堺市の家 足場取り外し前のチェック 3

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エアコンを設置して未だ現役のホーム待合。この窓デザインはまねして使いたいくらい可愛い。

ノックダウン・・・

良すぎる待合室

後でこの待合と駅舎のデザインが統一されている事に気づいた。

此方は・・・

現在工事監理をおこなっている堺市の家の隣駅となる南海本線の浜寺公園駅のホームにある待合室。諏訪ノ森駅がとても良かったので、調べるとこの浜寺公園駅のほうがもっと古いらしいとの事で工事監理後に見に来た。

その時代に流行したデザインであるが、その良さは今も高評価で「可愛い」。

色も泣かせるアイボリーピンク白。日本人の好きな色でツボを押さえる幾何学デザイン・・・。

すばらしいのはこれが現役で使われていることにつきる。

ではその駅舎どうなっているかというと・・・

駅舎改札に向かうために何故か新しい地下道をくぐる。

嫌な予感がして改札をでると・・・

駅がない・・・というより最近の四角い駅ではないか・・・。

えっと思ってロータリーまで行くと

ああー

看板は外され、駅舎内はカフェになっていた。

これは・・・もう建築の駅ではなくハリボテと同じ。駅舎は木造であるが、今はそのなかに鉄骨材がありキッチリ補強されている。使われていないのに、更に鉄骨補強とは・・・残念である。多分屋根材もちがうのだろう

気持ちはわかるが、この黒い鉄骨とカフェ・・・(泣)。

こういった建物は使われて現役で残っているからこそ魅力があると私は思う。もし補強するならしっかりと内部で補強して、外からわからないようにするのが鉄則。また新しいこの床は最悪・・・。以前の場所から数十メートル移設しされているらしく・・・そのせいか床だけ新しい。何の意味もない。これなら明治村にそのまま持って行ってほしかった。設計、工事関係者も喜んでいるとは思えないと感じてしまった。調べると2016年まで使われていたとの事。2年早ければ・・・。グーグルアースでは魂のある現役の駅本来の姿を見ることができる。

ディテールは本物の良さががあり凄く良いのだが、鉄骨補強やぴかぴかの時を感じさせない新品の床は町中のレトロ様式でつくったレストランのようでもある。

古い使われなくなった駅舎より現在も使われているこのホームとそこに有る待合が素敵に思えるひねくれ建築士である・・・。

このホームの屋根は繊細で理にかなっている素敵な構造と感じる。

待合の取っ手なんて泣かせる。数十年も現役でその手跡が建築物の価値である。

建築物は必要とされなくなったらそれでおしまい。明治村に展示されるか又は廃墟になってしまうか、破棄され取り壊されるのが良い。生き残る建築物には人の気持ちがそのまま入っているので感銘を受けると思う。

新しい案内板と電車。古い屋根と柱・待合とすり減った床材。この雰囲気に思わず声をあげる。これでこの町の「時」が伝わり、誰もいないホームに人々の影が浮かび上がる気がする。

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