さて・・・
昨年も驚きの結果に興奮した何時もの赤林ラボの今年のエアコンの学会発表論文梗概です。
今年は能力と性能がほぼ同じ定格冷房出力5.6kw(15帖クラス)のP社とME社の比較です。
結果は・・・驚きです。
黄色い部分が最低最高COP出力位置。本来なら著者の了解を得なければいけない黄色書込みを行っている事をお許し願いたい。
何でこの違うCOP特性結果で全く同じAPF(年間の平均COP)になるのかが不思議です。
暖房時(外気7℃、室内ME社20℃、P社22℃)P社は出力1.8kw(負荷率約30%以下)時に最高のCOPに対し、ME社の方は出力3.5kw(負荷率約50%)に最高になっております。
この違いは図のとおり山の形状が全く違うことでもわかるとおりです。
冷房時には山の形状はあまり違いがなく、ただP社のCOPが1以上低いところが多くあり、冷房の設定温度が1度だけ違うだけでこんな差になるとは思えません。カタログに記載された定格冷房COP以上の差がありなぜ同じAPFのエアコン特性がこれだけ違うのか・・・不可解です(APFは定格と中間・低温のCOPから計算で得られるのでこの点が同じなら同じAPFになるかも・・・と思ってグラフをみると・・・暖房時では確かに2点はとても近いCOP)。
一方暖冷房出力と室内機の風量の違いは下の通りです。
メーカーによって思想が違うのか暖房時風量に大きな違いがある。
ME社の暖房時の風量の考え方は明確で、低い出力時にはできる限り風量を下げようとしているようです。一方P社は出来るだけ風量は落とさないで維持しようと思われます。同じAPFで15帖用のエアコンなのにここまで違うとは想像が出来ませんでした。
次に・・・こちら↓をご覧ください。
無許可でグレーの矢印を加筆させて頂いた。
こちらを見ると性能測定用の強風モードと、実使用時用の自動風の違いがわかります。
JIS規定では外気35度が基準となりその温度時には強風で使うとよいCOPになるセッテイングで実際は外気35度は殆ど無いですから、一番多く出現する外気25度から30度の部分負荷率50%以下(自動風)でCOPが一番高くセッテイングされております。
大学ラボなのでこの論文の全文を↓に載せさせて頂きます。