移動途中の黒崎SAでミスト冷却が行われていたのでどんなに疲れいても撮影する前先生とソイルペディア社長佐藤さん。
昨日は朝から夜まで前先生と一緒でとてもビックな発見がありました。
それは・・・FRIR(フレアー)で撮ったある一枚の画像・・・。
「て・こあ」で運転していたラボ用エアコンの再熱除湿運転中の熱画像です。
もうため息ものの画像で、「緑の家」が夏でも床下エアコンを暖房モードで運転する意味がよくわかるのです。移動車中で先生と直ぐに再生し興奮して見入っていました。
美しい再熱除湿中の日立エアコン。再熱除湿からダイキン、パナ、東芝と撤退。だからこそ再熱除湿を大いに使いたい。
エアコン内の上部では冷媒が熱い暖房モードで運転しており、下部では冷媒が低い冷房モード運転していることが一目瞭然。つまり真夏であっても、除湿する為にはある程度の「熱」がないと除湿出来ない事がわかります。今のエアコンは冷房運転では顕熱比が0.5以下にならない事で除湿が苦手。なのでこのような「30℃以上の熱」を作って温風をつくり、それを吹き出し口から冷風と混ぜて出している・・・。吹き出し口では温度ムラが顕著に出来るので上の写真のように筋ができているのです。これは鳥肌もの・・・。吹き出し口に温湿センサーを付けてもこれでは正確なデータは取ることが出来ません。今その部分で計測している家がありますが少しショックです。とは言ってもエンタルピー差から出力を算出してはいませんので・・・まあ良いかな。
日立の再熱除湿はこのような運転ですが東芝や三菱さんはどうなのか大変気になります。
さてなぜ前先生(いま建築の環境分野で日本で一番忙しい先生)と一緒にいたかというと、
「全国温湿度測り隊」
という少しお笑い名が入ったチームの一員だからです。
えっなにそれ?
詳しくは別の機会に譲るとして簡単には・・・
工法(新在来工法、パッシブ住宅、無暖房住宅、○×工法住宅)にとらわれず全国の各地域で温熱性能の高い住宅おける夏季の室内温熱を実測する事で、夏季の住まい方の今後の方向性を探るために各地域で実測調査を行う隊員達(まるで地球防衛軍の隊員)・・・
だと理解しております。
「て・こあ」の黒の間にて熱画像を撮影中の先生、佐藤一枝さんと私たち・・・。
それと前先生が一番驚かれたのが、新潟の夏の湿気の多さ・・・
これは以前お会いした時に何度も先生にお伝えしており、
「そこまで浅間さんが言うなら夏一度新潟に行くよ」と言われて半信半疑の状態で、ソイルペディア社長の佐藤さんと一緒にお見え頂きました。
海抜30m、海岸から数キロメートルの「て・こあ」をご案内するべく朝4時30に起きて「て・こあ」に向かい、5時頃「て・こあ」について全ての窓を開け、通風状態にします。「て・こあ」の窓は半端なく、1階の壁は全てガラスなので全開にすると殆ど外気同一状態・・・。
通風開始から4時間後の「て・こあ」の1階の12帖のタタミの間に温湿度計をおくと・・・
持参の温湿度計を見てびっくり・・・。自然素材の塊のような建物「て・こあ」は超高湿。
曇り・・・27℃でRH(相対湿度)86%・・・露点温度が24度以上・・・
前先生曰く
「冬は日射がないし、夏は超高湿度・・・なんでこんなところに住んでいるの?」
とのこと・・・(笑)。
まあこの空気質なら通風しても無駄というよりカビが・・・でしょうか。
ですが、都市化されていない本州以南海岸平野部では概ねこんな感じと思っております。
あっという間に90分はすぎ、予定より遅れて次の住宅へ向かいます。
コメント
四国の施主様
>ドレン管内の“招かれざる客”は
緑色だったら怖いですw。
冷房・除湿は眼力が必要ですが、ピシッと決まったときは気持ち良いですね。
いつも勉強させて頂いております。
こちら四国の蒸暑地でも似たような条件かと存じます。
湿度コントロールは高断熱高気密の至上命題的な面があり、こちらでも最も難しい“お題”かと。
夏場での床下エアコン暖房、非常に参考になります。
全館空調をベースとした“全館再熱除湿”は、新築予定の我が家でも実践させて頂こうと思います。
また、四国瀬戸内側での高断熱高気密住宅における全館空調、ネックのドレン管内の“招かれざる客”は、黄色かピンク色か、はたまた見たこともない色か、機会があればご報告させて頂きます。