その4は補足とまとめとする。読み違えると間違うのですこしゆっくりと最後まで読んでほしい。
何度も繰り返すが・・・
通風の利用できる定義として、
通風とは風通しの事で、この場合の通風は家の中が暑いので窓から風をいれ屋外の空気で室内の空気温度下げる事をさし、同時に体へ風(気流)をあてることで気化熱量を増大させ体温を下げ易くすること。ここで扇風機がエアコンと違い空気質を変える装置ではない団扇の延長であり、大正時代から約100年間以上利用されてきた事を考えると、気化熱促進は通風でなくとも良いと考える。よって通風の効果とは室内の気温を下げること。つまり家の中が外気より高い時のみ有効であると定義する。
ということで、通風の気化熱促進についてはこの提言では扇風機で代用するとして、外気が低いときのみ室温を下げるという効果があると考える。
「て・こあ」での実測、数年間の真夏の体験、築190年の古民家の測定からやはり・・・
郊外の一戸建て住宅において、土間や大地との繋がりを持つ無断熱の建物では
「日中の通風(風通し)では室温は下がらない」
は事実であり、気温が概ね30度を超える日中は外気を制限するほうが室内温度が低い時間を維持できる。但し、2階建の2階や平屋建の上部は暑くなる。
そんなの当たり前で、提言でも何でも無い・・・とのご意見があろうが、
巷ではあまりにも省エネや自然崇拝が進んだせいか、どんなときでも
「通風はよい」とか
「エコだ」との理論的ではない認識や評価(国も含む)が一人歩きしているように思える。
確かに
断熱材を中途半端にいれた工法や、
熱バッファーを考えない材料、空間構成、
大地と縁を切った構造(これが重要)、
庇がなくなんら日射遮蔽を行わない設計、
更に町中に隙間無く建ち並ぶ都市部においては、
日中窓を閉め切ってしまえば、外気よりすぐに室温が上がるのは当たり前。
そこには触れず、
真夏にエアコンONより窓をあけ通風することがエコだし、自然だ!との認識はとても違和感がある。
本来日本で育まれた建て方、住まい方が出来くなったので・・・仕方無く真夏は窓を開けるしか手段がなくなったのである。そこに40年前エアコンが登場して簡単に冷気が得られることが可能になったので、更に加速して冷気を生み出す源の大地と縁を切り、日射遮蔽もしない建て方が蔓延した。そこには目をつぶり夏は日中でも窓開けしましょう・・・は理屈が通らない・・・と私は考える。
この結論にはご意見が多々あると思うのでコメントをどうぞ。
さて・・・
補足的なことであるが、
昨日の40度(長岡39度)を記録した正にその時に、実は「て・こあ」で台風に備えて簾を片付けていた。その時の室内温度(表面温度から)31度と外気に比べ相当低い。無論窓は閉めっぱなしである。
実は夜間も閉めっぱなしなので夜間窓を開けていれば更に1から2度低くなるはず。
一方、同じ日のほぼ同時刻の現在施工中の超高断熱の「長岡の家」Ua値0.27w/m2kでは・・・
窓全開だから外気と同調しており、コンクリート土間であっても32℃と「て・こあ」室内壁、床より高い温度示す。当たり前のことであるが、なら何時通風を行うのか?夜間?夜間の防犯は?防犯は人の上がれない高い窓をあければ良いのだよ・・・との考えはNG。男性と違って年齢に関係なく現在の女性は窓が開いている(周囲から見られる)ということ自体NGという心理がある。
また巷にはこのような話もあるが・・・
「日中は北側の低い外気のある地窓と2階の天窓をあけるとよい。」
これも?で室温より低い空気が前提であるが、
「て・こあ」のような北に緑豊かな裏山を抱えていても、外気温は1度から2度しか低くない(南側にコンクリートカーポートがあればそこは外気温より数度高いのでましということ)ので室温を下げるという意味ではどんな位置の窓でも開けない方がよいのは明らかである。
さて最後に・・・何れも今回の件は新潟県平野部の気候にある以前は当たり前の住宅様式であるが今となっては特殊な住宅様式を実測観察しての事。日本の全ての地域、住宅にあてはまるとはいえないので注意してほしい。
謝辞
今回の提言のきっかけになった恩師(赤林ラボ)に心よりお礼を申し上げます。また「て・こあ」との出会いがなければ気づかなかった。これも「て・こあ」管理人に感謝します。
コメント
家おたく様
古い記事にコメントありがとうございます。
質問がこちらの記事と少し離れているように感じており、もしかしたらとぼけた返答をするかもしれませんがご容赦願います。
>例えば2階の階段の窓がFIXで熱気を排出できない、
その熱気はどこから来ているかがこの記事では問題にしております。つまり窓を開けない家では熱気の源は日射侵入の他はなく、人や家電製品はたかがしれておりますので、まずは日射遮蔽を原則とし外気遮蔽をすることが第一優先の記事です。
>1階リビングの掃き出し窓の対角に開閉できる窓がなく風が通らない、などといった事は問題にはならないでしょうか?
そもそも外気が30度を超えている時には窓を一切開けないほうが良いとの記事ですから問題になりません。
ですが、ご質問をこの記事の事と関係なく受け取るとすると・・・
エアコンで室内を冷除湿し、対角の窓などの通風を一切考える事は止めましょう・・・と言うほかありません。現在の都市における住宅条件では、真夏の通風行為はおまじないのようなものです。
こんにちは。
いつも参考にさせて頂いています。
例えば2階の階段の窓がFIXで熱気を排出できない、1階リビングの掃き出し窓の対角に開閉できる窓がなく風が通らない、などといった事は問題にはならないでしょうか?