「て・こあ」の前にあるお寺様は浄土真宗で、毎年10月に報恩講が執り行なわれます。
報恩講とは、浄土真宗の開祖とされる親鸞聖人の命日前後に檀家と共に行われる法要です。それが本日で多くの檀家さんがいらっしゃっているのが見えました。始まりと終わりに鐘がなりこのような信心の習慣は三条ではもう薄れてきており(新潟県は浄土真宗が多い)、少し田舎でないとお目にかかれませんが、変わってはいけない伝え続けたい行事だと思います。
さて・・・
「て・こあ」は六年目を迎えており、今までずーっと下の矢印の壁は下地のまま五年前から放置されておりました。それをこの秋に仕上げたいと管理者の号令がかかりましたので、それに従い奉仕する事にしました。
まず・・・
窓枠を作ります。材料は無論「緑の家」と同じ・・・「杉」。
・・・日本の民家は杉でしょう!材料を用意して
スライド丸鋸で留めを作ります。一般的な大留です。
スライド丸鋸の手入れが行き届いておらず、どうも正45度がでていないので何度か調整します。加工は道具の手入れで仕上がりの精度が決まります。ゆえに道具の管理をみれば大工さんの腕がわかるというものです。
一組目はうまくいったのですが、二組目は留めが合わない・・。
造り直しです。原因は固定する定規が曲がっており機械右側で加工した木と左で加工した木の角度が微妙に違う為です。
一般の住宅造りもそうですが、必ず切りミスをするのが注文住宅(大手ハウスメーカーではない)です。そのロス分は必ず考えて材料をちょっとだけ多めに用意します。
材料を切っていると・・・目の前でカナヘビがお腹を膨らませてひなたぼっこ。今時期に沢山食べないと越冬出来ませんからね。・・・それともメス?
切り上がった材料を組み立てて・・・
こんな感じ・・・これを4セット作ります。
それを壁にはめ込み(通常はプラスターボードを貼る前に設置)ます。
流石に留めが微妙にくっついていない・・・大工さんには頭が下がります。いつも短時間で綺麗な留めを作って現場に納めておりますから・・・、
こんな感じで杉の枠が出来上がります。
次にプラスターボードのジョイントの下地処理します。通常はファイバーテープですが、今回は和紙状のテープで塞ぎます。仕上げは漆喰の予定なので、AEP壁より下地の処理は丁寧にする必要はありませんから気が楽。
とここまでで約6時間・・・。ふー・・・。
そしてマスキングを施し、釘穴や隙間をパテで塞ぎます。
ようやく下地が終わり、このあと漆喰の下塗りと仕上げ塗りを行い出来曲がります。
素人細工で下手ですが浅間は自身で木を切り、組み立て、左官壁を塗ったりします。だからこそ職人さんの気持ちや手順が、頭では無く体でわかります。そしてメンテナンス時にはこうすると楽だなと後々のことも考え施工します。設計者は多少でも現場(製作)を知らないとつい机上の空論になりますから・・・自身の「体」で知る事は大事です。