1200枚の紙の山・・・。
全て破棄となる。
長期優良住宅申請のため構造計算書の清書をプリントアウトしていたが、勘違いしている部分に気づき、1箇所の数値を再入力するとこのように今までの書類は全て破棄することになる。
書類には計算日時と通し番号が全てに印刷されるので、500ページの中に違う日時が入っているだけでその説明をしなければならないが、それよりも1箇所の数値変更でも影響を及ぼす箇所が多いので、新しくプリントアウトした方が間違いがない。今の構造計算は新しい規定が盛り込まれる度に細かくなるので仕方が無い。当事務所はインクジェット機なので500ページを表裏印刷すると途中で黒インクを一度交換して2時間は最低かかる。片面印刷なら1時間強なのだろうが、そうすると今度はその厚さが半端ない。こんな時代に紙ベースの資料なんて・・・と思われるかもしれないが、チェックをするときには図面でも計算書でも紙ベースの方が頭にはいる。これは私達世代が最後かもしれないが、モニター画面だとどうしても目で追っていても頭に入らない。しかし何時も思うのだが、一般的2階建の木造住宅でも構造チェックは半端ない量と知識が求められる。確かに耐雪2.5mで耐震等級3といえば・・・相当変った性能の建物かもしれないが、スキップフロアーや変形平面(矩形でないこと)、組み込み車庫等変ったデザインをしていないのに・・・。これにスキップフロアーだの矩形でない平面など取り込んだら多分この計算書の厚さは2倍となる。そんな難易度の高い基本設計を最初からスムーズに解いて提案できるほど私は技量を持ち合わせていない・・・。もしやるとしたら最初から全て構造計算をしないと無理でその手間と時間は相当な事になる。
その基本設計と木造の構造計算だけは事務所開設以来全て自身で全て行う。この2つで家の90%の仕様と価値がきまるからだ。
さて今日午後から大阪府堺市に伺って基礎打込み前の最終チェックをする。コンクリート立米数は概ね35m3と聞いているが、何しろ周囲が混み合って道が狭いのでどう頑張ってもミキサー車は中型以下。かりに中型車で3m3/台すると12台、小型車なら18台となる。単純に7時間で打込みする計画なら25分に1台の割合となりこれは結構きついスケジュール。施工計画とその実施は建設会社さんの腕の見せ所である。因みに先回の上山の家では1.5倍の51m3であったが、2セットのポンプ車のおかげで午後の早い時間には既に打ち終わっていた。今回のコンクリートは33-15-20と「緑の家」の標準配合の生コン。流れ難いところはないのでスランプは15cmと堅めとしている。