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コメント

  1. 木原 より:

    温暖地での基礎断熱住宅を計画中です
    ‥:とはいえ色々あって現在座礁中ですが。
    新シリーズ大いに期待してます!
    moistが「しっとり」であるのに対して、dampは「じめじめ」‥‥不快なレベルの湿気、健康被害がありそうな湿気、ねっとりからだにまとわりついてくるような湿気をいう言葉ですが、建築業界では専門用語としてちゃんとした定義があるのでしょうね。
    興味深いです。