2018年9月18日加筆修正 緑字 大事な部分を取り違いをしておりましたので緑字を加筆修正しました。
風が吹くと建物の風上側壁面は動圧が静圧にかわる。一方風下側壁面には静圧のみ加わる。動圧とは風の風速そのものの力であり、静圧とは風速ではなく建物を取り囲む空気の圧力差のこと。無論風が吹けば一般的に室内外にも圧力差は生まれる。
動圧は理解可能だが、静圧となると肌に感じる事もなく目に見えないだけなかなか想像しがたい。
建築士は台風が来ても家が飛ばされたり倒れないように風の力を計算する。その時に使うのが下の図のような風圧力による風圧係数・・・。
風上側の外壁にある換気ダクト入り口は換気フードの形状によって圧力分布を変えられる可能性があるが、風下側はフード形状による影響はほぼ無い。動圧と静圧の2つがかかり、風下側の外壁には静圧のみかかる。この時大雑把に考えて風上側には動圧1と静圧1となり風下側には静圧ー1がかかると考えてよい。
建物が気密性が上がれば(四角いマスとなる)上がるほどこの関係がはっきりする。
そこで外壁に設けた換気扇の話となるのだが、
風上側に働く動圧1(所謂風速)は換気扇のフード形状である程度軽減でき静圧分布を変えることができる。静圧1はフードの形状で何とか出来るものではなく、殆ど軽減されることはない。また同じように一方風下側の外壁部分にかかるマイナスの静圧は換気扇のフードで何とか出来るものでなく、これら静圧の影響を受けにくくするには、その送風機の形状や仕組みによることが一番の王道。その他では建物の外側に他の建築物(防風壁)や木(防風林)を設ける方法がある。
一方建物細部を考えると同じ風上面外壁でも建物角については静圧分布が変わり、また近隣の建物配置でも変わることになる。つまり風が吹くと大変複雑な圧力分布がその建物に出来上がる事になる。それが理解できると、自然給気口では不安定で安定した換気は機械でしか行えないことが理解でき、ある程度の風が吹いても安定風量を確保する為には静圧の高い電気式ファンが必要となる。ここが家内でしか使う事のないファンと違うところ。24時間を通せば揺らぎで平均となるのでは?と思っても冬期の卓越風は長時間連続して続くことが多い。
この事が冬期の強風が吹く新潟県において、オーブルデザイン設立時から第一種換気システム(静圧がでるファン付、又は同じ近壁面に給排口を持つシステム)を薦めている理由である。その2はその裏付け資料を提示する。
コメント
よく読んでいませんが、建物の風上側には上空の動圧に壁面の風圧係数を掛けた静圧が作用するのでは無いでしょうか。
赤林先生へ
御指摘のとおり、取り違いをしておりました。
コメント頂き、まだまだ自身が無知であること反省し修正しました。
最初から「換気ダクトの状況」を頭に描いていたため、書いた内容がおかしなことになりました。今後ともご指摘頂ければありがたいです。