堺市の家 耐力壁の工事監理 ⑤

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帰りの窓から・・・グーグルアースではまず見られないこの時期に新潟平野が100年前の多分日本一の水の都の「潟」に戻る。

堺市の家の工事監理は・・・

2.5時間ほどで終了。何も修正がないことはなく、大壁貼り特有の全面貼りの時の勘違いがあった。これは許容応力度設計を行った事のある設計者にしかわからない。

赤が耐力壁で青が開口部。もしこの家(上は堺市の家ではない)が構造用合板大壁の全面貼りならピンク色の矢印部分は耐力壁として施工しない。

・・・今回の場合は大壁貼りモイス貼りとなっているが、防火構造のため貼るモイスは非耐力壁となる部分が有り、この場合耐力壁と同様の貼り方(釘の本数)をすることはNG。非耐力壁を耐力壁と同じように貼ると、設計図に記載された耐力壁の柱脚、柱頭にかかる引っ張り力が変わり、金物の変更をしなければならなくなる。更に壁の強さが変わると床の強さも変えなければ、変形が大きくなりNGになることもある。ただ単に壁が強くなるからいいだろうということにはならず、この辺りが許容応力度設計を行った設計者にしかわからない。

これらの勘違いがあったので修正をお願いした(耐力壁が面材大壁施工は間違えやすい)。

この勘違いの施工状態で行政機関のokが出るのだから如何に工事監理者が必要で重要かわかる。念のためこれは今回の施工会社が悪いのではなく、合板を使った耐力壁の正しい施工方法が理解されていないから気付く建設会社は一般的に少ない。

またこれはグレーだと思われるが・・・構造壁が2Pで1Pの間隔が1365mmの時に、2Pで2730㎜になるので3×10板を3枚だとちょうどよいと勘違いして3枚で貼ってしまう。しかしこれはNGと思われる。

3×10板なら4枚で貼るのが正しい・・・と考える。つまり910㎜+455㎜が2セットになる。

その根拠は許容応力度設計の62ページに記載がある(モイスも同様の記載あり)が、もし違うようであればご指摘を頂きたい。

一方筋かいの耐力壁は完ぺきでミスや思い違いはなかった。これは工事監理を行う前のその②で申し上げた通りの結果になった。筋かいはその材質(節だけ気にすれば)だけ注意すれば多くの建設会社でミスはない安定した耐力壁である。

このシリーズの最後に・・・

新潟平野ではこの連休中に水田へ一斉に水がはられた。すると水面が茶色く光るのだが、一部減反している田や畑があるので上空から見ると・・・

雨の日のだから地面が濡れ色で色が濃くなる。それと薄い水のはられた田んぼの茶色が微妙な色合いで、この時期何もしなければ全て緑色の雑草と大自然を管理した田(茶)・・・人工的造形と天然系色の組み合わせ+人の営みに感動する。

モンドリアンのコンポジションより美しい?・・・。

今の時期だけ見られる色合いと形。これは新潟県の美しさの一つである。

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コメント

  1. とうちゃん より:

    拙宅でも、柱、間柱の上の仕上げは石膏ボードだけのはずと思われるところに、下地に合板が存在するのを発見して、違和感を感じていたところでした。
    非耐力壁の扱いは、構造計算の意味を理解していないと間違えるでしょうね。

    • Asama より:

      遅レスすみません。

      >非耐力壁の扱いは、構造計算の意味を理解していないと間違えるでしょうね。

      おっしゃるとおりです。
      どんどん内容が難しくなっており、普通の設計者がそれについていくだけでも大変です。